必然は偶然、偶然は必然 第十八話
「さて、そんなところで改めて問題です・・・今からどうやればお前はつつがなくキムラスカに戻った上で、マルクトやダアト相手に何の問題もなく接することが出来るでしょうか?」
「・・・っ!」
そんな姿に分かりやすくおちょくるような口調と中身でクイズを出すルークに、アッシュは悔しそうにしながらも結局何も言えずに歯を噛み締める。
「・・・あ~あ。わかっちゃいたけど、その程度でよくもまぁ偉そうに言えたもんだな。もうちょいまともな返しをしてたら俺もお前にファブレに『ルーク』の名前を返して身を引こう、そう思ったんだけどな」
「んだ、と・・・!?」
しかしここで空気が変わって本気で残念と言う空気を出すルークに、アッシュの目が動揺に揺れた。そんなアッシュにルークは距離を詰め、真っ直ぐな目を向け両肩にその手を置く。
「一応は俺だって申し訳ないって気持ちあったんだぜ?お前の居場所を結果的に奪って居座っちまったことにはな。けどお前がやったことはみんな、自分からその居場所を放棄するって宣言したも同様の行動だ・・・なぁ、そんな行動された俺の気持ち・・・分かるわけないよな、お前に。だってお前さ・・・」
「嫌ってる俺どころかさ、キムラスカの民に陛下に父上達・・・更に言えばナタリアの気持ちだとかそういった物を全く考えた事ないんだからな」
「!?俺が父上達やナタリアの気持ちを考えて、いなかっただと・・・!?」
・・・それで申し訳ないといった形で話をしながらルークが放った言葉はアッシュに最大限に衝撃を与えた、ナタリアを初め誰の気持ちも分かっていないとの言葉に。
「だってそうだろ?お前確か前に言ったよな、どこにも属してないってイオンに。それって裏返せば誰の為でもないわけだろ、お前の行動って。それでこれもまた前の話になるけど俺からナタリアの結婚の話が出た時、自分がナタリアの相手になるって意見翻した訳じゃん・・・それって言ってしまったらナタリアの都合も気持ちも関係無く、ただ自分にとって都合の悪いことから目を背けた上でただ自分の欲望に忠実に動いただけだろ。これのどこにナタリアの気持ちを考えてなんて大義名分があんだ?答えてみろよ、オイ」
「・・・っ・・・!」
それでその姿に徐々に調子を元に戻し終いには明らかに今の素を持って攻めるルークに、アッシュはその中身を噛み締めていくのが分かる形でみるみると表情から血が引いていく。
・・・今ルークが言ったことは何も今に限ったことではなかった。
かつての未来においてアッシュとナタリアは夫婦として良くも悪くも足並みは揃っていたが、その実として言うなら約束の事に加えて性格的なフィーリングが合ったことがあってであって、互いに本当にわかりあっての事ではなかった。では何故うまくいったのか、そのウェイトを多く占めているのは実は互いに周りを見ていなかったからだ。
そもそもからして国が未曾有の危機に陥っているのにそれを全く理解せず自分達の考えた政策を推し進めてきたのは、二人がともに民の真に求めている物の声に耳を傾けなかった結果だ。これがどちらかが周りを気にするくらいの気遣いがあったなら自分の我を抑えて動こうとするだろうが、まず間違いなくもう片方と衝突して争う結果は目に見えている・・・それくらいに二人は我が強いのと同時に、周りを見る落ち着きに目はないのだ。そしてそんな性質を持つ二人が特に争いもせずにいられたのは、約束の事に表層的に性格が合ったとは言え二人が自分達の性質に気付かなかった事が大きかったと言える。
・・・だからこそルークはナタリアは何をおいてもアッシュに協力するような者ではないと嘘をついた上で常識的な視点で指摘したのだ、その思考回路は至ってまともな物だからそうしたらナタリアは悲しむと言うことで・・・実際は常識を遥か彼方にすっ飛ばして独自の理論を展開しアッシュの味方をするのは目に見えているが、そんなことを一々ルークは言う意味はない。
