「・・・ディスト、いや今はあえてサフィールと今は呼ぼうか・・・お前はどう言った思惑があって、導師達と共にいる？」
「ど、どう言った思惑と言われましても・・・私は導師により捕らえられ、その導師に協力をするように言われてこの場に連いて来ました。私には別に他意はありません・・・」
「・・・ふむ」
ピオニーは静かに覗き見るようにディストに問い掛ける、真意の見えない意味深な問い掛けを。その声にディストはビクビクしながらも慎重に受け答えすると、ピオニーは一つ頷く。
「・・・まぁそう言うことならこちらでディストを預かるが、そちらはディストをどう扱うつもりだ？」
「どう、とは？」
「何か訳ありで導師はディストに役目を負わせようとしているのだろうが、こちらでいつまでも客分として扱う訳にもいかん。ディストには六神将としてこちらは色々被害を与えられた身の上だからな」
「・・・っ！」
「・・・成程」
だがピオニーから昔とは違ってディストに対し苛烈な処置を取ることも辞さないと取れる声が出てきた事にディストはたまらず怯えに息を呑み、イオンは静かに納得の声を上げる。
「その点でしたら彼にはヴァン達に協力していた罪を軽くする意味も含め、今活動していただいている最中です。その役目を終えましたなら特例として死罪などと言った処置は取りませんが、六神将の地位を剥奪した上で一般団員として活動してもらうか、もし良からぬ事を企む動きをしたなら即座に粛清するという条件でダアトから出るか・・・というどちらかを選んでいただこうかと思っています。一応彼はこちらに協力していただける事になりましたから、それくらいの処置でいいかと」
「！」
「・・・そうか」
イオンはそんなピオニーに自身の考える処分を詳しく説明すると、ディストはその話を聞いていなかった事に驚きイオンを見てピオニーは一言だけ低い声を上げる。
「・・・まぁいい。とりあえず今日は部屋を用意するから休んでくれ。ディストもこちらで預かるようにはしておく、ディストはここに残っておいてくれ」
「・・・はい、わかりました」
「・・・では、私達は失礼します」
それでこれ以上の会話を避けるよう後は休めと言うピオニーに一人残れと言われたディストは不安そうに頷き、イオンは案内役とおぼしき兵士が近付いてきたことでピオニーに頭を下げルーク達と共にその場を後にする・・・












・・・場は移り、宮殿の中の客室。
「・・・大丈夫かな、ディスト」
「大丈夫だろ、とりあえずは」
一息ついたところでセネルは先程の様子からディストを心配する声を上げ、ルークが大丈夫と太鼓判を押す。
「なんだかんだであの人約束事を破る人じゃないし、周りもディストを殺すべきじゃないって思ってるはずだ。一応まだダアトの処分待ちって状況だから、変に事態をこじらせないようにってな・・・それに陛下自身もディストを見極めようとしてる節があったから、やることやるまでは大丈夫だろ」
「そうか・・・」
それでルークからそう思う訳を聞きセネルは納得する、一先ずは安心だと。











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