必然は偶然、偶然は必然 第二十二話
「・・・ここにいたのか、アリエッタ」
「ウッドロウ・・・」
「リグレットから何もない時はここで魔物達と一緒にいると聞いたのだが・・・何か悩みでもあるのかな?この辺りには魔物が潜んでいるような気配が全くしないが・・・」
「・・・聞いて、くれますか?ウッドロウ・・・」
「あぁ、もちろんだ」
そこにウッドロウが来て優しく声をかけてきた事で、アリエッタも暗い表情で意を決したように話を持ち掛ける。
「アリエッタ、考えてた、です・・・これからの事・・・」
「これからの事?」
「・・・今までアリエッタ、ずっと神託の盾としてやってきた、です。けど今までやって来たことは謡将や他の六神将の皆に言われたことだけ、です・・・だからアリエッタ、不安なんです・・・ルークやイオン様の為にアリエッタも力になりたい、です。けど二人は自分で色々考えて、世界の為にやって来た・・・アリエッタも出来ればそうしたい、です。ですけど、あの二人のように出来る気がしない、んです・・・アリエッタは・・・!」
「・・・」
・・・今までの旅で成長したアリエッタ、だからこその心からの叫びだった。自身には力がない・・・ルークとイオンのように。そう理解するからこそのアリエッタの涙を伴った悲痛な声に、ウッドロウは悲し気に眉を寄せる。
「・・・確かに君では無理かもしれないな、あの二人のようには。だがあえて言わせてもらうなら君はあの二人になる必要はないんだ、アリエッタ」
「え・・・?」
「私もかつては偉大な父のようにと父を大きな壁のように思っていた時期はあった。しかし父のやってきたこと全てをなぞった行動を取ろうなどと思ったことはなかった。ある事件からそれではいけないと思ったからと言うのもあるがね・・・話を戻すがアリエッタ、ここで大事なのは君が自分自身で考える事だ」
「考える、事・・・?」
「今の君はただ後をついていけばいいとは思っていないのだろう?・・・それでいいんだ、そう考えることがね」
だがウッドロウが今度は微笑を浮かべながら確かな力を滲ませる言葉を向けてきたたことで、アリエッタも悲し気な空気から目を丸くした。考えることが大事と言われたことで。
「今の君のように悩み考えることは重要だ・・・私も王として活動していた時、どうしても折り合いのつかない案件と向き合わねばならない事があった。そんな時に私はどうしたのかと言えば考えたのだ。どうにか出来ないか、皆が不満を持たないような状態に出来ないかとね・・・わかるかい、アリエッタ?それほどに考える事と言うのは重要なんだ。私がただ物事を解決するために何も考えず行動していたなら、人々は不満を持ちろくな政治が出来なかった事だろう。とは言え色々考えた結果、不具合が出たことも時折あった。しかしそのような時に私は責任から逃げようとは思わなかった、私が考えた事による責任からね・・・時には失敗する事もあるだろう。だが君には考える時間がたくさんあるのだから、色々と悩み物事を決める時間が。だからいっぱい考えるんだ。自分がどうしたいかとどうするべきかをね」
「・・・アリエッタにそれが出来る、ですか・・・?」
「あぁ、今の君になら出来ると私は信じてる。正しい結論を出すともね」
「・・・はい。わかった、です。アリエッタ、やってみます・・・!」
・・・この場にハロルドがいたならかつてのカイルとのやり取りを彷彿とさせるような姿に、楽し気に口笛辺りを吹いていただろうウッドロウの言葉。
自身の体験を交え考える事の大切さと必要性を語られアリエッタは少し呆然としていたが、ウッドロウの信頼のこもった声に力を取り戻した声で頷いた。そうすると決意して。
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「ウッドロウ・・・」
「リグレットから何もない時はここで魔物達と一緒にいると聞いたのだが・・・何か悩みでもあるのかな?この辺りには魔物が潜んでいるような気配が全くしないが・・・」
「・・・聞いて、くれますか?ウッドロウ・・・」
「あぁ、もちろんだ」
そこにウッドロウが来て優しく声をかけてきた事で、アリエッタも暗い表情で意を決したように話を持ち掛ける。
「アリエッタ、考えてた、です・・・これからの事・・・」
「これからの事?」
「・・・今までアリエッタ、ずっと神託の盾としてやってきた、です。けど今までやって来たことは謡将や他の六神将の皆に言われたことだけ、です・・・だからアリエッタ、不安なんです・・・ルークやイオン様の為にアリエッタも力になりたい、です。けど二人は自分で色々考えて、世界の為にやって来た・・・アリエッタも出来ればそうしたい、です。ですけど、あの二人のように出来る気がしない、んです・・・アリエッタは・・・!」
「・・・」
・・・今までの旅で成長したアリエッタ、だからこその心からの叫びだった。自身には力がない・・・ルークとイオンのように。そう理解するからこそのアリエッタの涙を伴った悲痛な声に、ウッドロウは悲し気に眉を寄せる。
「・・・確かに君では無理かもしれないな、あの二人のようには。だがあえて言わせてもらうなら君はあの二人になる必要はないんだ、アリエッタ」
「え・・・?」
「私もかつては偉大な父のようにと父を大きな壁のように思っていた時期はあった。しかし父のやってきたこと全てをなぞった行動を取ろうなどと思ったことはなかった。ある事件からそれではいけないと思ったからと言うのもあるがね・・・話を戻すがアリエッタ、ここで大事なのは君が自分自身で考える事だ」
「考える、事・・・?」
「今の君はただ後をついていけばいいとは思っていないのだろう?・・・それでいいんだ、そう考えることがね」
だがウッドロウが今度は微笑を浮かべながら確かな力を滲ませる言葉を向けてきたたことで、アリエッタも悲し気な空気から目を丸くした。考えることが大事と言われたことで。
「今の君のように悩み考えることは重要だ・・・私も王として活動していた時、どうしても折り合いのつかない案件と向き合わねばならない事があった。そんな時に私はどうしたのかと言えば考えたのだ。どうにか出来ないか、皆が不満を持たないような状態に出来ないかとね・・・わかるかい、アリエッタ?それほどに考える事と言うのは重要なんだ。私がただ物事を解決するために何も考えず行動していたなら、人々は不満を持ちろくな政治が出来なかった事だろう。とは言え色々考えた結果、不具合が出たことも時折あった。しかしそのような時に私は責任から逃げようとは思わなかった、私が考えた事による責任からね・・・時には失敗する事もあるだろう。だが君には考える時間がたくさんあるのだから、色々と悩み物事を決める時間が。だからいっぱい考えるんだ。自分がどうしたいかとどうするべきかをね」
「・・・アリエッタにそれが出来る、ですか・・・?」
「あぁ、今の君になら出来ると私は信じてる。正しい結論を出すともね」
「・・・はい。わかった、です。アリエッタ、やってみます・・・!」
・・・この場にハロルドがいたならかつてのカイルとのやり取りを彷彿とさせるような姿に、楽し気に口笛辺りを吹いていただろうウッドロウの言葉。
自身の体験を交え考える事の大切さと必要性を語られアリエッタは少し呆然としていたが、ウッドロウの信頼のこもった声に力を取り戻した声で頷いた。そうすると決意して。
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