必然は偶然、偶然は必然 第十七話

「・・・話はついたようだな」
『クラトス・・・』
この場で話すべき事は話終わった、そう判断したようで黙っていたクラトスが二人に話しかける。
「ルークに報告を終えたようだが、向こうは何と言っていた?」
『あぁ・・・向こうはケセドニアに今から向かってマルクト側の宿に泊まって待つそうだ。さしあたって目立った変化もなかったようだから、向こうは順調に事を進めていると俺は判断した』
「成程」
続いて発せられたのはルーク達の事でイクティノスは自身の聞いたことに感じたことを率直に話し、クラトスは納得して頷く。
「・・・ならば次は彼らに引導を渡すことになるのだね」
「あぁ、そうなる・・・無為に奴らも牢の中で連れ回される事にもう辛抱ならん頃だろう。いい加減解放してやっていい頃だ・・・許されるような立場にいないという事を分からせた上でな」
ウッドロウはそう聞いて緊迫した表情を浮かべ、クラトスは目を閉じ‘奴ら’にとって物騒にしか聞こえない事を静かに呟く。



・・・ここで‘奴ら’と言われているのはティアにアニスと一緒にタルタロスに乗せられたにも関わらず、今まで何もされなかったガイ達の事である。では何故今までガイ達にティア達のような処置を施さなかったのか?・・・それは機会が来たからである。

今のガイ達は自身らが何のためにこうやってタルタロスの中に閉じ込められ、どこを行き来しているのか全く検討がついていない事だろう。そしてそんな状態であれば当然精神的にまいり、苛立つのは避けられなくなるだろう。特に怒りの沸点が異常に低いアッシュなどは。

そんな三人がそろそろ何かしらのアクションを起こす可能性があるためフリングスは見張りを兼ねてここに来ずタルタロスに残ったのだが、その三人を弾圧する機会の為にわざわざここまで連れてきたのだ。そしてその舞台は次のケセドニアになる・・・















着々と進められる改革の歩み



再び合流せんと同志が集まりし時、更なる一歩が踏み出される



かつての未来の堕ちた英雄達を一掃する、輝かしい一歩が






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