必然は偶然、偶然は必然 第二十二話
「えぇ、封印術です。本来封印術と言うものは対人兵器と言うよりは対陣地用の兵器として使われる物です。相手の陣地に投げ入れ大勢の相手のフォンスロットを閉じることで力を落とした者達を作るという狙いで。事実予算があまりにもかかることで滅多に使われることはなくなりましたが、以前使われた前歴がありその効果は絶大です。ジェイドもその効力に著しく力を落としたことから分かるよう、個人に向けても絶大なのは証明済みです」
「・・・僕達は封印術の講釈を聞きたいのではないのですが・・・」
「急かさないでください。私が注目したのはそのフォンスロットに介入するという特徴にです。封印術と言うのは特殊な音素を特殊な機器を持って箱の中に閉じ込め、対象に向けて放てばその音素が対象のフォンスロットの中に入り込み著しく力を削ぐという物です。そしてそれを解くには封印術によってもたらされた一定期間で解き方の変わる暗号の鍵を自身で解く以外にまずありませんが、裏を返せばそこまで体内に密接な形で封印術による音素は入り込むんです。それも健全な状態で取り込めたはずの音素を取り込めず、譜術も使えずという形で・・・つまりそれらを踏まえれば封印術で大爆発を起こさせないよう音素を変質させられるのではないか、と言うことなんです。封印術という体にとっての異物が本来の体に結び付き、音素の振動数が変異する事で」
「「「「!!」」」」
更に続けたディストのその推測にじれったいと声を上げたイオンだけでなく、ルーク達もハロルドを除き驚きに目を丸くした。まさかそのような解決手段があるなどとはと。ちなみにハロルドはむしろ感心した目をディストに向けてた。
「・・・ちょっ、ちょっと待ってくれディスト!・・・おいローレライ、ディストの推測ってどうなんだ?成功する見込みはあるのか?」
『あぁ・・・おそらく、いやまず間違いなく正しいと見ていい。我も封印術など受けたことがないからわからぬが、封印術が効いている期間なら我と同位体でなくなる可能性は高い。おそらく我も封印術を受ければ超振動を一朝一夕に使うことなど出来ず、四苦八苦すると思うがな』
「そうか・・・」
「え・・・ローレライと言うか、その剣はなんで・・・喋って・・・っ!?」
「ん・・・あぁ、そういやディストは知らなかったのか」
そんな中で慌ててルークがローレライに確認を取ればイケるだろうと太鼓判が来てホッとした顔を浮かべるが、ディストが驚きに絶句する声が聞こえたのでそちらに向き直る。
「まぁ詳しい説明は省くけど、ローレライは存在してて俺らの前に現れたんだ。出てきてくれ、ローレライ」
『承知した』
「!・・・貴方が、ローレライ・・・!?」
「ま、そういうわけだ。つっても今はローレライについて話す時間じゃない。大爆発について話してほしいんだ」
「え・・・えぇ、わかりました・・・」
そんな姿に手っ取り早くとローレライに姿を鍵から出てこさせて見れば案の定ディストは呆然とするが、ルークから話を続けるように言われ眼鏡に手をかけながらなんとか頷く。
「・・・それでは続きですが、まぁ封印術があればまず間違いなく大爆発は防げるでしょう。しかし問題として上がるのがその封印術をどこから調達するのか・・・ですが、それについてはさして問題ではありません・・・これを見てください」
「これは・・・見た目は封印術の箱、に似てますが・・・」
「えぇ、封印術を参考に作った大爆発を阻止するための装置です」
「!・・・もう、そんなものを作ったんですか・・・!?」
「えぇ、でなければ研究が完成したなどとは言いません」
そして話を続けるディストは封印術が問題と言いつつも封印術が込められた箱に似た黒い箱を取り出し、それを使えば大丈夫と自信を覗かせながら答えイオン達を驚かせる。
「流石に封印術を作りたいから資金を出せなどと今の状態では言えませんからね。ですから封印術をベースにしてフォンスロットに介入出来る装置を作ろうと思ったのですが・・・注意を申し上げるならあくまでその装置はお金がかけられない分、あらゆる意味で即効性が強い物になります。封印術程とまでは強力ではありませんが大爆発を防ぐには使えばすぐ効果は出るでしょうが、反面持っても数時間程度しか効力は持たないでしょう」
「それが安く押さえた上での効力、ですか・・・」
「えぇ。ただ不安とおっしゃるなら資金を提供していただけたら、もっと効力のある装置を作りますが・・・」
「・・・いやいい、十分だこれで」
