必然は偶然、偶然は必然 epilogue
「・・・全部お前が悪いとは言わない。命が惜しいのは確かに分かるし、利用されたくないって気持ちも分かる。ただお前は考えて動くべきだったんだ。神託の盾に入ってどうするべきだったのかを考えて・・・そして何を捨てるべきだったのかを」
「何を捨てるべきか、だと・・・!?」
「そうだ。神託の盾として真に生きるか、ヴァンという存在にずっとつくか、いつかキムラスカに戻ることを思って忍従するか、はたまた別の道を選ぶか・・・それを自分で選択して、捨てるべき物を選ぶべきだった。そうしたらお前は例えキムラスカを捨てたとしても、まだその選択に殉じた行動を迷いなく生きる事が出来た。キムラスカに戻ると選んだなら、預言に殉ずるつもりはなくともその生き方を示すことが出来た・・・けどお前は何も選ばず、何も捨てようとしなかった。自分はキムラスカを捨てたみたいに言ったのに、ナタリアの事を言った瞬間その気持ちを覆したんだからな」
「・・・っ!」
そのままの体勢でルークは冷たく言い放つ、いかに何も捨てられずにアッシュがいたのかを。特に最後のナタリアの事を切り出されるとアッシュは苦々しげな顔になり、言葉を詰まらせる。
「ま、俺が見立てた所じゃお前にお似合いの場所は精々戦場の一兵士って所だろ。その気性で人の上に立てるなんて思わないし、今まで神託の盾として軍の生活に入り浸ってきたお前が軍人気質をいきなり抜けなんて言われたって出来る訳ないしな」
「てめぇ・・・!」
更に兵士以外似合わないと告げるルークに今度は反抗的な目を見せる・・・だがルークにイオンからしてみればアッシュには兵士以外適性は無いものと思っていると確信していた。あまりにも兵士としても礼儀が全くなっていないチンピラ気質の人に頼ろうともしない短絡的な考えのアッシュが、それ以外の場ではかつての時みたいにキムラスカの王として活動していたようにまともに人と円滑な関係を結べる筈もないと。故に多少乱暴でもなんとか誤魔化せる兵士か、傭兵ぐらいがアッシュにぴったりな職業の関の山だと。
「ま、これ以上お前に色々論じても仕方ないんでな。手っ取り早く終わらせてもらうぞ」
「っ、てめぇ、それは・・・!」
‘ポイッ、ギュイィィィンッ!’
「があぁぁぁっ!?」
しかしと散々言っておきながらルークは手元からディストお手製の簡易封印術を取り出し、言葉を言い切らせることなく・・・あっさりとアッシュに放り投げ、封印術をその身に浴びせた。独特の音を響かせながら身に降り注ぐ光にアッシュは苦悶の叫びを上げる。
「お~、流石だなディスト。これ本当に封印術じゃん。これで完璧な封印術じゃないのか?」
「えぇ、ですが効力は前に言った通りですから過信はしないでください」
「っ・・・てめ、ぇ、ディスト・・・この屑に、手を貸した、と言うのか・・・!?」
その様子に感心にルークは声を上げディストは再度注意を申し上げるが、アッシュがそんな様子に裏切り者を見るかのように責める視線を向ける。
「色々と協力を要請された結果ですよ、その簡易封印術に関しては。それに貴方は私との間にそんな信頼など見せた事などないではないですか。なのに仲間に裏切られたといったような反応をされても、薄ら寒いだけです」
「っ・・・」
だがディストは全く迷う様子も見せず恨み言を言われる筋合いはないと言い切り、かつその態度を寒いと言い切られアッシュは何も返せず悔しそうに歯を噛む。
「・・・今となって思いますね。人の事は言えませんがいかに貴方が責任という物を理解してないかを」
「・・・なんだと?」
「いえ、これは独り言です。どうぞ続けられてください」
「あぁ、わかった」
そしてディストが疲れたように責任と漏らし首を振る姿にアッシュはまた噛み付こうと睨み付けるが、すぐさま視線をルークに向け話を戻すように言ったことで否応なしにルークにアッシュは視線を向ける。
