必然は偶然、偶然は必然 第二十二話

「おぉ、よく戻ってきたルークよ。だが火急の用とは、一体何があったのだ?今まで戻って来なかったと言うのに・・・」
「火急の用だからこそ戻ってきたのです、陛下」
それでインゴベルトから再会を喜ぶような声からいぶかしむ声を向けられ、ルークは真剣な表情で話を切り出す。
「私達はキムラスカとマルクトよりの手紙を受け取った後、まずはとセフィロトの調査に向かいました。今後の事を円滑に進める為に・・・そこで我々はラジエイトゲートに向かったのですが、そこでローレライに出会いました」
「なにっ!?ローレライだと・・・!?」
ルークの単刀直入な言葉にインゴベルトが驚きに声を上げると共に、周りの反応もザワザワとし出す・・・まさかいきなりこんなことを聞かされるなどとは夢にも思っていなかったのだろう。
「では少しローレライにも出てもらって、その時の経緯をお話ししましょう・・・」
ルークはその空気の中で話をすると言い出し、鍵を取り出す・・・












・・・それからローレライを場に呼び出したルークは衝撃を受けているインゴベルト達に予定していた流れを話した。とは言えあくまで偶然ラジエイトゲートに行ったら完全同位体であるルークが来たことでうまくローレライは接触することが出来、それでプラネットストームの中からようやく出ることが出来た為に鍵をルークに与えて今同行しているという事を話すに留めた。



「・・・と言うわけで、今ローレライはここにいるのです」
「・・・む、むぅ・・・まさかそのようなことになっていたとは・・・」
そしてその経緯を話し終わったルークに、インゴベルトは手で口元を押さえ動揺を露にする。
「それでインゴベルト陛下にピオニー陛下に報告をと思い急いでバチカルに参った次第ですが、ここに来る前に改めてローレライに私は聞きました。ホドにあったという第七譜石とその中身は本当だったのかと・・・その返答はそうだ、の一言でした」
「っ・・・本当なのかローレライ、それは・・・」
『真だ。なんなら今一度我がその譜石を詠んでも構わんが、預言通りにすれば間違いなく世界は滅ぶ。最早それは避けられん』
「・・・そうか・・・」
ルークは尚そこで預言に間違いはないと示しインゴベルトはすがるように否定を望む声をローレライに向けるが、きっぱりと本当と言い切られ残念そうに一言漏らす・・・本当に預言は滅びが詠まれたのだと、希望を否定されて。
「・・・陛下、これから話すことはあくまで私が個人で考えた物です。何故預言が正しい役目を遂げることが出来なかったのか、と言うことを考えた・・・」
「む・・・?」
明らかに残念と空気で語るインゴベルトに対しルークが意を決したように口を開いた様子に、イオン達もつられてルークに視線を向ける。とは言えインゴベルトの何をと言った視線とは違い、イオン達は先程の発言を聞いたが故の興味の視線である。
「・・・私はある話を聞いてこう考えました、今の外殻大地の形があるのは不自然だということを。言ってしまえば昔の技術者達は障気の危険性に気付いたからこそ外殻大地を作ることにしたのですから、音素を使い続ける事の危険性も知っていたはずなんです。それなのにそれをあえて無視した理由は、預言を詠めなくなる環境よりも後世にその対処を丸投げした方が楽だったからではないかという物でした」
「なっ、なんだと!?それはあまりにも無責任ではないか、障気を放っておくなどとは!」
「おそらく当時の事情から見て預言が世界に従うべき物として完全に浸透していたからこそ、それを無くした時の人々の反感というリスクを考えあえてそうしたのではと思われます」
それで出てきたのはかつてシュレーの丘でハロルドから聞いた話を自分なりの言葉として言い直した物。そのまさかの推測にインゴベルトは驚き大半の多少の怒りの叫びを上げるが、まだ本題に入ってないルークは今度は自身の考えを述べる為に更に言葉を紡ぐ。






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