必然は偶然、偶然は必然 第十八話
「な、何故・・・!?」
「・・・どちらも貴方の処分に賛成すると決められたからです。とはいえ反応は両者で違っていてピオニー陛下は落胆する形、カーティス家からは怒りを買う形でです」
「・・・っ・・・!」
たまらず何故と信じられない声を上げるジェイドにフリングスは重ねていた書状を横並べにして前に出してその中身を端的に告げ、それが嘘でないと改めて突き付ける。
「ピオニー陛下よりの書状によればルーク殿に導師よりの信頼を損なったことに加えて、セントビナーのマクガヴァン親子が貴方を信頼出来ないと言ったことが決め手になったようです。それで協議の結果、貴方の軍における地位を剥奪に至ったとここに書いてあります」
「っ・・・!」
それでまずはピオニーよりの処置をそうなるに至った経緯を含めてフリングスが告げると、ジェイドはまた信じられないと言った様相をより強める・・・察するにピオニーがそんな苛烈な処置を取るとは思っていなかったのだろう。
「・・・おそらく貴方は素直にはこの処置は信じられない、そうなるだろうからと陛下からこの書状とは別に手紙をいただいています。私が手紙を見せますので・・・ご覧ください」
「・・・っ・・・!」
そんな姿をまるで予期したかのようフリングスが手にしていた書状を一回戻して懐から別の手紙を取り出す、ピオニーの私的な手紙と言いながら。それで手紙を広げて目の前に差し出されジェイドは否応なしにその手紙の中身に目を向けるが、次第にその瞳が大きく開かれ揺れだした。
「・・・初めてでしょう、陛下からの心底からの謝罪の言葉は」
「っ・・・謝罪の、言葉・・・?」
その様子を見てフリングスが謝罪の言葉と出したことに、意味が分からないとアッシュが声を漏らす。落胆と謝罪、二つの書状から大分かけ離れた中身に。
「グランコクマにいなかった私には陛下がどのような表情をしていたのかはわかりません。ですがいかに陛下が貴方を信頼されていたのか、私は理解しています・・・先程の書状には臣下の手前もあり厳しい言葉に処断を送らなければならなかった、そうせざるを得なかった。ですがその心中には貴方をそうせざるを得ない程の後悔があった、幼なじみを救えないという後悔が・・・」
「・・・ピオニー・・・貴方は・・・っ!」
そんなアッシュに直接答えはしないものの手紙の中身がいかにピオニーの無念さを語っているのかと深く苦い声色で喋るフリングスに、ジェイドの顔に声がハッキリと動揺で揺れた。
「・・・本来でしたらこのようなことにならないはずだったのです、何もしなければこのようなことは・・・!」
だがその姿を見て滅多になく静かな怒りをともしたフリングスが手紙を下ろし、ジェイドを真っ直ぐ見据える。
「貴方は陛下の命を受け導師と共にキムラスカに向かった、それは紛れもない陛下よりの信頼を受けてです。そして貴方はそれを裏切りました、自分からです・・・なのに何故その事を信じられないと言ったように言えるのですか・・・!?」
「・・・それ、は・・・っ!」
そしてフリングスの忠誠心による心からの批難の声はさしものジェイドもピオニーの偽らざる心中を知ったため、反論出来ずに口をつぐんだ。
(流石に堪えた、というよりはもう理屈で逃げることが出来ないと思い至ったようですね)
・・・そんな光景を見ながら裏でこの状態を望んで動いていたイオンはそっとほくそ笑んでいた。
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「・・・どちらも貴方の処分に賛成すると決められたからです。とはいえ反応は両者で違っていてピオニー陛下は落胆する形、カーティス家からは怒りを買う形でです」
「・・・っ・・・!」
たまらず何故と信じられない声を上げるジェイドにフリングスは重ねていた書状を横並べにして前に出してその中身を端的に告げ、それが嘘でないと改めて突き付ける。
「ピオニー陛下よりの書状によればルーク殿に導師よりの信頼を損なったことに加えて、セントビナーのマクガヴァン親子が貴方を信頼出来ないと言ったことが決め手になったようです。それで協議の結果、貴方の軍における地位を剥奪に至ったとここに書いてあります」
「っ・・・!」
それでまずはピオニーよりの処置をそうなるに至った経緯を含めてフリングスが告げると、ジェイドはまた信じられないと言った様相をより強める・・・察するにピオニーがそんな苛烈な処置を取るとは思っていなかったのだろう。
「・・・おそらく貴方は素直にはこの処置は信じられない、そうなるだろうからと陛下からこの書状とは別に手紙をいただいています。私が手紙を見せますので・・・ご覧ください」
「・・・っ・・・!」
そんな姿をまるで予期したかのようフリングスが手にしていた書状を一回戻して懐から別の手紙を取り出す、ピオニーの私的な手紙と言いながら。それで手紙を広げて目の前に差し出されジェイドは否応なしにその手紙の中身に目を向けるが、次第にその瞳が大きく開かれ揺れだした。
「・・・初めてでしょう、陛下からの心底からの謝罪の言葉は」
「っ・・・謝罪の、言葉・・・?」
その様子を見てフリングスが謝罪の言葉と出したことに、意味が分からないとアッシュが声を漏らす。落胆と謝罪、二つの書状から大分かけ離れた中身に。
「グランコクマにいなかった私には陛下がどのような表情をしていたのかはわかりません。ですがいかに陛下が貴方を信頼されていたのか、私は理解しています・・・先程の書状には臣下の手前もあり厳しい言葉に処断を送らなければならなかった、そうせざるを得なかった。ですがその心中には貴方をそうせざるを得ない程の後悔があった、幼なじみを救えないという後悔が・・・」
「・・・ピオニー・・・貴方は・・・っ!」
そんなアッシュに直接答えはしないものの手紙の中身がいかにピオニーの無念さを語っているのかと深く苦い声色で喋るフリングスに、ジェイドの顔に声がハッキリと動揺で揺れた。
「・・・本来でしたらこのようなことにならないはずだったのです、何もしなければこのようなことは・・・!」
だがその姿を見て滅多になく静かな怒りをともしたフリングスが手紙を下ろし、ジェイドを真っ直ぐ見据える。
「貴方は陛下の命を受け導師と共にキムラスカに向かった、それは紛れもない陛下よりの信頼を受けてです。そして貴方はそれを裏切りました、自分からです・・・なのに何故その事を信じられないと言ったように言えるのですか・・・!?」
「・・・それ、は・・・っ!」
そしてフリングスの忠誠心による心からの批難の声はさしものジェイドもピオニーの偽らざる心中を知ったため、反論出来ずに口をつぐんだ。
(流石に堪えた、というよりはもう理屈で逃げることが出来ないと思い至ったようですね)
・・・そんな光景を見ながら裏でこの状態を望んで動いていたイオンはそっとほくそ笑んでいた。
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