必然は偶然、偶然は必然 第十九話
「くそっ・・・いい加減さっさと倒れなよ、こっちは不甲斐ない二人の分も働かないといけないんだからさ!」
‘ガッ!’
「っ・・・そっちこそ早く降参してください、もはや貴方達の負けです!」
‘ゴッ!’
「くっ・・・!」
そしてヴァン側で一人まだまともに冷静であると言えるシンクだったがそれでも焦りを滲ませ次に相手を変えたいと言わんばかりに拳をイオンに向けるが、腕でガードされた上に諦めるように告げられながら放たれたもう一つの拳を同じように受け止め悔しそうな声を上げる。
・・・はっきりと言ってしまえば戦況は今イオンが言ったよう、ヴァン達に勝ち目はないに等しい物と言えた。これがまだヴァンが冷静だったならラルゴもシンクも善戦くらいは出来ただろうし、9対3に持ち込んで多少なりにも連携を使えるような状況に持ち込めただろう。
だが悪いこととは立て続けに起こりやすい物。ヴァンがらしくなく崩れた事が冷静であったはずのラルゴとシンクの動揺を誘い、ヴァン自身が冷静でないが故に状況を立て直すための手立てを講じることを考える事が出来なかった・・・それがヴァン達の崩壊を招いていた。
「・・・くっ・・・!」
・・・ルーク達が戦いを始めて十数分も経つと、その頃にはクラトス達とラルゴの決着が着く場面に差し掛かっていた。
斬られて焼かれて殴られ、三人の猛攻に晒されたラルゴは全身を傷だらけにしながらも大鎌を支えになんとか立っていたが満身創痍なのは誰の目にも明らか。それに比べて対するクラトス達三人の姿は多少汚れているかどうかと言った程度で、殆ど怪我を負った様子はない・・・誰の目から見ても勝敗は明らかである、そう言える光景だった。
「・・・行くぞセネル、合わせろ!」
「・・・あぁ!」
そんな時にクラトスが目配せをしてラルゴに向かい走り出した事で、セネルもその意図に気付き後に続いて走り出す。
「っ・・・うおぉぉぉっ・・・!」
「はっ!」
‘キィンッ!・・・ザクッ’
「何っ・・・!?」
そのクラトスを迎撃せんとなんとか大鎌を振り上げて振り落とすラルゴ。だがその本来の一撃に程遠い弱りきった一撃はクラトスの振り払った剣により手から弾きとばされ、地面に突き刺さった。
「これで、終わりだ!」
「しまっ・・・!」
‘ズムッ!’
「か、はっ・・・!」
‘バタン’
それで続いて距離を詰めたセネルは肩から腹ががら空きになったラルゴの懐に飛び込み、間合いも威力も十分の拳を鳩尾にアッパー気味に叩き込んだ。ラルゴは反応はしたものの回避は出来ずその拳を受け、苦悶の声を上げて膝から崩れ落ち地面に倒れこんだ。
「お見事!さぁ次はヴァンにシンクだ!私はシンクに向かう、二人はヴァンに向かってくれ!」
「「あぁ!」」
そんな一糸乱れぬコンビネーションでラルゴを倒した二人をディムロスは誉めながらも、その後の行動をどうするかの指示を出し自らもシンクの元へと向かう。クラトスとセネルもその声に応えつつ、ラルゴから視線を外しヴァンの方へと向かう。
「・・・くっ、他の者の力を借りているとは言え何故私がこのレプリカごときにここまで手間取る・・・!?」
「どうしたんですか、師匠?レプリカごときと言いつつ、そのレプリカに手こずるなんて」
・・・それでルーク達とヴァンの方へと戦いが移る訳だが、こちらは流石に腐ってもヴァンで怒りに満ちていたとは言ってもラルゴより損傷は少なく戦っていた。しかし明らかに精神的な意味合いではルーク達の方がヴァンより優勢であった。
.
‘ガッ!’
「っ・・・そっちこそ早く降参してください、もはや貴方達の負けです!」
‘ゴッ!’
「くっ・・・!」
そしてヴァン側で一人まだまともに冷静であると言えるシンクだったがそれでも焦りを滲ませ次に相手を変えたいと言わんばかりに拳をイオンに向けるが、腕でガードされた上に諦めるように告げられながら放たれたもう一つの拳を同じように受け止め悔しそうな声を上げる。
・・・はっきりと言ってしまえば戦況は今イオンが言ったよう、ヴァン達に勝ち目はないに等しい物と言えた。これがまだヴァンが冷静だったならラルゴもシンクも善戦くらいは出来ただろうし、9対3に持ち込んで多少なりにも連携を使えるような状況に持ち込めただろう。
だが悪いこととは立て続けに起こりやすい物。ヴァンがらしくなく崩れた事が冷静であったはずのラルゴとシンクの動揺を誘い、ヴァン自身が冷静でないが故に状況を立て直すための手立てを講じることを考える事が出来なかった・・・それがヴァン達の崩壊を招いていた。
「・・・くっ・・・!」
・・・ルーク達が戦いを始めて十数分も経つと、その頃にはクラトス達とラルゴの決着が着く場面に差し掛かっていた。
斬られて焼かれて殴られ、三人の猛攻に晒されたラルゴは全身を傷だらけにしながらも大鎌を支えになんとか立っていたが満身創痍なのは誰の目にも明らか。それに比べて対するクラトス達三人の姿は多少汚れているかどうかと言った程度で、殆ど怪我を負った様子はない・・・誰の目から見ても勝敗は明らかである、そう言える光景だった。
「・・・行くぞセネル、合わせろ!」
「・・・あぁ!」
そんな時にクラトスが目配せをしてラルゴに向かい走り出した事で、セネルもその意図に気付き後に続いて走り出す。
「っ・・・うおぉぉぉっ・・・!」
「はっ!」
‘キィンッ!・・・ザクッ’
「何っ・・・!?」
そのクラトスを迎撃せんとなんとか大鎌を振り上げて振り落とすラルゴ。だがその本来の一撃に程遠い弱りきった一撃はクラトスの振り払った剣により手から弾きとばされ、地面に突き刺さった。
「これで、終わりだ!」
「しまっ・・・!」
‘ズムッ!’
「か、はっ・・・!」
‘バタン’
それで続いて距離を詰めたセネルは肩から腹ががら空きになったラルゴの懐に飛び込み、間合いも威力も十分の拳を鳩尾にアッパー気味に叩き込んだ。ラルゴは反応はしたものの回避は出来ずその拳を受け、苦悶の声を上げて膝から崩れ落ち地面に倒れこんだ。
「お見事!さぁ次はヴァンにシンクだ!私はシンクに向かう、二人はヴァンに向かってくれ!」
「「あぁ!」」
そんな一糸乱れぬコンビネーションでラルゴを倒した二人をディムロスは誉めながらも、その後の行動をどうするかの指示を出し自らもシンクの元へと向かう。クラトスとセネルもその声に応えつつ、ラルゴから視線を外しヴァンの方へと向かう。
「・・・くっ、他の者の力を借りているとは言え何故私がこのレプリカごときにここまで手間取る・・・!?」
「どうしたんですか、師匠?レプリカごときと言いつつ、そのレプリカに手こずるなんて」
・・・それでルーク達とヴァンの方へと戦いが移る訳だが、こちらは流石に腐ってもヴァンで怒りに満ちていたとは言ってもラルゴより損傷は少なく戦っていた。しかし明らかに精神的な意味合いではルーク達の方がヴァンより優勢であった。
.