必然は偶然、偶然は必然 第三話

・・・ミュウの姿に懐かしさを多少覚えつつも、ルーク達はミュウを供に加えてライガのいる場所まで向かう。
「・・・あー、久しぶりに会ったけど相変わらずの感じだよなぁ・・・ちょっとウザいのも変わってねぇけど」
「でもいいんじゃないのか、こんな風に純粋に慕ってくれる分には?俺もミュウを見てたらキュッポ達に会いたくなったな・・・」
「キュッポ?誰なんだよ、それ?」
「あぁ、ちょっと説明するとな・・・」
その間ルークはセネルとチーグルにモフモフ族談義をしながら歩いていた。



・・・同じくらいの歳と背格好の男との交流はルークには今までの経験の中からなかった。その上昔のシャーリィを守る為だけに一生懸命だった時のセネルならまだしも、様々な困難を乗り越えトゲが取れていったセネルはきちんと人の言葉に柔らかく応対するくらいは人間として成長している。



・・・そんな風に二人がゆっくりと話と交友を深めていく内に、ルーク達はライガのいる場所へとたどり着いた。
「あれか・・・」
その姿を見てディムロスはその姿の確認を取る。
「説得をするには多少骨が折れそうな感じがするが・・・私は周りを警戒しておこう。余計な横槍が入っては元の子もないからな」
「では私も周りを見ておこう・・・お前たちなら大丈夫だとは思うが、大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫です・・・ではお二人とも、よろしくお願いします」
そこからディムロスは周りの警戒に回ると言うとクラトスもそちらに回ると言い、その二人にイオンは丁寧に頭を下げる。コクりと頷くと二人は来た道の方へと引き返していく。
「二人ならジェイド相手でも大丈夫だとは思うが、事は急いだ方がいい。では行こうか」
「はい」
二人の後ろ姿を見ながらもウッドロウは早く説得をしようとイオンを振り返り、それに確かに頷く。



・・・打ち合わせを先にしていた訳ではないが、いらぬタイミングでジェイドに問答無用で邪魔をされては元も子もない。故に二人は足止めを自ら願い出たのだ、無事にクイーンを助け出す為に。



「ではミュウ、僕の言葉を通訳してくださいね」
「はいですの」
そしてルーク達は歩みでる、クイーンの前に。
‘グオォ’
「・・・何の用だ、と言っているですの」
クイーンは自らの前に来たルーク達に低い唸り声を上げ、その声をミュウが緊迫した面持ちで通訳する。
「唐突な申し出でスミマセン、僕達は貴女にお話ししたい事があってここに参りました・・・その前に1つ確認を取りますが、貴女はアリエッタの母親ではありませんか?」
「ミュウ、ミュ・・・・・・・・・ミュミュ?」
‘・・・グゥゥ’
「・・・いかにもそうだが何故知っている、と言っているですの」
・・・ファーストコンタクトから1つ段階を越えた、その話を横で見ているウッドロウはそう感じていた。アリエッタの事を口にされ、疑問が出てきた事で話をゆっくりと聞く体勢にクイーンがなったと理解したことで。
「僕は導師、導師イオンです。彼女の上司でありますがそれと同時に彼女のより良き理解者でありたいと思っています。貴女の事はアリエッタから聞いていましたのでもしやと思い声をおかけしたのですが、だからと言う訳ではありません。耳を傾けるだけでもいいので、お話をお聞きください」
それをイオンも察知したのか、丁寧に前口上を置き話をすると言い出す。クイーンを助けるため、今度こその真摯な説得の話を・・・








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