必然は偶然、偶然は必然 第二十二話
「言ってしまったらジェイド達を今の状況に押し込んだのは確かに俺達だが、全てをありのまま報告してマルクトに公平に裁きを望んだからでもある・・・その結果が、今のジェイド達だ。ちゃんと法に照らし合わせた結果のな。けどジェイド達はそれを素直に受け入れようとはしなかった。それはなんでかって言ったら現実から目を背けたってよりは、都合のいいものだけを受け入れた上でそれ以外を否定したり目を背けてきたからだ」
「・・・だから今ジェイド達はそのツケを払っている、と・・・」
「そうだ・・・確かに辛いことやキツいことから目を反らしてただ都合のいいことだけに身を置けたら、そりゃ楽だよ。キツいことは誰だって避けたいしな・・・でもそれをずっと続けて何になると思う、ディスト?・・・答えは何も変わらない、だ。無闇にジェイド達をただ信じてた頃の俺達のようにな」
「!!」
ルークの自身らの過去をも責めるような言葉にディストの目が驚きに見開かれた・・・ディストからしても考えていなかったのだろう。ジェイド達を責めはしても自身を責めることは。
「俺達はただジェイド達を信じてた、いつかは変わってくれるって。でもそうやってただ何も考えもせず信じる日々は辛かった。何も出来ない自分達に歯噛みした・・・けどそれはジェイド達を信頼ってフィルターを通してしか見てない、ただの自己満足だって俺達はある時に気付いた」
「!・・・それがまさか、貴殿方が変わられた事のきっかけ・・・!?」
「あぁ・・・ジェイド達は変わらない。その事にうちひしがれていく俺達はその光景から逃避に近い形で色々考えるようになった。そしてその中で俺達はある事に気付いた。それが自分が相手に対して抱いた信頼じゃなく植え付けられた信頼だってことをな」
「最初にその事に気付いたのはルークでした。前の事を思い出していく内に信頼していったんじゃなく手を取らざるを得なかったから、信頼せざるを得なかった・・・状況に望まれていたから」
・・・かつてを客観的に見れる今だからこそ、ルークとイオンはかつての自身の無知さを語れる。
いかに自身らがジェイド達について思い直せるような事態になったのかと、そう語る二人の表情に自嘲の笑みが浮かぶ。
「あいつらは俺達を、いえあいつら同士の間ですらあいつらを見ていなかった。あいつらが自分以外に望んでいたのは自分の思うような相手であってほしいといったそんな気持ち・・・ルークがそう言ったことを僕は初めは何をと思いましたが、すぐに受け入れるようになりました」
「俺はあいつらがなんで変わらないのかと、そう考えた・・・そうしたら答えはすぐそこにあった。本当に何も変わってないからなんだってな。俺が初めて会った時からのあいつらとな・・・考えてみりゃ簡単だった。本当に昔から一貫してたからな、あいつらのあの態度は。けど俺らは信頼をあいつらの隠れ蓑にしちまった、他ならない自分自身のせいでな」
「・・・今が、その信頼という隠れ蓑を無くした結果だと?」
「そういうことになる・・・ディスト、お前一回フィルターを外して見てみろよ。ジェイドは自分の幼なじみで自慢の存在だって、そんな贔屓に信頼を抜きにしてな。それで自分の胸が痛むとかそう言った苦しみもあるかもしれないけど、少なくともそれらと向き合うことは今のお前にとっちゃ必要な事だと思うぜ。これから何をするにしたってな」
「っ・・・・・・わかりました、少し考えてみたいと思います」
自嘲の笑みそのままに二人は話を進め、ルークは自身らが持っていた信頼に盲目の原因があったと漏らす。ディストは恐る恐るとその真意を再確認すれば、ルークが今までの流れを取りまとめるように慎重でいて真剣に考えることを真面目に勧めてきた事にたまらず息を呑み頭を下げて頷いた。そうすると肯定する形で。
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「・・・だから今ジェイド達はそのツケを払っている、と・・・」
「そうだ・・・確かに辛いことやキツいことから目を反らしてただ都合のいいことだけに身を置けたら、そりゃ楽だよ。キツいことは誰だって避けたいしな・・・でもそれをずっと続けて何になると思う、ディスト?・・・答えは何も変わらない、だ。無闇にジェイド達をただ信じてた頃の俺達のようにな」
「!!」
ルークの自身らの過去をも責めるような言葉にディストの目が驚きに見開かれた・・・ディストからしても考えていなかったのだろう。ジェイド達を責めはしても自身を責めることは。
「俺達はただジェイド達を信じてた、いつかは変わってくれるって。でもそうやってただ何も考えもせず信じる日々は辛かった。何も出来ない自分達に歯噛みした・・・けどそれはジェイド達を信頼ってフィルターを通してしか見てない、ただの自己満足だって俺達はある時に気付いた」
「!・・・それがまさか、貴殿方が変わられた事のきっかけ・・・!?」
「あぁ・・・ジェイド達は変わらない。その事にうちひしがれていく俺達はその光景から逃避に近い形で色々考えるようになった。そしてその中で俺達はある事に気付いた。それが自分が相手に対して抱いた信頼じゃなく植え付けられた信頼だってことをな」
「最初にその事に気付いたのはルークでした。前の事を思い出していく内に信頼していったんじゃなく手を取らざるを得なかったから、信頼せざるを得なかった・・・状況に望まれていたから」
・・・かつてを客観的に見れる今だからこそ、ルークとイオンはかつての自身の無知さを語れる。
いかに自身らがジェイド達について思い直せるような事態になったのかと、そう語る二人の表情に自嘲の笑みが浮かぶ。
「あいつらは俺達を、いえあいつら同士の間ですらあいつらを見ていなかった。あいつらが自分以外に望んでいたのは自分の思うような相手であってほしいといったそんな気持ち・・・ルークがそう言ったことを僕は初めは何をと思いましたが、すぐに受け入れるようになりました」
「俺はあいつらがなんで変わらないのかと、そう考えた・・・そうしたら答えはすぐそこにあった。本当に何も変わってないからなんだってな。俺が初めて会った時からのあいつらとな・・・考えてみりゃ簡単だった。本当に昔から一貫してたからな、あいつらのあの態度は。けど俺らは信頼をあいつらの隠れ蓑にしちまった、他ならない自分自身のせいでな」
「・・・今が、その信頼という隠れ蓑を無くした結果だと?」
「そういうことになる・・・ディスト、お前一回フィルターを外して見てみろよ。ジェイドは自分の幼なじみで自慢の存在だって、そんな贔屓に信頼を抜きにしてな。それで自分の胸が痛むとかそう言った苦しみもあるかもしれないけど、少なくともそれらと向き合うことは今のお前にとっちゃ必要な事だと思うぜ。これから何をするにしたってな」
「っ・・・・・・わかりました、少し考えてみたいと思います」
自嘲の笑みそのままに二人は話を進め、ルークは自身らが持っていた信頼に盲目の原因があったと漏らす。ディストは恐る恐るとその真意を再確認すれば、ルークが今までの流れを取りまとめるように慎重でいて真剣に考えることを真面目に勧めてきた事にたまらず息を呑み頭を下げて頷いた。そうすると肯定する形で。
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