必然は偶然、偶然は必然 第二十話

「はい。次とは言いましてもあくまでこれからどのように事を進めるのかと言う打ち合わせです。和平に外殻大地の降下、モースにナタリア殿下の件・・・これらを国に帰ったら各々が勝手にやる、と言うのもあまり形としては綺麗ではありません。それに障気の押し込みに関しての研究もしていただかなくてはいけませんが、その点で譜業技術を研究するにはマルクトより先を行くキムラスカのお力を借りた方がいいと思われます。ですのでインゴベルト陛下には是非ともその件で技術者達に協力を得るための許可もお願いしたいと思うのですが・・・」
「ふむ、そういうことか・・・いいだろう、そう言うことなら断る理由もない。どのようにするかの話し合いの後になるだろうが、技術者の件については後に許可を出す書状をしたためよう」
「ありがとうございます」
それでイオンから口にされたのはどのような流れにするかが必要と言う事と、障気の押し込みの為に技術者達に協力をさせてほしいと言うもの。インゴベルトもそれを聞いて特に反論するでもなく頷き、イオンは頭を下げる。
(とりあえずはこれでいいですね)
・・・その下げた頭で表情が前から見えなくなった時、イオンはハッキリと笑んでいた。ここまででいい、成功だと。



・・・そもそもを言うなら単純な方法論で言えば別に障気をディバイディングラインの下に押し込む必要はない。何故ならルークの手元にはローレライの鍵がありアブソーブかラジエイトのどちらかのゲートに行けばローレライも合流する事になり、ルークが超振動で障気を中和出来るようになるのだから。

だがだからと言ってそれを馬鹿正直に話してしまえば初めから仕組まれた事と気付かれかねない上、そもそも信用されるかどうかも怪しい物と言えた。ローレライの存在は今この場では存在が明らかになっていないもののため。

故にあくまでルーク達は現時点では障気を押し込むしかないと示し先に外殻大地の降下と共に和平を成り立たせる事を承認させた上で事を進めようと言うのだ、後々の流れを更により良い物にするために。

・・・だからこそ今はこれでいいとイオン達は見ていた、このダアトでやれることは全てやったが為に・・・


















・・・そして数時間後、会談は終わりを告げた。中身としては和平を結んだことを国内に通達した上で足並みを揃えて行動することに落ち着いた事もだが、モースにナタリアの事を伝えた上で・・・尚ナタリアはもう何も言えなくなったようで、以降は特に何も言うことはなかった。

それで話が終わった後はキムラスカとマルクト両陣営共に今日はダアトに泊まって明日国に戻ることになり、イオン主導の元で両陣営の人物を客間に案内して場は解散となった。






「・・・よ~し、これでここのパッセージリングの操作も終わったな」
「お疲れ様ですルーク」
・・・更に少ししてザレッホ火山のパッセージリングの前。操作板の前で軽く肩を回すルークにイオンが労いの声をかける。
「あぁ・・・これでいよいよアブソーブとラジエイトのゲートが残るのみ・・・気合い入れていくぜ!」
「「「「あぁ(はい)!」」」」
それに答えつつも振り返って笑顔のルークの気合いの入った声に皆も答えた、うまくいかせるという想いをのせて。












言葉を用い世界は一つにまとまらん事になる



残る問題はさして多くはない



しかしそれを小事と焔達は見ることはない、何故なら焔達にとって全てが重要なのだから・・・






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