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「・・・っ!」
そんな姿に分かりやすくおちょくるような口調と中身でクイズを出すルークに、アッシュは悔しそうにしながらも結局何も言えずに歯を噛み締める。
「・・・あ~あ。わかっちゃいたけど、その程度でよくもまぁ偉そうに言えたもんだな。もうちょいまともな返しをしてたら俺もお前にファブレに『ルーク』の名前を返して身を引こう、そう思ったんだけどな」
「んだ、と・・・!?」
しかしここで空気が変わって本気で残念と言う空気を出すルークに、アッシュの目が動揺に揺れた。そんなアッシュにルークは距離を詰め、真っ直ぐな目を向け両肩にその手を置く。
「一応は俺だって申し訳ないって気持ちあったんだぜ?お前の居場所を結果的に奪って居座っちまったことにはな。けどお前がやったことはみんな、自分からその居場所を放棄するって宣言したも同様の行動だ・・・なぁ、そんな行動された俺の気持ち・・・分かるわけないよな、お前に。だってお前さ・・・」
「嫌ってる俺どころかさ、キムラスカの民に陛下に父上達・・・更に言えばナタリアの気持ちだとかそういった物を全く考えた事ないんだからな」
「!?俺が父上達やナタリアの気持ちを考えて、いなかっただと・・・!?」
・・・それで申し訳ないといった形で話をしながらルークが放った言葉はアッシュに最大限に衝撃を与えた、ナタリアを初め誰の気持ちも分かっていないとの言葉に。
「だってそうだろ?お前確か前に言ったよな、どこにも属してないってイオンに。それって裏返せば誰の為でもないわけだろ、お前の行動って。それでこれもまた前の話になるけど俺からナタリアの結婚の話が出た時、自分がナタリアの相手になるって意見翻した訳じゃん・・・それって言ってしまったらナタリアの都合も気持ちも関係無く、ただ自分にとって都合の悪いことから目を背けた上でただ自分の欲望に忠実に動いただけだろ。これのどこにナタリアの気持ちを考えてなんて大義名分があんだ?答えてみろよ、オイ」
「・・・っ・・・!」
それでその姿に徐々に調子を元に戻し終いには明らかに今の素を持って攻めるルークに、アッシュはその中身を噛み締めていくのが分かる形でみるみると表情から血が引いていく。
・・・今ルークが言ったことは何も今に限ったことではなかった。
かつての未来においてアッシュとナタリアは夫婦として良くも悪くも足並みは揃っていたが、その実として言うなら約束の事に加えて性格的なフィーリングが合ったことがあってであって、互いに本当にわかりあっての事ではなかった。では何故うまくいったのか、そのウェイトを多く占めているのは実は互いに周りを見ていなかったからだ。
そもそもからして国が未曾有の危機に陥っているのにそれを全く理解せず自分達の考えた政策を推し進めてきたのは、二人がともに民の真に求めている物の声に耳を傾けなかった結果だ。これがどちらかが周りを気にするくらいの気遣いがあったなら自分の我を抑えて動こうとするだろうが、まず間違いなくもう片方と衝突して争う結果は目に見えている・・・それくらいに二人は我が強いのと同時に、周りを見る落ち着きに目はないのだ。そしてそんな性質を持つ二人が特に争いもせずにいられたのは、約束の事に表層的に性格が合ったとは言え二人が自分達の性質に気付かなかった事が大きかったと言える。
・・・だからこそルークはナタリアは何をおいてもアッシュに協力するような者ではないと嘘をついた上で常識的な視点で指摘したのだ、その思考回路は至ってまともな物だからそうしたらナタリアは悲しむと言うことで・・・実際は常識を遥か彼方にすっ飛ばして独自の理論を展開しアッシュの味方をするのは目に見えているが、そんなことを一々ルークは言う意味はない。
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