必然は偶然、偶然は必然 第二十一話

「あ、あいつは・・・っ、全く・・・」
一方一人残されたリグレットはわなわなと拳を握り今にも怒りだしそうだったが、ふと怒りを誤魔化すように仕方ないといった声を上げ落ち着く。
(・・・ウッドロウを振り回すくらい、か・・・私に出来るか・・・そのようなことが・・・?)
だがそうなった理由はルークの言葉を自分なりにやれるかどうかを考えてみるが為だ。この辺りはリグレットの生真面目さがあるが故の行動と言える・・・が、ふとリグレットは頬を赤く染める。
(ダメだ・・・私がいいように扱われる映像しか思い浮かばない・・・そしてそれが心地いいと思ってる私がいる・・・)
・・・心中に思い浮かんだのは自分が精一杯のわがままを言ってもそれをなんなく優しく受け止め、ブレずにエスコートする姿でそれを悪くないと思っている自分。リグレットはそのことに若干凹みかるが、唐突に頭を振る。
(いや、それではダメだ・・・何もルークの言うことに全て従わねばならないわけはないが、私もウッドロウを時には引っ張るくらいの事をしなければいけないだろう・・・私はウッドロウと共に歩むと決めたのだからな・・・!)
その心中には自身への叱咤と言葉面はともかくとしてルークの言葉に触発された形での決意・・・生真面目であるが故に状況の改善に力を入れようとするのもある意味当然の流れで、その顔には確かな熱意がこもっていた。
(・・・とは言え本格的にウッドロウが動き始めることになるのにはおそらくそう遠くない、そして前に聞いたウッドロウの案がダアトとひいては預言に頼らざるを得ないローレライ教団と人々を変える日も。その時の為にも、ちゃんと公私の区別をつけるようにはしておかねばな・・・)
しかしこれからはプライベートとの区別をちゃんとつけるべきと、リグレットは先の事を考える・・・ウッドロウの案がいずれこの世界を大きく変動させるものとして。















無垢な者との対面きっかけを与えた、始まりか終わりかを問わず



しかし始まりか終わりかにこだわることに意味はない



重要なのはそれを良きものへと出来るかなのだから



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