必然は偶然、偶然は必然 第二十話

「・・・来たな」
・・・ルーク達が謁見の間に来た。自身の前に来たその姿にピオニーは威厳を持たせた口調で口を開く。
「まずは報告から行こう・・・重臣一同で会議を開いた結果、貴殿らに協力をするという事に決まった」
「そうですか・・・ありがとうございます」
そしてピオニーの口から早速と本題で出てきたのはイオン達に協力すると決めたとの結論。その事にイオンは丁寧に頭を下げる。
「ただそうするとなればこちらからキムラスカに渡りをつける際、導師の協力もあるということをハッキリ示しておきたい。だから導師にはキムラスカに文書を送る時に連名を頼みたいのだが、いいか?」
「はい、それは勿論」
「では今から早速文書を作りたいと思う。導師は残ってもらって、ルーク殿達は引き続き使っていた部屋で待っていてくれ」
「はい、わかりました・・・では後は僕に任せてください、ルーク」
「あぁ・・・では失礼します、ピオニー陛下」
それでピオニーは文書を作るのに協力をイオンに訪ねるよう言い、イオンは了承した後に部屋に戻るように言われたルーク達に任せるようにと笑顔を浮かべ、ルーク達はピオニーに頭を下げその場から退出していく・・・












・・・それで部屋に戻ったルーク達は各々静かにイオンが戻ってくるのを待っていた。



‘ガチャ’
「・・・あ、イオン様・・・」
「お待たせしました・・・文書はすぐに作成出来たんですが、会談をやるならどこでという話で少し話し込んできました」
・・・大分時間が経って、開けられたドアから現れたイオン。その姿にアリエッタが心配そうに声を漏らすが、すぐに謝りつつイオンは遅くなった訳を話す。
『・・・場所はどこになった?』
「色々話をしましてケセドニアが候補には上がりましたが、最終的に僕が主導でダアトで話をすることになりました。やはりキムラスカとマルクトが会談を行うには現状で中立の立場としてやれるケセドニアかダアト以外に無くて、ケセドニアが駄目ならダアトでと言うことに話の流れに自然になりました」
『・・・成程、まぁ妥当だな』
イクティノスがその結果でどういった決定になったのかと問えば、ダアトだとイオンが返したことに納得の声を上げる。
「ただそうするというなら、僕は一つ考えピオニー陛下に進言しました・・・一度僕はダアトに戻ってその用意を現場で取り仕切るべきではないかと」
「・・・それは後々の事を考えてか、イオン君?」
「はい、ディムロスさん・・・ユリアシティに対して示しをつけるのもですが、この辺りでダアト全体に対しても示しをつける必要があると思ったんです。預言の意味にモースがどのような行動を取ってきたかを・・・それでどうすればそうなるかと考えると、導師である僕が率先して問題の解決に動くべきだと思うんです」
「成程・・・」
だがとイオンが自分はダアトに行くべきではと言い出したことにディムロスがその真意を問えば、真剣な面持ちで導師としての責任を果たしたいと言うとクラトスはただ一言納得の声を上げる。
「・・・ピオニー陛下はどう言ってたんだ?」
「そうしてくれるならありがたいと言っていました。ただルーク達に相談も無しはどうかと言われて・・・」
「それを俺達に話に来たんだな?ダアトに戻るために」
「はい」
「・・・そう言うことなら止めるわけにはいかないな」
ルークは静かにピオニーの考えはどうなのかとイオンに問うと、相談をするように言われたと言い、ルークはやれやれといった様子で首を横に振る。







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