必然は偶然、偶然は必然 第十九話
・・・ヴァン達との決戦に備え、ケセドニアで待機していたルーク達。そこにグランコクマよりフリングス達が戻り、ケセドニアのマルクト軍を動かす事の許可をもらいその軍の編纂をしてから出発をしたいと言うことになり翌日出発という事になった・・・そしてその決定があったため稽古の時間も決戦の為の休養の時間として、全員何もせず休むことになった。
「・・・どうしたんですか、ルーク?一人でこんなところに来て」
「あぁ・・・イオンか」
・・・そんな決定の後の夜、一人酒場に来てカウンターに座っていたルークにイオンが声をかける。
「・・・ちょっと一回、酒場で酒を飲んでみたかったんだよ。多分この旅が終わったらもう、こうやって自由に動くことも出来なくなるだろうしな」
「・・・僕達の立場から来る責任、ですね」
「あぁ・・・」
それでルークは微笑を浮かべながら質問に答えつつ酒の入ったグラスを傾け、口中に流す。
「・・・今まで俺達は全てを変える為に行動してきた。それは世界の為って言っても俺達個人で起こしてきた行動だ。そこに国は関係していない・・・けどこれからは国の代表として動くために行動するってなって、それはつまり俺個人の責任ってだけじゃなく国の責任も負うって事だ。そうなりゃ当然行動に制限もついてくる。そうなる前にやりたいことをやっとこうと思ってな」
「それがこの酒場でお酒を飲むこと、ですか」
それで今後の事があるからこそ今のうちにと言ったことに、イオンも微笑む。
・・・この旅が終わればルークはファブレ公爵子息としていずれキムラスカ王に君臨することを目標とし、イオンは引き続き導師としてダアトを預言のない地へと改革することを目標としている。そしてそうするには今までのように国外にホイホイと出ていけるような事をしてはならないと上に立つ人間としての責任の事もルーク達は考えている。故にルーク達はわかっていた、この時間が僅かに残った自由な時間だと。
「こうやって飲むのに少し憧れてたんだよ。哀愁みたいなもんがあってカッコいいとか思ってな。それに・・・経験の事もあるから、一回くらいいいだろって思ったんだよ」
「あぁ・・・そういう事ですか」
それで続いたどこか間を空けた表現をして一回と言ったことに、イオンも納得する・・・姿形は未成年とは言え音譜帯にいた年月から計算すればルークとイオンの二人は意識を持って暮らしていた期間は成年に余裕で達しているのだ。精神年齢に関しては十分と言えよう。ただそれでも普段の肉体の事もあって遠慮していた上で一回くらいはと言ったルークは、相当にこうやって飲んでみたかったようだった・・・こういう所はまだ幼かった部分と言えよう。
「フフ・・・なら僕も付き合ってもいいですか?」
そんな姿にイオンはルークの隣に座る、自分も飲むと言い。
「ん・・・いいけど、大丈夫か?俺は少しは家で飲まされてたから慣れてるけど、お前は飲めるのか?」
「僕も似たような物ですよ。たまに場の空気でお酒を飲む時がありましたから。それに体の調子も良くなりましたし、明日に響かない程度に飲みますよ・・・あ、僕にも同じのお願いします」
「そうなのか・・・」
・・・貴族の立場上儀式的な事に併せて、食事の際に酒を普通に勧められる事がある。そう言った場合特別な理由がなければ断ることは許されないものだ。そう言った貴族の習慣に触れていたからこそアルコールに慣れているルークだったが、自身も似たような経験があるから大丈夫とイオンが言いながら気軽に酒をマスターに注文したことに今更ながらに感心する。
「・・・お待たせしました」
「お、きたきた・・・んじゃま、明日の成功を願い・・・」
「その後の世界の発展を願い・・・」
「「乾杯」」
それでマスターから新たに酒の入ったグラスを渡されルークとイオンは示しあわせたかのよう、自然と口上を浮かべ乾杯とグラスを合わせる・・・これからの成功を互いに誓いながら・・・
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「・・・どうしたんですか、ルーク?一人でこんなところに来て」
「あぁ・・・イオンか」
・・・そんな決定の後の夜、一人酒場に来てカウンターに座っていたルークにイオンが声をかける。
「・・・ちょっと一回、酒場で酒を飲んでみたかったんだよ。多分この旅が終わったらもう、こうやって自由に動くことも出来なくなるだろうしな」
「・・・僕達の立場から来る責任、ですね」
「あぁ・・・」
それでルークは微笑を浮かべながら質問に答えつつ酒の入ったグラスを傾け、口中に流す。
「・・・今まで俺達は全てを変える為に行動してきた。それは世界の為って言っても俺達個人で起こしてきた行動だ。そこに国は関係していない・・・けどこれからは国の代表として動くために行動するってなって、それはつまり俺個人の責任ってだけじゃなく国の責任も負うって事だ。そうなりゃ当然行動に制限もついてくる。そうなる前にやりたいことをやっとこうと思ってな」
「それがこの酒場でお酒を飲むこと、ですか」
それで今後の事があるからこそ今のうちにと言ったことに、イオンも微笑む。
・・・この旅が終わればルークはファブレ公爵子息としていずれキムラスカ王に君臨することを目標とし、イオンは引き続き導師としてダアトを預言のない地へと改革することを目標としている。そしてそうするには今までのように国外にホイホイと出ていけるような事をしてはならないと上に立つ人間としての責任の事もルーク達は考えている。故にルーク達はわかっていた、この時間が僅かに残った自由な時間だと。
「こうやって飲むのに少し憧れてたんだよ。哀愁みたいなもんがあってカッコいいとか思ってな。それに・・・経験の事もあるから、一回くらいいいだろって思ったんだよ」
「あぁ・・・そういう事ですか」
それで続いたどこか間を空けた表現をして一回と言ったことに、イオンも納得する・・・姿形は未成年とは言え音譜帯にいた年月から計算すればルークとイオンの二人は意識を持って暮らしていた期間は成年に余裕で達しているのだ。精神年齢に関しては十分と言えよう。ただそれでも普段の肉体の事もあって遠慮していた上で一回くらいはと言ったルークは、相当にこうやって飲んでみたかったようだった・・・こういう所はまだ幼かった部分と言えよう。
「フフ・・・なら僕も付き合ってもいいですか?」
そんな姿にイオンはルークの隣に座る、自分も飲むと言い。
「ん・・・いいけど、大丈夫か?俺は少しは家で飲まされてたから慣れてるけど、お前は飲めるのか?」
「僕も似たような物ですよ。たまに場の空気でお酒を飲む時がありましたから。それに体の調子も良くなりましたし、明日に響かない程度に飲みますよ・・・あ、僕にも同じのお願いします」
「そうなのか・・・」
・・・貴族の立場上儀式的な事に併せて、食事の際に酒を普通に勧められる事がある。そう言った場合特別な理由がなければ断ることは許されないものだ。そう言った貴族の習慣に触れていたからこそアルコールに慣れているルークだったが、自身も似たような経験があるから大丈夫とイオンが言いながら気軽に酒をマスターに注文したことに今更ながらに感心する。
「・・・お待たせしました」
「お、きたきた・・・んじゃま、明日の成功を願い・・・」
「その後の世界の発展を願い・・・」
「「乾杯」」
それでマスターから新たに酒の入ったグラスを渡されルークとイオンは示しあわせたかのよう、自然と口上を浮かべ乾杯とグラスを合わせる・・・これからの成功を互いに誓いながら・・・
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