必然は偶然、偶然は必然 第三話

・・・そして今話した内容をルークの言葉越しにミュウが通訳をする。



‘グルル・・・・・・グゥ・・・’
「・・・アリエッタが近くにいて我々の現状を伝えるというなら、私の子供達も力を貸してくれるだろう。そうなれば私もここにいる意味はない、アリエッタがここに来るまではここにいるがそれ以降はこの森から出ていこう・・・と言ってるですの」
「そっかぁ・・・良かったぁ・・・」
その中身を聞きアリエッタが来た時に自分達は去ろうという返答をミュウの通訳越しに聞き、ルークは安堵の笑みを浮かべる。
「そうと決まれば早く行きましょう。二人もこの報せを心待ちにしているでしょうし、あまり時間をかけていたらジェイド達を倒しかねませんからね」
「そうだね、そうしようか」
そんなルークと同じようにイオンも笑みを浮かべるが、さらっとその顔のままディムロスとクラトスの二人がジェイド達を倒す展開を想像している辺りに半ばそうなって欲しいという願望を感じる。そんな事を意識してかしないでか、ウッドロウはその事には触れずただ同意して頷く。
「んじゃミュウ、俺らは戻るって伝えてくれ。もう行かなきゃなんねーから、俺ら」
「はいですの!ミュウ・・・ミュミュ・・・」
‘・・・グルル’
「・・・世話になったと言ってるですの」
「あぁ、そんな気にすんなよ。じゃあな」
そしてルークが行かなきゃならないと告げるとクイーンは礼の言葉を述べ、一同はルークの別れの言葉からその場を立ち去っていく・・・












・・・そしてライガのいた場所を出た、川の先の広場にて・・・
「・・・あ、あそこにいるのはクラトスさんとディムロスさんの二人ですね」
「あっちにいるのがジェイド達、なのか?ただ見たところティアだっけ?あいつも含めて三人でいるけど・・・見た感じ険悪に見えるよな、あれ」
「早く止めた方がいいんじゃない?さっさとしないと、始まるわよ。あれ」
「・・・そうだな」
そこにいたのはクラトスとディムロスの二人が、何故かティアを伴っているジェイドとアニスがにらみあっている物。一触即発の雰囲気にハロルドが気楽そうな声で制止を勧告し、やはりかという感じでルーク達は二人の方に向かう。



「・・・待たせたな、二人とも」
「っ!・・・ルーク、貴方っ!どうしてイオン様をお連れしてこんなところまで来たの!?」
「「「「・・・」」」」
終わったから合流。それを伝える為に二人に後ろからルークは声をかけたが、ルークを確認するなり目を吊り上げティアはチーグルの森に来た責任はルークにあるものだと批難の声を上げてくる。都合の悪いことは全てルークが発端、ある程度予想がついていたとは言えその一方通行な思考からの声にミュウを除いた全員の目が白けて細くなる。
「・・・貴女は神託の盾ですか?」
「はい、そうです。申し訳ありません、イオン様。私がいなかったせいで、ルークがご迷惑を・・・」
「・・・貴女は何を言っているんですか?」
「は・・・?」
そんな状態からイオンは沸々と沸き上がる感情を抑えつつゆっくり質問するが、当然と言わんばかりにルークに責任しかないとあろうことか出来の悪い息子を叱る母親のような口調で返すティアに、一気に声色が感情を帯びない冷えた物へとトーンが落ちる。










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