必然は偶然、偶然は必然 第二十話

「んじゃ早速誰が付いていくかって言いたい所だけど、ダアトだから神託の盾所属のリグレットとアリエッタは付いていってもらう方がいいだろうな。護衛役としちゃ向こうもわかりやすいだろうし・・・二人はどうだ?」
「私は別に構わない」
「アリエッタも大丈夫、です」
「後は一人か二人くらいいればいいと思うけど・・・ウッドロウにはこっちとの連絡をしてもらいたいから、イオンに付いていってもらっていいか?」
「あぁ、大丈夫だ」
「後はもう一人行くかどうかだけど・・・誰か行ってくれるか?」
「・・・では私が行こう」
「いいのかクラトス?」
「こちらは余程の事でもなければ大丈夫だろう。危険があるとするならダアトの方だ。導師の方に人員を裂いた方がいい」
「すみませんルーク、皆さん・・・」
それで早速とメンバーの選定をするルークだったが、ポンポンととどまることなく話が進んでメンバーが決まったことにイオンは皆に向かい頭を下げる。
「いいって別に。それよっかリグレット達と一緒にピオニー陛下の所に行ってこい。善は急げだ、話を通してすぐにアルビオールでダアトに向かえ」
「はい、わかりました。では行きましょう、皆さん・・・」
ルークは首を横に振りつつも出発するように言えば、イオンは頭を上げリグレット達と共にその部屋を後にする・・・
「・・・俺達は待てばいいんだよな、ルーク?」
「あぁ、セネル・・・別に地位ってもんにこだわってるつもりはなかったんだけどこんな時、自分が実権も何もないって思うと歯痒く感じるな・・・」
「ルーク君・・・」
そして残されたルーク達。そんな中で自分達がやることはと待つことと確認するセネルにルークは自身の立場に少し寂しげに呟き、ディムロスが同情に満ちた目を向ける・・・わかってはいるけれど不甲斐ないと、そう思う気持ちは少なからず受け取れただけに。
「その分は後で返せばいいじゃない、別にあんたこの旅が終わったらイオンと二度と会うこともなくなるわけじゃないんでしょ?」
「ハロルド・・・」
「甘える時は甘えときゃいいのよ。人の好意にはね。重要なのはそれを返したいって思うかどうか、でしょ?」
「・・・うん、そうだな。ありがとなハロルド」
「別にいいわよ」
ハロルドがその姿に励ますように声をかければ、ルークもすぐに気を取り直して礼を言う。別にいいと返すハロルドだがそんな姿にディムロスが眉を寄せる。
「・・・この世界に来てつくづく思うのだが、お前そんな事を言うようなタイプだったか・・・?」
「細かい事言うんじゃないわよディムロス。それともルークの分、あんたが私の実験台になってお礼して「断る」・・・残念ね(ま、カイル達の事を覚えてない石頭のディムロスに説明しようとしたって無駄でしょ)」
何度思ったか分からないハロルドらしくない面にディムロスはどうしたと言うが、最もハロルドらしい事を言われた瞬間言葉を遮ってまでディムロスは拒否を示す。ハロルドは残念だと言うが・・・その理由はかつてのカイル達との旅の記憶が戻ってきたからと、自身で理解している。だがそれは口にはしない、記憶が無ければ説明しても意味がないと思い。















・・・そんな風にまたもや二組に分かれたルーク達。だがルーク達からもイオン達からも特に問題が起こったという報告が来ることはなく、数日が過ぎた。



そしてピオニーからの使いの兵士に呼ばれ、ルーク達は再び謁見の間へと向かった。








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