必然は偶然、偶然は必然 第二十話
「・・・テオドーロ市長、インゴベルト陛下、ファブレ公爵。この際ですからハッキリと言わせていただきます。このまま預言の達成だけを目標として動いたなら、この世界は現実的な観点から見ても預言という観点から見ても残る結末は滅びと見ていいと思われます。それを避けるためには是が非でもやらねばならぬのはこの大地の崩壊を避け、障気をどうにかする事・・・しかしそれも我々が協力を避け、争うようになってしまえばその処置を取ることすら出来なくなるんです。ですからお聞きします・・・陛下達はこの問題についてどのように行動すべきと、お考えですか?」
「「「・・・」」」
蒼白な表情の三人にイオンは静かに、だが拒否を許さないと力を込めて問う・・・これからどうしたいか、考えを言えと。三人は重くうなだれ、その言葉が出るのを周りの皆も一名を除き落ち着いた沈黙を持って見守る。
「・・・・・・わしは、そのような事態にまでなっているとはそこまでは思っていなかった」
・・・数分後、ようやく口を開いたのはインゴベルト。その声には確かな力が弱くもこもっていた。
「だがそれがキムラスカに、ひいてはオールドラント全体までの危機に達すると言うのであれば・・・わしが動かんでどうするというのだ?」
「陛下、それでは・・・」
「・・・わしはそなたらに協力をしたい、そう思っている。預言に左右されないわし自身の意志でだ」
「叔父上・・・」
そのままに決意を込めて自身の意志を強く口にするインゴベルトに、ルークがボソリと安心したように声を上げる。
「・・・クリムゾンよ、お前はどう思う?」
「・・・私も陛下と同じです。信憑性のない話でしたら聞くに値しないと断じていたでしょうが、導師の話は無視出来ぬ物でしたので・・・そう考えれば戦争に踏み切るべきではない、と思いました」
「成程・・・では市長、貴方はどうですか?」
更にインゴベルトが自主的に話題を公爵に振れば、同意と共に自身の感じた事を口にし、イオンは納得すると共に残ったテオドーロに視線を向けその心中を問う。
「・・・正直、信じられないと言った気持ちでいっぱいです・・・ですが今までヴァンが何をしてきたのか、それを改めて思い返せば思い返すほど感じるんです・・・いかにヴァンが本気であったのかと共に、預言には永遠の繁栄など詠まれておらずむしろ世界が危険であるかという事実を・・・ですからまだ戸惑いこそありますが、私も預言通りに戦争に踏み切るべきではないと感じています・・・」
「・・・そうですか(・・・案外あっさりですね。これもヴァンがやって来たことに計画してたことが相当効いたからなんでしょうが・・・)」
それでイオンの問い掛けに返ってきたのは、途切れ途切れで恐怖を滲ませながらも大方インゴベルト達と同意と言うもの・・・その姿にイオンは内心で拍子抜けのように思いながらも、ヴァンの行動が理由であると感じていた。
「・・・お三方、ありがとうございます。そう言っていただけたこと、喜びの念に堪えません・・・」
「いや、気にしないでくれ。それよりその、そなたらが掴んだという外殻大地を崩落させない方法と言うものの実態を教えてはくれぬか?我々はまだその事について何も聞いていないのだが・・・」
「・・・そうでした、すみません。まだ説明していませんでしたね・・・ではその事について、今から説明したいと思います」
しかし心中を悟らせることなく感謝と共に頭を下げるイオン。インゴベルトはいいと言いつつも外郭大地存続の手段の事を口にし、イオンは失念していたと頭を上げ説明をせんと更に口を開いていく。外殻大地降下に障気の押し込みまでのプロセスを・・・
.
「「「・・・」」」
蒼白な表情の三人にイオンは静かに、だが拒否を許さないと力を込めて問う・・・これからどうしたいか、考えを言えと。三人は重くうなだれ、その言葉が出るのを周りの皆も一名を除き落ち着いた沈黙を持って見守る。
「・・・・・・わしは、そのような事態にまでなっているとはそこまでは思っていなかった」
・・・数分後、ようやく口を開いたのはインゴベルト。その声には確かな力が弱くもこもっていた。
「だがそれがキムラスカに、ひいてはオールドラント全体までの危機に達すると言うのであれば・・・わしが動かんでどうするというのだ?」
「陛下、それでは・・・」
「・・・わしはそなたらに協力をしたい、そう思っている。預言に左右されないわし自身の意志でだ」
「叔父上・・・」
そのままに決意を込めて自身の意志を強く口にするインゴベルトに、ルークがボソリと安心したように声を上げる。
「・・・クリムゾンよ、お前はどう思う?」
「・・・私も陛下と同じです。信憑性のない話でしたら聞くに値しないと断じていたでしょうが、導師の話は無視出来ぬ物でしたので・・・そう考えれば戦争に踏み切るべきではない、と思いました」
「成程・・・では市長、貴方はどうですか?」
更にインゴベルトが自主的に話題を公爵に振れば、同意と共に自身の感じた事を口にし、イオンは納得すると共に残ったテオドーロに視線を向けその心中を問う。
「・・・正直、信じられないと言った気持ちでいっぱいです・・・ですが今までヴァンが何をしてきたのか、それを改めて思い返せば思い返すほど感じるんです・・・いかにヴァンが本気であったのかと共に、預言には永遠の繁栄など詠まれておらずむしろ世界が危険であるかという事実を・・・ですからまだ戸惑いこそありますが、私も預言通りに戦争に踏み切るべきではないと感じています・・・」
「・・・そうですか(・・・案外あっさりですね。これもヴァンがやって来たことに計画してたことが相当効いたからなんでしょうが・・・)」
それでイオンの問い掛けに返ってきたのは、途切れ途切れで恐怖を滲ませながらも大方インゴベルト達と同意と言うもの・・・その姿にイオンは内心で拍子抜けのように思いながらも、ヴァンの行動が理由であると感じていた。
「・・・お三方、ありがとうございます。そう言っていただけたこと、喜びの念に堪えません・・・」
「いや、気にしないでくれ。それよりその、そなたらが掴んだという外殻大地を崩落させない方法と言うものの実態を教えてはくれぬか?我々はまだその事について何も聞いていないのだが・・・」
「・・・そうでした、すみません。まだ説明していませんでしたね・・・ではその事について、今から説明したいと思います」
しかし心中を悟らせることなく感謝と共に頭を下げるイオン。インゴベルトはいいと言いつつも外郭大地存続の手段の事を口にし、イオンは失念していたと頭を上げ説明をせんと更に口を開いていく。外殻大地降下に障気の押し込みまでのプロセスを・・・
.