必然は偶然、偶然は必然 第二十話

・・・ヴァン達との戦いを終え、フリングス達が戻ってくるまでケセドニアで思い思いの休日を過ごすルーク達。そうやって過ごしていたルーク達はフリングスがケセドニアに戻ってきたと聞き、領事館へと集まった。



「・・・皆さん、戻りました」
「フリングス少将、お疲れ様です」
一同が揃った中でフリングスが一言戻った告げ、イオンが労いの声をかける。
「とりあえずはヴァン謡将達もこちらの牢に無事に入れる事は出来ました。ただ入れたはいいのですが、これからどうするべきか・・・」
「その事についてですが、グランコクマに一緒に来てはいただけないでしょうか?」
「グランコクマに、ですか?」
「はい、この辺りでピオニー陛下にお会いして協力していただいていることにお礼を言いたいですし、今後の方針を決めるにも直接陛下とお話をした方がいいと思うのですが・・・いかがですか?」
「成程・・・確かに陛下への報告も必要ですからね・・・」
それで報告を始めるフリングスだが今後の方針をとなった時に考え込む表情になったが、イオンからの発案に納得してそちらの方向に向け考え込む。
「・・・分かりました、グランコクマに向かいましょう。ただ、いつ向かいますか?」
「フリングス少将がよろしければ今日の内に出発したいのですが、大丈夫ですか?」
「はい、事後処理を済ませたらすぐに出発出来ると思います」
「ではお願いします」
「わかりました。皆さんはこちらでお待ちください、出来るだけ早く済ませて参ります」
そしてフリングスもそうすると決め話を進め今日に出発となり、事を進めるに当たり後始末をするためにその場を後にする。
「・・・随分簡単に事が進んだな」
「あちらもそろそろマルクトの上層部の判断を仰ぐべきと考えたのだろう。それに国の上層部で吟味して対応すべき事柄になる、ヴァン達の身柄にどういった行動を取ってきたのかという問題はな」
「成程な・・・」
セネルはその後ろ姿にボソッと呟くとクラトスがそのテキパキとした行動の意図はこうだろうと告げ、納得して頷く。
「こちらとしても望む所だけどな。そうやって危機感を持って対してくれるのはな・・・ま、何にしてもグランコクマに行かなきゃ話にならないんだ。ゆっくり待とうぜ。そしてグランコクマに着いてからだ、ピオニー陛下にキムラスカと交渉のテーブルを設けてもらうための説得はな・・・!」
その声に流れを引き継ぎつつルークは静かに熱を持って告げる、ピオニーに是非とも協力してもらわんと・・・



・・・ルーク達がマルクト、ひいてはピオニーに今求めている物。それはこちらの味方になってもらうこともだが、キムラスカと対する状況を作るための後ろ楯を作るためだ。

少し前にイオンがモースをバチカルから引き剥がし預言に対し多少の不信感を植え付けはしたものの、ルークがバチカルに何も対策を取らずに帰ればまず即刻で捕縛をされた上で殺されるかアクゼリュスに送られる可能性が高い。今インゴベルトにファブレ公爵は預言による繁栄を望んでいるのだから。

そんな状況でルークがキムラスカの者の前に現れるのはハッキリと言って、危険としか言えない・・・それを打開するにはやはり対等な立場で対することが出来るダアト、そしてマルクトの力が必要なのだ。ただダアトは既にイオンが実験を取り戻して自由に人材を動かせることから、必然的にやるべき事はマルクトを味方につけることだけだ。

・・・だからルーク達は力が入ってるのだ。事をうまく進めるにはマルクトの協力が不可欠な為に・・・









・・・そんなルーク達の元に事後処理を済ませたフリングスが戻ってきた後、一同はケセドニアを出てアルビオールに乗り込み出発せんとする。グランコクマへと・・・









2/33ページ
スキ