ただとその封印術の安さ故の即効性という欠点を言えばイオンは微妙に表情を歪めディストは不安なら資金を提供するように言うが、ルークはその装置を手に取り満足そうに頷く。
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「・・・僕達は封印術の講釈を聞きたいのではないのですが・・・」
「急かさないでください。私が注目したのはそのフォンスロットに介入するという特徴にです。封印術と言うのは特殊な音素を特殊な機器を持って箱の中に閉じ込め、対象に向けて放てばその音素が対象のフォンスロットの中に入り込み著しく力を削ぐという物です。そしてそれを解くには封印術によってもたらされた一定期間で解き方の変わる暗号の鍵を自身で解く以外にまずありませんが、裏を返せばそこまで体内に密接な形で封印術による音素は入り込むんです。それも健全な状態で取り込めたはずの音素を取り込めず、譜術も使えずという形で・・・つまりそれらを踏まえれば封印術で大爆発を起こさせないよう音素を変質させられるのではないか、と言うことなんです。封印術という体にとっての異物が本来の体に結び付き、音素の振動数が変異する事で」
「「「「!!」」」」
更に続けたディストのその推測にじれったいと声を上げたイオンだけでなく、ルーク達もハロルドを除き驚きに目を丸くした。まさかそのような解決手段があるなどとはと。ちなみにハロルドはむしろ感心した目をディストに向けてた。
「・・・ちょっ、ちょっと待ってくれディスト!・・・おいローレライ、ディストの推測ってどうなんだ?成功する見込みはあるのか?」
『あぁ・・・おそらく、いやまず間違いなく正しいと見ていい。我も封印術など受けたことがないからわからぬが、封印術が効いている期間なら我と同位体でなくなる可能性は高い。おそらく我も封印術を受ければ超振動を一朝一夕に使うことなど出来ず、四苦八苦すると思うがな』
「そうか・・・」
「え・・・ローレライと言うか、その剣はなんで・・・喋って・・・っ!?」
「ん・・・あぁ、そういやディストは知らなかったのか」
そんな中で慌ててルークがローレライに確認を取ればイケるだろうと太鼓判が来てホッとした顔を浮かべるが、ディストが驚きに絶句する声が聞こえたのでそちらに向き直る。
「まぁ詳しい説明は省くけど、ローレライは存在してて俺らの前に現れたんだ。出てきてくれ、ローレライ」
『承知した』
「!・・・貴方が、ローレライ・・・!?」
「ま、そういうわけだ。つっても今はローレライについて話す時間じゃない。大爆発について話してほしいんだ」
「え・・・えぇ、わかりました・・・」
そんな姿に手っ取り早くとローレライに姿を鍵から出てこさせて見れば案の定ディストは呆然とするが、ルークから話を続けるように言われ眼鏡に手をかけながらなんとか頷く。
「・・・それでは続きですが、まぁ封印術があればまず間違いなく大爆発は防げるでしょう。しかし問題として上がるのがその封印術をどこから調達するのか・・・ですが、それについてはさして問題ではありません・・・これを見てください」
「これは・・・見た目は封印術の箱、に似てますが・・・」
「えぇ、封印術を参考に作った大爆発を阻止するための装置です」
「!・・・もう、そんなものを作ったんですか・・・!?」
「えぇ、でなければ研究が完成したなどとは言いません」
そして話を続けるディストは封印術が問題と言いつつも封印術が込められた箱に似た黒い箱を取り出し、それを使えば大丈夫と自信を覗かせながら答えイオン達を驚かせる。
「流石に封印術を作りたいから資金を出せなどと今の状態では言えませんからね。ですから封印術をベースにしてフォンスロットに介入出来る装置を作ろうと思ったのですが・・・注意を申し上げるならあくまでその装置はお金がかけられない分、あらゆる意味で即効性が強い物になります。封印術程とまでは強力ではありませんが大爆発を防ぐには使えばすぐ効果は出るでしょうが、反面持っても数時間程度しか効力は持たないでしょう」
「それが安く押さえた上での効力、ですか・・・」
「えぇ。ただ不安とおっしゃるなら資金を提供していただけたら、もっと効力のある装置を作りますが・・・」
「・・・いやいい、十分だこれで」
ただとその封印術の安さ故の即効性という欠点を言えばイオンは微妙に表情を歪めディストは不安なら資金を提供するように言うが、ルークはその装置を手に取り満足そうに頷く。
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