必然は偶然、偶然は必然 第十九話

「・・・まぁいいか。そうやって余裕身に付くかどうかはまずどうやっても時間必要だしな。とりあえず俺は結婚する事は前向きに考えちゃいるから、心配はいらねーぞ」
「そうか、ならいいんだ」
しかしやりあっても何も得られる物などないと考えたのか、ルークが疲れたように元々の問題である結婚については大丈夫と告げると、ウッドロウは穏やかに微笑んで返す。






・・・そんなルーク達のやり取りの一方、女性陣に割り当てられた部屋の中。
「・・・よかった、ですか、リグレット?」
「あぁ・・・私もヴァンの事は既に吹っ切っている、心配はいらない」
ハロルドのいない部屋でリグレットとアリエッタは向かい合い、話をしていた。その中身はヴァン達を倒したことに対してでアリエッタが大丈夫なのかを問うものだが、リグレットは自信を持って大丈夫と柔らかい笑みを返す。
「リグレット変わった、です・・・アリエッタもルークのおかげで変わった、ですけど・・・」
「あぁ・・・と言っても私はルークのおかげではなく、ウッドロウのおかげだがな」
「・・・リグレットはこれからどうする、ですか?アリエッタ難しい事言えない、ですけど、謡将捕まえたからリグレットがどうしたいのかわからない、です・・・」
「・・・どうするか、か・・・私はウッドロウを支える、そう決めている。ただしその時はヴァンといた時と違い、共に事に当たる形でだ」
そんな姿にアリエッタが変わったと言いつつこれからの事を聞くと、リグレットは全くぶれることなくウッドロウと動くと言い切った。
「・・・そう、ですか・・・」
「・・・どうした、アリエッタ?」
だがその答えに表情をアリエッタは暗くし、リグレットは心配し覗きこむように声をかける。
「・・・だってこのままだったらアリエッタとルーク、一緒にいれない、です・・・この旅が終わったら離ればなれになってしまう、です・・・」
「・・・ちょっと待て、アリエッタ。お前、まさかルークの事を好きなのか・・・?」
「はい・・・アリエッタに優しくしてくれた人、ルークがイオン様達以外で初めて、です・・・だからアリエッタ離れたくない、です・・・」
「・・・ふぅ・・・そういう事か・・・」
その心配にアリエッタはルークと離れたくないと切実な想いを覗かせて言うと、少し焦ったようにリグレットは好きかと確認する。それで素直に好きと認めはするもののあくまでただの友好と取れる中身なだけに、リグレットはホッとした様子になる・・・リグレットとてアリエッタを可愛く思っていないわけではない、故に恋愛沙汰になるかどうかと言うのは保護者目線としては結構ヒヤヒヤ物だったようだ。
「・・・まぁその点については心配しなくていいと思うぞ。ウッドロウがこれからのダアトの問題点を改善する案を考えているからな」
「えっ・・・ウッドロウが?」
「詳しい話はルークと導師にしてから決めると言うことになっているらしいから何とも言えないが、その案がうまく行けばキムラスカにダアトの垣根が低くなるのは間違いなくなるだろう」
「本当、ですか?」
「あぁ、草案を聞いただけだが相当にいい案だと私は感じた。二人に話が行けば私と同じように感じてくれると思っている」
「もしそうなったら嬉しい、です・・・」
気を取り直しリグレットはそういう事ならと先日聞いたウッドロウの案の事を引き合いに出し、自分のお墨付きをつけ添えうまくいくと言えばアリエッタは綻びるような笑みを浮かべた。















一つの決着に一つの始まり



階を登り終えた先に見える未来



その道の先を開くは英雄王の思案



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