必然は偶然、偶然は必然 第十七話
「いいではありませんか、自信がなくとも。僕自身恋愛沙汰に関わったことはありませんが、成功が確約された恋愛など聞いたことはありません。全部負けなしだとかいう事を言う人がいるとしたなら、それは僕は本当の意味での恋愛とは言えないと思います」
「う・・・確かに成功が確約された恋愛など聞いたことはありませんが、だからと言ってそれとこれとは・・・」
「ではウッドロウさんを諦めますか?」
「それは・・・っ!」
そんなリグレットに初心者に諭すように恋愛について語るイオンだが、なんとか反論をしようとする。その姿に意地悪い言い方を敢えてするイオンに、リグレットは苦しそうに顔を歪める。
「・・・すみません、変な言い方をしまして。ですが貴女がどれだけウッドロウさんの事を今想っているかを知りたくてこのような言い方をしました」
「導師・・・」
「ですが貴女に無理強いをしたいとは思いません・・・改めて聞きますが、もしよろしければウッドロウさんを落としてはいただけませんでしょうか?」
『強制する気はない、どうしたいか本音を聞かせてくれ』
「・・・」
その顔に申し訳ないと表情を歪めるイオンにリグレットはなんとも言えない表情になるが、今度は答えて欲しいとイクティノスも加わったことで神妙な表情で考え込む。
「・・・分かりました。私でよろしければ、ウッドロウの相手になりたいと思います」
「・・・本当にいいんですね?」
・・・そして出た結論は覚悟を決めた表情で前を向いての了承。そのリグレットに再度確認をイオンは取る。
「はい。あの男に私の人生を賭けてもいいと、そう思ったからこそこちらについたのです。それに導師の言ったよう、ウッドロウと一緒になることを考えた時・・・満更ではなかったんです、私も」
「っ・・・一人の女性の顔になっていますね、リグレット・・・」
・・・男を想い微笑むその姿は何のてらいもない、一人の女の姿だった。ウッドロウを想いふわりと出てきたその今までにないリグレットのレアな表情にイオンも一瞬ドキリとした様子だったが、気を取り直し微笑ましげに表情を緩ませる。
「ではウッドロウさんは貴女にお任せします。でも僕達が言ったことだとウッドロウさんには言わないでくださいね?」
「分かっています、私自身が望んだ事でもありますからそのようなことは言いませんよ」
それで後を任せつつ自分達の事は言わないでほしいと念を押すイオンに、リグレットは軍人然とした口調からトゲを無くしながらも分かっていると返した。女性として生きる、そういった決意も滲ませながら・・・
・・・それからリグレットは基本はウッドロウの近くに位置付けるように活動し、一歩踏み込んだ姿勢を見せていった。そしてそんな姿勢は周りにいたクラトス、その相手のウッドロウも当然気付いていた・・・言ってはなんだが恋愛に不馴れなリグレットの態度は分かりやすかった、それこそすぐに分かるくらいに。
「リグレットが不器用なのは見て分かるだろう。そして同時にどれだけ本気なのかを・・・その気持ちをお前がわからないわけがない・・・応えてやる気はないのか?リグレットに」
「・・・応える、か」
・・・そんな一生懸命な光景を見たからこそクラトスは擁護せざるを得なかったのだろう、リグレットを。その上で更に言うならクラトスはイクティノスとイオンからリグレットとのやり取りがあった事を聞いてはいない。
真剣な瞳を向けるのをけして止めないクラトスに、ウッドロウは観念したよう力ない笑みを浮かべる。
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「う・・・確かに成功が確約された恋愛など聞いたことはありませんが、だからと言ってそれとこれとは・・・」
「ではウッドロウさんを諦めますか?」
「それは・・・っ!」
そんなリグレットに初心者に諭すように恋愛について語るイオンだが、なんとか反論をしようとする。その姿に意地悪い言い方を敢えてするイオンに、リグレットは苦しそうに顔を歪める。
「・・・すみません、変な言い方をしまして。ですが貴女がどれだけウッドロウさんの事を今想っているかを知りたくてこのような言い方をしました」
「導師・・・」
「ですが貴女に無理強いをしたいとは思いません・・・改めて聞きますが、もしよろしければウッドロウさんを落としてはいただけませんでしょうか?」
『強制する気はない、どうしたいか本音を聞かせてくれ』
「・・・」
その顔に申し訳ないと表情を歪めるイオンにリグレットはなんとも言えない表情になるが、今度は答えて欲しいとイクティノスも加わったことで神妙な表情で考え込む。
「・・・分かりました。私でよろしければ、ウッドロウの相手になりたいと思います」
「・・・本当にいいんですね?」
・・・そして出た結論は覚悟を決めた表情で前を向いての了承。そのリグレットに再度確認をイオンは取る。
「はい。あの男に私の人生を賭けてもいいと、そう思ったからこそこちらについたのです。それに導師の言ったよう、ウッドロウと一緒になることを考えた時・・・満更ではなかったんです、私も」
「っ・・・一人の女性の顔になっていますね、リグレット・・・」
・・・男を想い微笑むその姿は何のてらいもない、一人の女の姿だった。ウッドロウを想いふわりと出てきたその今までにないリグレットのレアな表情にイオンも一瞬ドキリとした様子だったが、気を取り直し微笑ましげに表情を緩ませる。
「ではウッドロウさんは貴女にお任せします。でも僕達が言ったことだとウッドロウさんには言わないでくださいね?」
「分かっています、私自身が望んだ事でもありますからそのようなことは言いませんよ」
それで後を任せつつ自分達の事は言わないでほしいと念を押すイオンに、リグレットは軍人然とした口調からトゲを無くしながらも分かっていると返した。女性として生きる、そういった決意も滲ませながら・・・
・・・それからリグレットは基本はウッドロウの近くに位置付けるように活動し、一歩踏み込んだ姿勢を見せていった。そしてそんな姿勢は周りにいたクラトス、その相手のウッドロウも当然気付いていた・・・言ってはなんだが恋愛に不馴れなリグレットの態度は分かりやすかった、それこそすぐに分かるくらいに。
「リグレットが不器用なのは見て分かるだろう。そして同時にどれだけ本気なのかを・・・その気持ちをお前がわからないわけがない・・・応えてやる気はないのか?リグレットに」
「・・・応える、か」
・・・そんな一生懸命な光景を見たからこそクラトスは擁護せざるを得なかったのだろう、リグレットを。その上で更に言うならクラトスはイクティノスとイオンからリグレットとのやり取りがあった事を聞いてはいない。
真剣な瞳を向けるのをけして止めないクラトスに、ウッドロウは観念したよう力ない笑みを浮かべる。
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