必然は偶然、偶然は必然 第二十一話

・・・キムラスカとマルクトの和平、外殻大地の降下、そしてナタリアの追い落とし・・・それらをうまく片付ける為の会談を終わらせたルーク達。

それでキムラスカとマルクトの両陛下達(尚ナタリアに関しては最早何も言うことも出来ず、静かに去っていったらしい)が各国に戻ってから数日、ルーク達はダアトで待機した。各国の用意が出来たという報せを待つ形で・・・だがその影でルーク達は独自に動いていた。









「・・・着いたな、アブソーブゲートに」
「あぁ」
・・・アルビオールから降り立った地、そこはアブソーブゲート。その光景を前にセネルが真剣な表情を浮かべる中、ルークも真剣な表情で頷き返す。
「早くパッセージリングの操作板の前に行くぞ。時間は大丈夫だろうが、早目に事を済ませダアトに戻った方がいい」
「あぁ、んじゃ行こうぜ皆」
そこにクラトスが注意を促すよう声をかければルークも分かっていると頷き、皆にも声をかければ同様に頷き先へと歩き出す・・・






・・・さて、ルーク達が何をしにアブソーブゲートに来たかと言えばキムラスカにマルクトから報告の手紙が来るまで時間が空いたことから操作をする傍ら、ローレライを迎えに来たためだ。

戦争の危険も一先ず無くなり、ヴァン達も囚われの身となって邪魔をする者がいなくなった・・・状況が進んだことでルークはローレライにアプローチを取り、やることもやったから大丈夫とローレライが返したことから迎えに行くことが決定した。

しかし時間があるとは言えイオンはダアトにいなければ色々不都合が生じる・・・故にイオンはウッドロウにリグレットの二人と共にダアトに残ることになり、残りのメンバー全員でアブソーブゲートに行くことになった。






「・・・しかしローレライが地核でやることとはなんなのだ・・・?」
「・・・んー、確かにそれは俺も気になってたな」
・・・先に進みアブソーブゲートの中盤に差し掛かった所でふとディムロスから疑問の声が出たことに、ルークも足を止め振り返って首を傾げる。
「元々を言うなら地核から出たいが為にローレライは俺達に交信をしてきてたんだし、それ以外には特にやることもないはずなんだけどな・・・何をするつもりなのか聞いときゃよかったな、あいつなんも言ってくれなかったし・・・」
「いいんじゃないの別に聞かなくても?どうせもう少ししたらローレライに会えるんだし」
「・・・そうだな。どうせ会えるんだし、さっさと下に行くか」
それで頭をかきながら聞いとけばよかったと釈然としない表情を浮かべたルークだったが、ハロルドが気楽にかけた声に気分を取り直して再び下の方へと歩を進めていく・・・












「・・・よし、着いたな」
・・・そしてルーク達はパッセージリングの操作板の前に辿り着いた。ヴァン達の邪魔も入らないことからスムーズにここまで来た為、ルークは軽い心持ちのまま操作板に近寄りポンポンと叩いていく。
「・・・よし、これでラジエイトゲートのパッセージリングを操作すれば一斉に外殻大地の降下が出来るようになった。後はローレライだけど・・・聞こえるか、ローレライ?」
『聞こえてるぞ、ルーク』
最後にパンと軽く操作板を叩き続けて意識をローレライに傾けると、すぐさま返事が返ってきた。
「迎えに来たけど、いつになったら出てくるんだ?お前」
『その事だが少しルークに手伝ってもらいたいことがある・・・鍵を使って超振動を地核に向けて放ってはくれんか?少し我だけでは不安なのだ』
「え?・・・あぁ、まぁわかった。ちょっと待っててくれ」
それでいつ来るのかと聞けば意味深な要求をしてきたローレライ。だが意味がわからないながらも特に断る理由もないルークは待つように言って鍵を抜く。









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