必然は偶然、偶然は必然 第十九話
「まぁ貴方がどうだろうと別に構わないんですけどね、ここで貴方の野望は潰えるんだから」
「っ・・・貴様ごときに、貴様ごときにやられてたまるか・・・っ!」
‘ブンッ’
「おっと」
それで更に挑発するような口調を向けるルークにヴァンは明らかな苛立ちを浮かべて剣を振るが、余裕を持って後退してかわす。
(・・・ヴァンとはこのような男だったか?)
そんな中でルークを譜銃で後ろから援護しながらもリグレットは考えていた、昔のイメージとあまりに違うことに。
・・・リグレットは表の神託の盾で活動している時のヴァンに預言を覆そうとしていた時の裏の顔しか知らない。表と裏、どちらも知っているからこそヴァンの人格を知ったつもりでいたのだろう・・・だが人の本性とは通常の時には出ず、追い詰められて出ることが多い。その点ではヴァンは表と裏、どちらでも余裕を持った佇まいを崩したことなどなくリグレットは動揺した姿すら見たことはなかった。
しかし元来ヴァンはティアと同じく、自身の考える展開だけを望む傾向があり自身の心中をプライドのせいで明かさない悪癖がある・・・ようはいい格好だけを見せたいだけなのだ。そんなヴァンの予定調和を狂わせたルークがまた予定にない行動をしてきた上に心中穏やかでない事を言ったものだから、普段の態度を取り繕う事も出来ずにいるのだヴァンは。
そしてそれはホドを自身が崩落させた片棒を望まず担がされ、預言を壊すために全てを騙すと決めたヴァンからしてみれば初めてに等しい事であった・・・初めての事に対すると人は何も出来ない場合がほとんど、ヴァンも自身の心をこれ程にかき乱す存在に会ったことはなかっただろう。
(・・・いや、元々こういう姿があったからこそヴァンは反旗を翻したのだろうな。だがそれを私は知ることはなかった、知ろうと思ってもいなかった・・・わかっているつもりになって、ただ盲目に従っていた為にな)
だがと内心でリグレットは思い直す、それを見抜けなかったのは自分自身のせいなのだと。
(・・・ならばこそ、私は自身の手で断ち切る!ヴァンとの繋がりを!)
「はっ!」
‘ダァンッ!’
「っ、くぅっ・・・!」
それで新たに決着をつけると想いを胸にリグレットは譜銃のトリガーを引けば、ヴァンはルークとの斬りあいの中でなんとか右に身をよじり避けた・・・と思いきや、その左肘には矢が刺さり苦悶の声を上げた。
「こちらも忘れてもらっては困るな」
「ウッドロウ・・・」
矢を放ったのは必然、弓をただ一人使うウッドロウ。イクティノスではなく弓を構える自身に満ちた笑みを向けるウッドロウに、リグレットはその姿を見て名を呟く。
「迷いのない、いい攻撃だ。だが君には私や皆がいる・・・それを忘れないでくれ」
「・・・あぁ!」
その声に優しい笑顔を向け頼るようにと言うウッドロウに、リグレットもいい笑みに快い返事を持って返す。
「・・・くっ・・・!」
「・・・あ~あ。もういい加減諦めたら、センセイ?」
「・・・何を・・・っ!?」
そんなやり取りを尻目にヴァンは肘に刺さった矢を苛立たしげに抜き取る中でルークはやる気なさげに諦めろと言われ、反論しようとしたがその声は途中で止まる。
「「・・・!」」
「っ・・・なんだと、ラルゴが・・・!」
「・・・そう言う訳ですよ」
何故止まったのかと言えばその場にクラトスとセネルの二人が来たことに気付き、同時に視線をやってラルゴがやられたのに気付いたから。信じられないと声を漏らす中で、ルークがわかっただろうと問いかけるように声を向ける。
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「っ・・・貴様ごときに、貴様ごときにやられてたまるか・・・っ!」
‘ブンッ’
「おっと」
それで更に挑発するような口調を向けるルークにヴァンは明らかな苛立ちを浮かべて剣を振るが、余裕を持って後退してかわす。
(・・・ヴァンとはこのような男だったか?)
そんな中でルークを譜銃で後ろから援護しながらもリグレットは考えていた、昔のイメージとあまりに違うことに。
・・・リグレットは表の神託の盾で活動している時のヴァンに預言を覆そうとしていた時の裏の顔しか知らない。表と裏、どちらも知っているからこそヴァンの人格を知ったつもりでいたのだろう・・・だが人の本性とは通常の時には出ず、追い詰められて出ることが多い。その点ではヴァンは表と裏、どちらでも余裕を持った佇まいを崩したことなどなくリグレットは動揺した姿すら見たことはなかった。
しかし元来ヴァンはティアと同じく、自身の考える展開だけを望む傾向があり自身の心中をプライドのせいで明かさない悪癖がある・・・ようはいい格好だけを見せたいだけなのだ。そんなヴァンの予定調和を狂わせたルークがまた予定にない行動をしてきた上に心中穏やかでない事を言ったものだから、普段の態度を取り繕う事も出来ずにいるのだヴァンは。
そしてそれはホドを自身が崩落させた片棒を望まず担がされ、預言を壊すために全てを騙すと決めたヴァンからしてみれば初めてに等しい事であった・・・初めての事に対すると人は何も出来ない場合がほとんど、ヴァンも自身の心をこれ程にかき乱す存在に会ったことはなかっただろう。
(・・・いや、元々こういう姿があったからこそヴァンは反旗を翻したのだろうな。だがそれを私は知ることはなかった、知ろうと思ってもいなかった・・・わかっているつもりになって、ただ盲目に従っていた為にな)
だがと内心でリグレットは思い直す、それを見抜けなかったのは自分自身のせいなのだと。
(・・・ならばこそ、私は自身の手で断ち切る!ヴァンとの繋がりを!)
「はっ!」
‘ダァンッ!’
「っ、くぅっ・・・!」
それで新たに決着をつけると想いを胸にリグレットは譜銃のトリガーを引けば、ヴァンはルークとの斬りあいの中でなんとか右に身をよじり避けた・・・と思いきや、その左肘には矢が刺さり苦悶の声を上げた。
「こちらも忘れてもらっては困るな」
「ウッドロウ・・・」
矢を放ったのは必然、弓をただ一人使うウッドロウ。イクティノスではなく弓を構える自身に満ちた笑みを向けるウッドロウに、リグレットはその姿を見て名を呟く。
「迷いのない、いい攻撃だ。だが君には私や皆がいる・・・それを忘れないでくれ」
「・・・あぁ!」
その声に優しい笑顔を向け頼るようにと言うウッドロウに、リグレットもいい笑みに快い返事を持って返す。
「・・・くっ・・・!」
「・・・あ~あ。もういい加減諦めたら、センセイ?」
「・・・何を・・・っ!?」
そんなやり取りを尻目にヴァンは肘に刺さった矢を苛立たしげに抜き取る中でルークはやる気なさげに諦めろと言われ、反論しようとしたがその声は途中で止まる。
「「・・・!」」
「っ・・・なんだと、ラルゴが・・・!」
「・・・そう言う訳ですよ」
何故止まったのかと言えばその場にクラトスとセネルの二人が来たことに気付き、同時に視線をやってラルゴがやられたのに気付いたから。信じられないと声を漏らす中で、ルークがわかっただろうと問いかけるように声を向ける。
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