必然は偶然、偶然は必然 第二十二話

「そこのとこで第七音素はどうなんだ、ローレライ?お前が集めるとは言ったけど、一万人のレプリカ分の第七音素なんて流石にお前一人で肩代わり出来ないだろうしちゃんと大丈夫って保証出来るのか?」
『それについては問題ない。プラネットストームの中で十分なくらいの第七音素は確保してきた、この通りな』
「!・・・うわぁ、すげぇ・・・なんだこの第七音素が物凄く凝縮された感じの球・・・!」
「ここまでの第七音素を操れるとは、流石に第七音素の集合体は伊達ではありませんね・・・」
そこでルークは腰元の鍵に向かい大丈夫かと声をかければ、ローレライが第七音素が凝縮された塊を鍵からポンと出す。その塊が宙に留まる様子を見て感じたルークは第七音素の量が相当に多いことに感嘆の声を上げ、イオンも同意して声を上げる。
『それでもまだレプリカ百人分程の第七音素の量と言った所だ。全部第七音素を出せばダアトも含めて異常な集束を各国が察知しかねんからな・・・まぁそういうことだ。我の心配はしてくれなくて構わん』
「そっか・・・わかった、ローレライ」
そんな中でローレライは塊を自身の中に戻しつつ大丈夫と言い、ルークもこれ以上何も言うまいと頷くに留める。
「あ、ローレライ。ちなみに聞くけど今の第七音素を物質状にする事って出来るかしら?」
『物質状に?』
「えぇ。次元を越える技術はもう理論は確立出来たけど、それを上手く使うには高エネルギーが不可欠なのよ。私の世界だったらレンズがあったから加工していけばなんとでもなったけど、この世界じゃまともなエネルギー資源なんてないからちょっと困ってたのよ。だから上手く物質状に出来ないかしら?」
『・・・それくらいは可能だ。我の力をもってすればな。ただ出来ればそれを渡すのは障気の中和以降でいいか?一応余裕を持ってやれるくらいに第七音素は溜め込んであるが、もしもの事はこちらも避けたいのでな』
「それでいいわよ、別に急いでる訳じゃないしね」
今度はそこにハロルドがエネルギーが欲しいから第七音素を欲しいと言えば、ローレライも出来ると言いつつ後でと言われそれでいいといい笑顔で頷く。
「その話はそこまででいいだろう。今やるべき事はまずラジエイトゲートに向かう事だ」
「えぇ、そうですねクラトスさん。我々がダアトから出たという事実がないといけませんからここを出ましょう、皆さん」
それでクラトスが場をまとめるよう出立を口にすれば、イオンも頷き周りに声をかけ自身が先頭に外へと向かう・・・



・・・何故イオン達がラジエイトゲートに向かうのかと言えば、段階を踏むためだ。周りに対して情報を擦り合わせると共に、こういった経緯があるからこそローレライと会えたと示す為に。

ただそうするからにはイオン達がダアトから出なければ話にならない。やろうと思えばザレッホ火山の中にあるセフィロトに行って会ったと言うことも出来るが、セフィロトにおいても重要度の高いラジエイトゲートに行ったとなればローレライに会ったという信頼度はより高くなる。まぁ最後に操作が必要なセフィロトでもあるからというのはあるが、狙いはどちらかと言えばそちらの方が比率は高いと言える。

それに加えて導師達が直々に動いているという事実は人々の心に響く物なのだ。トップが動いてるという事実は。それこそ外殻大地降下がいかに重要なことを示せるかもだが、人々の為に心を砕いているとも取れる真摯な行動は。

・・・故にイオン達が動くのは利が多大にあるからこそと言えた。とは言えダアトを任せるトリトハイム達にはそう言った狙いがあるなどとは言えないが・・・












・・・そんな多々ある狙いと共にルーク達はアルビオールに乗って、ラジエイトゲートまで向かった。しかし誰が邪魔をしてくるなどと言ったこともないので、すぐにアルビオールは無事にラジエイトゲートまで辿り着いた。











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