必然は偶然、偶然は必然 第二十二話

・・・そして十数分後、ファブレ邸からルークは出てきた。



「どうでしたか?」
「母上には納得はしてもらった。ちょっと寂しがられたけどな・・・んじゃ行こうか」
「えぇ」
それでイオンからの問い掛けにルークは簡潔に答え、一同はバチカルを後にせんと歩き出す・・・












・・・そこからバチカルを出たルーク達はアルビオールに乗り、一路シェリダンへと向かった。何故シェリダンに向かったのかと言えばキムラスカ圏内でバチカルからの情報が来たならすぐに達しが渡される事を見越した上で休息でき、かつハロルドの作る装置のある場所だからである。






『・・・ハロルド、一ついいか?』
「なぁに、イクティノス?」
・・・そしてシェリダンのハロルドの作る装置の前、ここにウッドロウとイクティノスとハロルドの三人のみが場にいた。と言ってもハロルドは装置にかかりきりで問い掛けを向けられたイクティノスに視線を向けず、作業しながら返すが。
『どうにもこのオールドラントに来てから違和感を拭えずにいたのだが、お前は本当に俺の知るハロルドなのか?どうにも何かが違う、と言うか前より変わったように思えるのだが・・・俺の知る天地戦争時代のハロルドと・・・』
「・・・よく見てるわね、あんた。流石イクティノスって所かしら?」
イクティノスはそんなハロルドに言葉を絞り出すよう違和感と用い記憶と違うと言うと、ハロルドは作業の手を止めウッドロウの方へと向き直る。
「・・・ま、この際だしあんた達には私が経験したことを話してあげるわ。信じるか信じないかはあんた達次第だけどね」
『何・・・?』
それで少し間を空け意味深な事を笑みを浮かべて言い出すハロルドにイクティノスもウッドロウも怪訝そうに眉を潜めるが、構わずハロルドは話をしだす・・・かつての自身が体験した、カイル達との旅の事を。



・・・そしてこの事が後にある出来事に繋がる事になる・・・















・・・そんな一幕が当事者を除き人知れずされていた中、ルーク達はバチカルから外殻大地降下の際の達しの情報が来たことで再びバチカルへと舞い戻った。

そしてバチカルで謁見の間に入り晴れてゴーサインをもらったことで早速とすぐにバチカルを出て、ラジエイトゲートに向かった。



「・・・これが終われば俺達は元の所に、か」
「・・・今まで済まなかったな、本当に」
「気にするなよ。ただもう帰れないってなってたら多分昔の俺だったら相当荒れてたとは思うけどな」
そんなアルビオールの中、しみじみ言葉を漏らすセネルにルークが謝りの言葉を向けるが軽く笑んで首を横に振る・・・そう、もうここまできた以上ルーク達にセネルが付き合う理由はないのだ。外殻大地降下が終わり障気の中和、そしてプラネットストームを止める以上。故にこれらが終わったらローレライが元の場所にセネル達を送り届けることになっている。
「それより場所はタタル渓谷でという話だが、ギンジは大丈夫か?」
「はい、任せてください!」
そこにディムロスが表向き別れる場所を言い予定とギンジの都合について聞けば、元気のいい声で了承が返ってくる・・・ただそんな流れではあるが流石に船もなしにラジエイトゲートからただ別れてはいサヨナラで終わらせては、ギンジも不審に思うのは必然。だからこそ別れの場はタタル渓谷でという風に流れをルーク達は決めていた。
「・・・あっ、見えましたね。ラジエイトゲートが」
そんな中でイオンが呟いた言葉に皆が前に集中する、その言葉通りラジエイトゲートが見えてきたことに・・・







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