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「何を捨てるべきか、だと・・・!?」
「そうだ。神託の盾として真に生きるか、ヴァンという存在にずっとつくか、いつかキムラスカに戻ることを思って忍従するか、はたまた別の道を選ぶか・・・それを自分で選択して、捨てるべき物を選ぶべきだった。そうしたらお前は例えキムラスカを捨てたとしても、まだその選択に殉じた行動を迷いなく生きる事が出来た。キムラスカに戻ると選んだなら、預言に殉ずるつもりはなくともその生き方を示すことが出来た・・・けどお前は何も選ばず、何も捨てようとしなかった。自分はキムラスカを捨てたみたいに言ったのに、ナタリアの事を言った瞬間その気持ちを覆したんだからな」
「・・・っ!」
そのままの体勢でルークは冷たく言い放つ、いかに何も捨てられずにアッシュがいたのかを。特に最後のナタリアの事を切り出されるとアッシュは苦々しげな顔になり、言葉を詰まらせる。
「ま、俺が見立てた所じゃお前にお似合いの場所は精々戦場の一兵士って所だろ。その気性で人の上に立てるなんて思わないし、今まで神託の盾として軍の生活に入り浸ってきたお前が軍人気質をいきなり抜けなんて言われたって出来る訳ないしな」
「てめぇ・・・!」
更に兵士以外似合わないと告げるルークに今度は反抗的な目を見せる・・・だがルークにイオンからしてみればアッシュには兵士以外適性は無いものと思っていると確信していた。あまりにも兵士としても礼儀が全くなっていないチンピラ気質の人に頼ろうともしない短絡的な考えのアッシュが、それ以外の場ではかつての時みたいにキムラスカの王として活動していたようにまともに人と円滑な関係を結べる筈もないと。故に多少乱暴でもなんとか誤魔化せる兵士か、傭兵ぐらいがアッシュにぴったりな職業の関の山だと。
「ま、これ以上お前に色々論じても仕方ないんでな。手っ取り早く終わらせてもらうぞ」
「っ、てめぇ、それは・・・!」
‘ポイッ、ギュイィィィンッ!’
「があぁぁぁっ!?」
しかしと散々言っておきながらルークは手元からディストお手製の簡易封印術を取り出し、言葉を言い切らせることなく・・・あっさりとアッシュに放り投げ、封印術をその身に浴びせた。独特の音を響かせながら身に降り注ぐ光にアッシュは苦悶の叫びを上げる。
「お~、流石だなディスト。これ本当に封印術じゃん。これで完璧な封印術じゃないのか?」
「えぇ、ですが効力は前に言った通りですから過信はしないでください」
「っ・・・てめ、ぇ、ディスト・・・この屑に、手を貸した、と言うのか・・・!?」
その様子に感心にルークは声を上げディストは再度注意を申し上げるが、アッシュがそんな様子に裏切り者を見るかのように責める視線を向ける。
「色々と協力を要請された結果ですよ、その簡易封印術に関しては。それに貴方は私との間にそんな信頼など見せた事などないではないですか。なのに仲間に裏切られたといったような反応をされても、薄ら寒いだけです」
「っ・・・」
だがディストは全く迷う様子も見せず恨み言を言われる筋合いはないと言い切り、かつその態度を寒いと言い切られアッシュは何も返せず悔しそうに歯を噛む。
「・・・今となって思いますね。人の事は言えませんがいかに貴方が責任という物を理解してないかを」
「・・・なんだと?」
「いえ、これは独り言です。どうぞ続けられてください」
「あぁ、わかった」
そしてディストが疲れたように責任と漏らし首を振る姿にアッシュはまた噛み付こうと睨み付けるが、すぐさま視線をルークに向け話を戻すように言ったことで否応なしにルークにアッシュは視線を向ける。
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