必然は偶然、偶然は必然 epilogue
「ジェイド、貴方は色々な意味で恵まれた立場にいました。才能にしても地位にしても人脈にしても、通常の人に比べたらそれこそ比べるまでもない程に・・・しかしそれは、貴方から責任に対する覚悟と言うものを損なわせてしまった」
「責任に対する覚悟?」
「そう・・・重ね重ね私に言われる筋合いはないと思いますが神託の盾によるタルタロス奪還の際に貴方がただ一人生き残り、部下の命を失わせてしまった件・・・これは言ってしまえば貴方の監督不行き届きと言えますし、一番上の人間がその責任を取るのは当然と言えます」
「それこそ貴方に言われる筋合いはありませんよ。タルタロスを襲った貴方には」
「言ったでしょう。あえて私はこれを切り出してるのだと。私の事はともかくとしても十分に貴方は責任を取るべき立場にいるのは明らかな事ですが、今までそれらは追及されることはなかった・・・それは何故かと言えば貴方を処分する事にピオニーが踏ん切りをつけたからです。諸々の不祥事を幼なじみだからと見過ごさないと」
「っ!」
それでサフィールはいかな立場にいるのかを説きつつジェイドから何をと反論を返されるが、今その立場が崩れていると言ったことで表情を驚きに崩す。
「ピオニーは覚悟しました。貴方を切り離す覚悟を。それは皇帝として国を守る為にです・・・しかし牢に繋がれた貴方は覚悟どころか、大佐として活動してきた今までの行動に落ち度がないと思っていた。それがいかにピオニーの信頼という盾であり武器に甘えていたのか、その事を考えずにです」
「っ・・・!」
そしていかに今のピオニーとジェイドが違うか・・・それを再度覚悟の有無と告げるサフィールに、ジェイドは甘えと指摘されたそれに苛立ちを滲ませ歯を噛み締める。
「ジェイド・・・貴方の事です。自分が今まで何をしてきたのかは事細かに覚えているでしょう。ですからせめて思い返してください。自身の行動にどのような責任が付随していてそれを見逃されてきたのかを・・・」
「っ・・・!」
・・・その姿は馬鹿にしているサフィールの言葉を受け入れたくはない、そうジェイドのプライドが言っているように見えた。
そう感じたからこそ悲し気に哀れむようこれが最後だと自分の行動を振り返るように想いを込めて言い、サフィールは踵を返しもう振り向くこともないままその場を去っていった。ジェイドの強く反発を込めた眼差しをその背に受けながら・・・
・・・その後、サフィールは少ししてジェイドの死刑が敢行されたことをフリングスから知らされた。その時罪状も読み上げられタルタロスの件も含めた上での事と本人に聞かせたそうだが、ジェイドは納得はしたようだが自分には不満を滲ませているように見えたと言うのはフリングスの個人的な感想だ。
そう聞いてサフィールはいい意味でも悪い意味でも、どちらかと言えば悪い意味合いが強いがジェイドらしいと感じていた。理屈では受け止めはするが、それを踏まえて屁理屈を正論らしく並べ立て自身の優位を作らんとするジェイドらしいと。
ただそれは根底の所ではジェイドは最後まで自身にはそこまでの責任はないと思っていただろう事の裏付けとも言えた。死刑になるほどではない、そう考えていただろう事の。
・・・しかしそれも終わってしまえば過去の事だ。いかにサフィールの言葉が気に入らなかったり事実を受け入れる気はなかったとしても、起こしてしまったことに変わりはないし責任から目を背けていたことに変わりはない。だからジェイドは死刑となったのだ、ルーク達によりそれらと向き合わされたことで。そしてそれを理解しているからこそサフィールは受け入れる事が出来たのだ、自分の言葉を受け入れてくれないジェイドを失う事を・・・
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「責任に対する覚悟?」
「そう・・・重ね重ね私に言われる筋合いはないと思いますが神託の盾によるタルタロス奪還の際に貴方がただ一人生き残り、部下の命を失わせてしまった件・・・これは言ってしまえば貴方の監督不行き届きと言えますし、一番上の人間がその責任を取るのは当然と言えます」
「それこそ貴方に言われる筋合いはありませんよ。タルタロスを襲った貴方には」
「言ったでしょう。あえて私はこれを切り出してるのだと。私の事はともかくとしても十分に貴方は責任を取るべき立場にいるのは明らかな事ですが、今までそれらは追及されることはなかった・・・それは何故かと言えば貴方を処分する事にピオニーが踏ん切りをつけたからです。諸々の不祥事を幼なじみだからと見過ごさないと」
「っ!」
それでサフィールはいかな立場にいるのかを説きつつジェイドから何をと反論を返されるが、今その立場が崩れていると言ったことで表情を驚きに崩す。
「ピオニーは覚悟しました。貴方を切り離す覚悟を。それは皇帝として国を守る為にです・・・しかし牢に繋がれた貴方は覚悟どころか、大佐として活動してきた今までの行動に落ち度がないと思っていた。それがいかにピオニーの信頼という盾であり武器に甘えていたのか、その事を考えずにです」
「っ・・・!」
そしていかに今のピオニーとジェイドが違うか・・・それを再度覚悟の有無と告げるサフィールに、ジェイドは甘えと指摘されたそれに苛立ちを滲ませ歯を噛み締める。
「ジェイド・・・貴方の事です。自分が今まで何をしてきたのかは事細かに覚えているでしょう。ですからせめて思い返してください。自身の行動にどのような責任が付随していてそれを見逃されてきたのかを・・・」
「っ・・・!」
・・・その姿は馬鹿にしているサフィールの言葉を受け入れたくはない、そうジェイドのプライドが言っているように見えた。
そう感じたからこそ悲し気に哀れむようこれが最後だと自分の行動を振り返るように想いを込めて言い、サフィールは踵を返しもう振り向くこともないままその場を去っていった。ジェイドの強く反発を込めた眼差しをその背に受けながら・・・
・・・その後、サフィールは少ししてジェイドの死刑が敢行されたことをフリングスから知らされた。その時罪状も読み上げられタルタロスの件も含めた上での事と本人に聞かせたそうだが、ジェイドは納得はしたようだが自分には不満を滲ませているように見えたと言うのはフリングスの個人的な感想だ。
そう聞いてサフィールはいい意味でも悪い意味でも、どちらかと言えば悪い意味合いが強いがジェイドらしいと感じていた。理屈では受け止めはするが、それを踏まえて屁理屈を正論らしく並べ立て自身の優位を作らんとするジェイドらしいと。
ただそれは根底の所ではジェイドは最後まで自身にはそこまでの責任はないと思っていただろう事の裏付けとも言えた。死刑になるほどではない、そう考えていただろう事の。
・・・しかしそれも終わってしまえば過去の事だ。いかにサフィールの言葉が気に入らなかったり事実を受け入れる気はなかったとしても、起こしてしまったことに変わりはないし責任から目を背けていたことに変わりはない。だからジェイドは死刑となったのだ、ルーク達によりそれらと向き合わされたことで。そしてそれを理解しているからこそサフィールは受け入れる事が出来たのだ、自分の言葉を受け入れてくれないジェイドを失う事を・・・
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