必然は偶然、偶然は必然 第二十話

「来たな・・・まずは報告から行こう。キムラスカからはこちらの望むような内容の返信が届いた、ダアトで首脳会議をすることに賛同するとな」
「そうですか・・・」
ピオニー達とルーク達が対する中、まずはと最初に首脳会議の事を威厳ある声で口にするピオニーにルークは少し安心したように声を漏らす。
「ただその際ルーク殿の出席もとインゴベルト陛下は所望しているが、そちらは問題ないか?」
「はい、元々から出席出来るならその場に出席したいと思っていましたのでそれは構いません。それに・・・そこで陛下に父上と話をせずに済ませることは出来ません。これからの事を思えば」
「・・・そうだな。今となっては貴殿は唯一次代のキムラスカの王となり、その血を後の者に受け継がせられる人間だ。それを考えればここで話をするのが必要になるか・・・」
しかしとキムラスカからルークの参加もとの希望があると言うピオニーに、当の本人に避けて通れないと強い意志を込めて返され感銘したように納得する・・・フリングスからアッシュの事やナタリアの事も聞いているだろうピオニーからすれば、ルークの動向というのは気になる事だろう。何しろピオニー自身が言った通り次代のキムラスカ王になれるのは年齢的な事を言っても、ルークしか該当する者はいないのだから。
「・・・分かった。そう言うことなら貴殿らにもダアトに共についてきてもらおう。俺は予定していた日付に間に合わせるため、これよりダアトに船で向かうことになる。貴殿らもその船に乗ってくれ」
「はい、わかりました」
それで決心が着いたと付いてきてくれと言うピオニーに、ルーク達はうやうやしく頷いた。










・・・そんな会話があった後、ピオニーとルーク達はマルクト兵の操舵する船に乗り一路ダアトに向かうことになった。



「・・・ん、そっか。わかった」
「イクティノスはなんと?」
「いや、あっちは順調に準備してて特に問題もないって。市長の呼び出しも順調に進んでるらしい」
「そうか・・・」
・・・それでルーク達にあてがわれた船室の中、ルークがイクティノスとの会話を終え報告をするとディムロスが安心したように声を吐く。
‘ガチャッ’
「・・・少しいいか?」
「っ、ピオニー陛下・・・どうしたんですか?」
そんな船室の扉がいきなり開いて現れたのは皇帝としての毅然とした顔ではなく、どこか影のあるピオニー。その姿に驚きつつもルークは来訪の訳を問う。
「いや、ちょっと聞きたいことがあってな・・・お前達から見てその、ジェイドは・・・ダメだったのか?」
「・・・えっと、それは・・・」
「・・・俺の前でその事を言いにくいと言うのは分かる。だがそれでも敢えて聞きたいんだ、お前の口からジェイドの事を・・・言葉を選ばず言ってくれ、頼む」
「・・・」
ピオニーはそこから本題に入るが、苦々しげに口にされたのはルークから見たジェイドの事を問う物。しかし流石にジェイドを重用していたピオニーの前で本音を言うことを躊躇うルークだったが、それでも尚本音を言ってほしいと絞り出したような声で頼まれ少しの間目を閉じる。
「・・・分かりました、言葉を選ばずに話します。ですがあまり陛下にとって気持ちのいい話にならないということは覚悟してください。そうしなければただ辛いだけだと思うので・・・」
「・・・わかった、話してくれ」
「・・・では話します」
そして目を開けて話すと言いつつ覚悟をしてほしいと前置きをしたルークに、ピオニーは重く頷きルークは話すと決意する。










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