必然は偶然、偶然は必然 第十九話
「・・・アリエッタ、驚いてる、です。イオン様がここまで戦える、なんて・・・」
「・・・俺も正直驚いてる、ここまで互角に進むなんて思ってなかったからな・・・」
そんな中でアリエッタはボソッと本心を呟き、ルークも同じだと同意する。
「でもこのままだとどっちが勝つか、分からない、です・・・ルークはどっちが勝つと思う、ですか?」
「・・・今のまんまじゃ決定打がないと、勝負はただ長引くだけだ。このままじゃスタミナが無くなるまで殴りあいが続くだけ、二人もそれは分かってると思う。後はその決定打をいつ出すか・・・それが鍵だけど、どっちが先に出すか・・・それは・・・」
「それは・・・?」
ただその膠着した状態でどちらが勝利するか、それがわからないアリエッタは勝敗の予想をルークに不安そうに聞く。その質問にルークは決定打が鍵と言いつつ先に放つのはどっちかと予想して言おうとし、アリエッタはその先が気になるとルークに視線を向ける。
‘ゴッ’
「「くっ・・・!」」
「あっ・・・!」
だがその瞬間イオンとシンクの二人が互いに右拳を胸の部分に当てたことで両者共に痛みに声を上げ後ろに飛び退き、アリエッタもその声に気付きそちらに振り向く。
「・・・はあぁぁぁ!」
「えっ、あれ・・・!」
そこでアリエッタが目にして耳にしたのは、シンクが地面に手をつき大声を上げだした。
「・・・「アカシック・トーメント!」」
‘キュガゴガッ!’
「「「「・・・っ!」」」」
・・・その姿からシンクが取った攻撃方法はアカシック・トーメントだが、先に行動したにも関わらずイオンも同じようにアカシック・トーメントで瞬時に反撃をした。
全く同タイミングに放ったそのまさかな反撃にアカシック・トーメントの威力がぶつかり合い形容しがたい高温が辺りに響き渡り、ルーク達はたまらずその光景から出た光を眩しそうに腕で目を隠す。
「・・・うわあぁぁぁっ・・・!」
「・・・今の声は、どっちだ・・・くっ・・・!」
数秒して唐突にどちらかのものかの叫び声が聞こえた。だがその声色は同じ人物のレプリカと言うことでどちらか判別がつきにくく、ルークは眩しさに眩んだ目で何とか先を見ようと目を細める。
「・・・あっ・・・!」
そして光も収まり両者の激突の先にルーク達が見た姿、それは・・・
「・・・ふぅ。なんとかうまくいきましたね」
「イオン!・・・よく勝ったな、お前・・・!」
「えぇ、正直僕も驚いてます・・・けど咄嗟にイケる、そう思ったんです」
・・・距離を取って倒れるシンクと対照的に立ってその場にいるイオンだった。
安堵の息を漏らすイオンにルーク達は笑顔で近づき、イオンは勝算があってのことだったと答える。
「あの状況で僕もシンクのようにどうにか致命打を与えないといけないと思っていたんですが、先にアカシック・トーメントを使われた時にマズイと思ったと同時に考えたんです。僕は元々ダアト式譜術を使う素養は一番被験者に近いことを・・・」
「それでアカシック・トーメントで返した。で、結果はその素養もあって詠唱速度も威力もシンクより勝ったってことか。先に勝負をかけたシンクにな」
「えぇ、一か八かだったんですけど・・・これもこの体のお陰ですから、感謝しないといけませんね・・・」
イオンが勝算としたもの、それは自身の元々の生まれ持った素質だった。それを聞き納得するルーク達に、この体をくれたことをローレライに感謝しながらイオンは微笑を浮かべる。
「とりあえず勝利に喜ぶのは後にした方がいいんじゃない?今は倒れた三人を適当に捕縛して船に戻るわよ」
「・・・そうだな、目を覚まされたら面倒だしそうするか皆」
ただそんな場にハロルドが捕まえて戻ろうと空気を引き締めるように言えば、ルークも思い直して頷き他の面々もそうしようと動き出す。
