必然は偶然、偶然は必然 第二十二話

・・・フローリアンとの対面も無事に済み、各国からの手紙が来るまで各々の時間を過ごして待つことになったルーク達。そのルーク達だが、ハロルドの言葉通り思い思いの時を過ごしていた。












「ふんふふ~ん♪やっぱりここはいいわ~、技術が集まる街って感じで♪」
「なぁ、ベルケンドって所じゃダメなのか?聞いた話だとそっちも技術はいっぱいあると思うんだけど」
「ん~、興味はあるけどどっちかと言ったらやっぱり私はこっちよ。別に整った環境ってのに不満がある訳じゃないけど、綺麗でスマートにってのより技術に対する向上心がひた向きな方が私はいいわ。街の中が活気がある方がね」
「そうか・・・」
・・・シェリダンの街の中にある工房の一角。そこにいたのは嬉々と譜業の部品に向き合うハロルドに、片隅でその光景を見ていたセネル。



上機嫌な声にセネルがふと疑問を投げ掛けると、ハロルドらしい明るい答えが帰ってきたことに一先ず納得するがふと複雑そうに眉を寄せる。
「・・・端から見てるとなんでもなさそうにやってるように見えるけど、やっぱ複雑だな・・・ていうか世界を越える装置を作るなんてなんで簡単にやれるんだよ、ハロルド・・・」
「そこは私と凡人の違いね・・・見てなさいよ♪この装置を作って一度私のいた世界に戻ったらあんたのとこまで行ってあげるから♪」
「ハッ!?なんでいきなり・・・!」
そしてしみじみ感心の声を上げるセネルだが、まさかの爆弾発言をいきなり聞かされ動揺に表情を揺らす。世界を越えて会いに来ると言われ。
「確かあんたのいた世界で住んでた場所って遺跡船って言ったわよね?その正体はかつて宇宙から移民してきた人達を乗せてきた船って・・・そんなもんがあるって聞いたら黙っていられるわけないじゃない!その遺跡船の構造、私が調べ尽くしてやるわ!そしてその後はクラトスのいるところよ!」
「いやいやいや、ちょっと待て!お前話を飛躍させ過ぎだろ!」
「あんたもその旅には連れていってあげるから感謝しなさいよ!」
「人の話を聞けーーーっ!!」
それで尚もヒートアップするハロルドを何とか止めようとしたが全く聞く耳持たずで笑みを浮かべられ、たまらずセネルは叫んだ。ハロルドの不条理な発言に・・・












「・・・ん?何かハロルドの声が聞こえなかったか?」
「いや、俺は何も聞こえなかったけど・・・」
「何故だ・・・妙に嫌な予感がする・・・」
・・・一方、別の場所で固まっていたルークとディムロスとクラトスの三人。ふと街中で立ち止まり辺りを見回すディムロスにルークが首を横に振る中、クラトスが軽い冷や汗を浮かべていた。
「・・・セネル君、大丈夫だろうか・・・?」
「つーかあいつなんで一人ハロルドと一緒にいるなんて言ったんだ?ハロルドならシェリダンの人達と仲良くなったから一人でも大丈夫だって言ったのに・・・」
「・・・セネル君は面倒見がいいからな。一人にしておくのもなんだと思ったのだろうが、今更ながらにこちらに誘っておくべきだったかな?」
「そこまでにしておけ、どうせ後で二人の所に行くのだから今は気にする必要はないだろう」
「・・・なぁ、クラトス。大丈夫か、お前?」
「・・・問題ない」
それでなんでハロルドと一緒にいると選んだのかとルークとディムロスが話すが、クラトスの言葉により会話は止められる。しかしそのまだ止まってない冷や汗にルークが心配だと声をかけるが、クラトスは汗を拭いつつ首を横に振る。
「それよりこの中にいるのだろう、準備はいいのか?」
「あぁ、大丈夫だ。行こう」
それで話題転換だと建物を見て声をかけるクラトスに頷いてルークは二人と共に中に入っていく・・・ベルケンドの研究施設へと。









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