必然は偶然、偶然は必然 第三話

「ま、いいや。それよっかもうここには俺もイオンも用事はねーからさ、このチーグルを住み処に戻したらさっさと帰るから。つー訳だからじゃあな、イオンに・・・えっと、ジェイドにアニスも」
「いえいえ、そんな寂しいことをおっしゃらないでください。チーグルに興味もありますし、その住み処からこの森を出るまでご一緒させていただきますよ」
「・・・あっそっ、勝手にしろよ・・・んじゃ行くぞ」
そんなイオンからルークは話を引き継ぎさっさと別れを告げようとするが、ジェイドは暗に逃がさないと言わんばかりに同行を申し出てきて、そう言ってくる事も分かっているルークは追い払う事もせず後ろのウッドロウ達に視線を向けてから先を歩き出す。その後ろにイオンが「では行きましょうか」とジェイド達に言って付いて来る・・・









・・・ジェイド達とのホントは望まぬ合流を終えた後ルーク達はチーグルの住む大樹に戻り、ライガの事を報告し終えた。尚ライガと聞きティアはすぐさま敵対心を剥き出しにして駆除すべきだと言い出したが、アリエッタの母親ということとイオンの説得が信じられないのかとイオン当人に悲しげに言われ渋々引き下がった。

そしてやはりと言うべきか、チーグルを助けたという事で恩返しの為にとミュウがルークに付いていく事になりその大樹を後にした。



「んっふっふ~♪やっぱ見れば見るほど興味深いわ~、チーグルもこのソーサラーリングも♪」
「・・・一応言っておくが解剖とかしたいとか言い出すなよ、ハロルド」
「いいじゃな~いディムロス、ちょっとくらい~」
「ミュウ・・・寒気がするですの~・・・」
ルークの後ろを健気にピョコピョコと付いてくるミュウを見ながら楽しげにハロルドは目を輝かせるが、ディムロスはすかさず解剖への制止をかける。ハロルドはブーブー抗議するが、その声にミュウはブルブルと体を震わせる。
「はは・・・聞こえてるっつーの」
『まぁハロルドはいつもあの様子だからな、慣れるまでには時間はかかるだろう。頑張って慣れるように努力してほしい』
そんな後ろからの会話を聞いていたルークは乾いた笑いを浮かべ、隣にいるウッドロウの腰本のイクティノスが小さな声で励ましの言葉をかけてくる。
「・・・んー、しかしまぁ話に聞くとソーディアンって確か使える素養のある奴じゃないと声聞けないんだよな?ならこの場のジェイド達を除いた俺らもソーディアンがあればウッドロウみたいに使えたりもするのか?」
そこでふとルークはソーディアンの素養について思い出し、イクティノスに質問する。
『いや、今俺がお前達と普通に話しているのはローレライの処置によるものだ。話が一々ウッドロウの通訳越しでは面倒だろうとローレライがやってくれたが、ソーディアンの素養があるかどうかは判断はつけられない。どうしても素養があるかないかの判断が欲しいと言うなら俺を持てば分かるが、持つか?』
「いや、いいよ。聞いたとこソーディアンは他にはないんだろ?別にウッドロウからお前を譲ってもらって使う気もないし、話が出来るから俺に素養があるのか知りたかっただけだし」
『・・・そうか。後ローレライからいくつか俺にしたような処置についての言伝てをたまわっているが・・・それは後々にしよう、出口が見えた』
「・・・あぁ、そうするか」
ローレライのやったこと、そうイクティノスから聞くルーク。へーと思いつつもウッドロウから奪ってまでイクティノスを使う気はないと言うルークに、イクティノスは小さな声で後々色々話すと言い森の出口に来たことを告げルークの気を引き締めさせる・・・と、向こう側からマルクト軍の軍服を着た兵士達が走ってきた。






・・・そして案の定、マルクト兵達に連行されることになったルーク達。しかし以前のように流されてばかりで進んでいった状況では進まない、そんなことを思いながらルーク達はタルタロスの中へと進んでいった・・・









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