必然は偶然、偶然は必然 第十九話

「うっ・・・」
「・・・戦いは僕の勝ちです。貴方にはこの世界で生きてもらいますよ、シンク」
そんな中でイオンは倒れこんだシンクに近づき、気絶してる中で痛みに声を上げる姿に静かに声をかける。生きてもらうことを、たとえ聞こえていなくとも。









・・・数分後、ルーク達はヴァン達を捕縛し終わった。
「・・・皆さん、ご無事ですか!?」
「フリングス少将・・・はい、無事です」
そんな場に走って現れたのは数人の兵士を引き連れて来たフリングス。すかさず気遣いの声をかけてくるフリングスにイオンは笑顔を持って返す。
「・・・どうやら決着はついたようですね・・・こちらも謡将率いる神託の盾を鎮圧して全員捕らえて参りましたので、謡将達も終わりです。後は私達に任せて皆様は入口に戻り、アルビオールに乗られてケセドニアに向かわれてください」
「すみません、お言葉に甘えさせていただきます・・・では皆さん、行きましょう」
「あぁ、後は頼むフリングス少将」
それで辺りを見て安心しながらも報告をした上でアルビオールに戻るようフリングスが勧めれば、イオンもルークも一言残してその場から一同は去っていく・・・















・・・それで入口に戻り、アルビオールに乗ったルーク達はケセドニアに向かう・・・



「・・・とりあえず、当面の脅威は取り払ったな」
「えぇ、後やるべきことは残ったセフィロト回りにキムラスカとダアトとオマケにユリアシティに預言を無くすことを了承をしてもらうことです」
そのアルビオールの中でクラトスが当面の脅威とヴァン達を評したが、イオンは特に反論することなく話を勧める・・・そう、まだ本題は残っているのだ。キムラスカとダアトに預言を詠めなくなる事を了承してもらうという、世界の為に是が非でも必要な事が。
「つってもまずはマルクトのピオニー陛下に直に話を通してからだな。多分ピオニー陛下も話をすれば分かるとは思うけど、そろそろ顔合わせくらいしとかないと流石に失礼だし時期に来てるからな」
「ってことは次はグランコクマか、目的地は?」
「ケセドニアでフリングス少将の帰港を待ってから、になるけどな。先にグランコクマに行くのはフリングス少将に失礼だし、陛下に報告をする義務があるからな。あの人には」
「そうか」
その会話にルークも加わる中でセネルが次の目的地をグランコクマかと問えば、フリングスを待ってからと返した事にすんなりと納得する。
「ま、どっちにしたって数日は待たなきゃなんないんだしちょっとの間休憩しといていいでしょ」
「そうだね・・・今日は決戦を終えたばかりだ。少しばかりゆっくりするのは悪くない」
「そうだな、ゆっくりしようぜ」
その流れを受けハロルドが休憩と言い出しウッドロウも同意したことで、ルークも頷く。















・・・戦いを終えたと言うのに和やかな空気のまま、アルビオール内での時は過ぎた。そして程無くしてケセドニアに辿り着いたルーク達・・・



「・・・すぅ・・・すぅ・・・」
「・・・なんだかんだ疲れてたんだな、イオンも」
・・・それで領事館に入り部屋に行ったルーク達だが、そこでベッドに横になったイオンが目を閉じてすぐに寝息をたてだした事でルークは微笑を浮かべる。









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