必然は偶然、偶然は必然 第二十一話

「・・・少しいいか?」
「ん、なんだクラトス?」
「・・・フローリアンの事から始まって色々決まった訳だが、今日はこの辺りで済ませて休むことにしないか?まだまだ色々な事を言いたいだろうが、フローリアンは初めてに近い形でダアトに来たのだ。そろそろゆっくりと難しいことを考えることもなく、過ごしてもらった方がいいと思うが・・・」
「あぁ・・・確かにそうかもな・・・」
続々と様々な事が決まっていく中、少し申し訳なさそうに会話に入ってきたクラトス。今日はもうフローリアンの為にも休むべきではとの声に、ルークも納得したように声を上げながら周りを見渡す。
「他の皆はどう思う?」
「僕もそれでいいと思いま。、まだ数日はキムラスカにマルクトからも返答はないでしょうし、その間にじっくり進めていけばいいでしょうしね」
「私も別にいいわよ。ただここで提案だけど、明日からこの数日は各自思い思いに使える時間にしたらどう?そろそろこの旅も終わる頃だし、そう考えたら最後に息抜きくらいしてもいいんじゃないかしら?」
「・・・息抜きか・・・」
それで確認を取るルークにイオンが賛成するが続いたハロルドが息抜きとして時間を取るべきと言い出したことに、ルークは少し考え込む。
「・・・うん、悪くないな。んじゃ手紙が来るまで各自自由行動って事にしようぜ。なんならギンジに頼んでアルビオールで数日の間どこかに行ってもらってもいいってことにしてさ」
「話がわかるわね、ルーク♪」
「ま、これくらいはな。ちょっとギンジには申し訳無いけど、そこのところは少し頑張ってもらうってことで勘弁してもらうさ」
それでルークが出した笑顔つきの了承との返答にハロルドも笑顔を浮かべ、少しギンジに済まないとは思うと苦笑に変わる。
「クラトス達もそれでいいか?」
「あぁ、私はそれでいい」
「俺もそれでいい」
「・・・決まりだな」
続いてクラトス達にどうかと聞くとクラトスとセネルの了承の後、同じように残ったらディムロス達も頷いた事で決定と満足そうに頷いた。
「んじゃ今日は折角だし豪勢な食事にしようぜ。フローリアンの歓迎も兼ねてさ!」
「いいな、それ。イオン、食堂借りれるか?俺も久しぶりに本格的にパンを焼きたいから釜を使いたいんだけど・・・」
「えぇ、大丈夫ですよ」
「なら私も及ばずながら協力しよう。私も料理はそれなりにやれると自負している」
「すみませんクラトスさんも・・・」
「フローリアン、今日はいっぱい美味しい物出てくるから好きなだけ食べていいぞ」
「うん、ルーク!」
それで早速と話を進めていくルーク達だが、その表情は皆同じように明るく笑みに満ちていた・・・















・・・それで数時間後、ルーク達は宴会とも呼ぶべき楽しい食事を終えほとんどのメンバーは夜という事もあり各々の寝床へと移動した。ただ普段ならルーク達もまだ起きてるような時間だったのだが、メンバーに大人が多いという事もあって酒も場に用意されて皆上機嫌に杯を交わしていたのだが・・・フローリアンが酒に興味を持ち飲みたいと言ってきた。これはまだルークとイオンならともかくとしてもフローリアンに酒を飲ませる訳にはいかなかったので、皆で目配せをして特につまむ料理もなくなったので解散という流れに自然にしていった。これも全てフローリアンに酒を飲ませない為である。

そんな状態で部屋に戻った為、各々もう寝付いたかまだ起きているかはわからないようになっている・・・そんな中でルークは夜のダアトの教会の前に立っていた。








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