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「・・・俺も正直驚いてる、ここまで互角に進むなんて思ってなかったからな・・・」
そんな中でアリエッタはボソッと本心を呟き、ルークも同じだと同意する。
「でもこのままだとどっちが勝つか、分からない、です・・・ルークはどっちが勝つと思う、ですか?」
「・・・今のまんまじゃ決定打がないと、勝負はただ長引くだけだ。このままじゃスタミナが無くなるまで殴りあいが続くだけ、二人もそれは分かってると思う。後はその決定打をいつ出すか・・・それが鍵だけど、どっちが先に出すか・・・それは・・・」
「それは・・・?」
ただその膠着した状態でどちらが勝利するか、それがわからないアリエッタは勝敗の予想をルークに不安そうに聞く。その質問にルークは決定打が鍵と言いつつ先に放つのはどっちかと予想して言おうとし、アリエッタはその先が気になるとルークに視線を向ける。
‘ゴッ’
「「くっ・・・!」」
「あっ・・・!」
だがその瞬間イオンとシンクの二人が互いに右拳を胸の部分に当てたことで両者共に痛みに声を上げ後ろに飛び退き、アリエッタもその声に気付きそちらに振り向く。
「・・・はあぁぁぁ!」
「えっ、あれ・・・!」
そこでアリエッタが目にして耳にしたのは、シンクが地面に手をつき大声を上げだした。
「・・・「アカシック・トーメント!」」
‘キュガゴガッ!’
「「「「・・・っ!」」」」
・・・その姿からシンクが取った攻撃方法はアカシック・トーメントだが、先に行動したにも関わらずイオンも同じようにアカシック・トーメントで瞬時に反撃をした。
全く同タイミングに放ったそのまさかな反撃にアカシック・トーメントの威力がぶつかり合い形容しがたい高温が辺りに響き渡り、ルーク達はたまらずその光景から出た光を眩しそうに腕で目を隠す。
「・・・うわあぁぁぁっ・・・!」
「・・・今の声は、どっちだ・・・くっ・・・!」
数秒して唐突にどちらかのものかの叫び声が聞こえた。だがその声色は同じ人物のレプリカと言うことでどちらか判別がつきにくく、ルークは眩しさに眩んだ目で何とか先を見ようと目を細める。
「・・・あっ・・・!」
そして光も収まり両者の激突の先にルーク達が見た姿、それは・・・
「・・・ふぅ。なんとかうまくいきましたね」
「イオン!・・・よく勝ったな、お前・・・!」
「えぇ、正直僕も驚いてます・・・けど咄嗟にイケる、そう思ったんです」
・・・距離を取って倒れるシンクと対照的に立ってその場にいるイオンだった。
安堵の息を漏らすイオンにルーク達は笑顔で近づき、イオンは勝算があってのことだったと答える。
「あの状況で僕もシンクのようにどうにか致命打を与えないといけないと思っていたんですが、先にアカシック・トーメントを使われた時にマズイと思ったと同時に考えたんです。僕は元々ダアト式譜術を使う素養は一番被験者に近いことを・・・」
「それでアカシック・トーメントで返した。で、結果はその素養もあって詠唱速度も威力もシンクより勝ったってことか。先に勝負をかけたシンクにな」
「えぇ、一か八かだったんですけど・・・これもこの体のお陰ですから、感謝しないといけませんね・・・」
イオンが勝算としたもの、それは自身の元々の生まれ持った素質だった。それを聞き納得するルーク達に、この体をくれたことをローレライに感謝しながらイオンは微笑を浮かべる。
「とりあえず勝利に喜ぶのは後にした方がいいんじゃない?今は倒れた三人を適当に捕縛して船に戻るわよ」
「・・・そうだな、目を覚まされたら面倒だしそうするか皆」
ただそんな場にハロルドが捕まえて戻ろうと空気を引き締めるように言えば、ルークも思い直して頷き他の面々もそうしようと動き出す。
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