「お前はリグレットの事をどう思っている？」
「リグレット？大切な仲間だよ、それがどうしたのかな？」
そこからクラトスから口にされた話題はリグレットの事だが、ウッドロウは平然とした様子で返す。
「・・・お前ならわかっているはずだ、リグレットの行動が以前と違いどこか密接したものへ変わっていると。それに気付いていないとは言わせんぞ」
「・・・参ったね」
だが言い逃れは許さんと言わんばかりのその鋭く変わった視線の追及に、ウッドロウは困ったように微笑む。



・・・そう、リグレットがある種の情を抱いてウッドロウに近付いているように見える行動を取っているというのはクラトスの目から見て明らかだった。

そしてリグレットがそうするに至った理由とはこうやってルーク達と二手に分かれた後、イオンにイクティノスの二人に話を内密で受けた事にまで遡る・・・


















『・・・という訳だ』
「・・・ウッドロウに女を、か・・・」
・・・時は戻ってタルタロスの一室。ウッドロウの身の上の危うさとそれを踏まえて結婚をさせたいというイクティノスの説明が終わり、リグレットは少し複雑そうに眉を寄せる。
「このような事を貴女に頼むのは筋違いかと思われます。ですが僕達にはウッドロウさんに見あった妙齢の女性にそこまでの心当たりがないんです」
「だから私に、という訳ですか・・・」
「えぇ。女性である貴女ならそう言った繋がりがあると思ったのですが・・・もし貴女にその気があるのでしたら、貴女にウッドロウさんとくっついていただいても僕は一向に構いませんが・・・いかがでしょうか？」
「なっ・・・！？」
そこに今度はイオンに低姿勢で伺うように女性を紹介して欲しいと言われて更に眉が寄るが、貴女はどうかと言われリグレットは一瞬で頬を赤らめ絶句した。
「な、何故私がウッドロウと・・・！？」
「パッと見てお似合いに見えますし、ウッドロウさんを嫌うどころか好意的に見ているように見えたからもし嫌でないならと思って聞いたのですが・・・どうですか？」
「そ、それは・・・」
たまらずリグレットは理由を聞きにかかるがその声は動揺で揺れていて、そんな姿にイオンは正直に見たままの事を告げ再度問いを投げ掛ける。その問いにリグレットは動揺を隠せずにいたが、気持ちを落ち着けるよう視線を反らして考え込む。
「・・・・・・私の気持ちで言えば、ウッドロウの事は嫌いではありません。ですが正直な所私はそう言った事には疎く、あまり自信はないのですが・・・」
「自信がない？・・・フフッ、いいではないですかリグレット」
「えっ？」
「だってウッドロウさんの相手をすることに既に乗り気ではありませんか、貴女。自信がないと言いつつ引くとは言わないということは、貴女も満更ではないと示しているんですよ」
「・・・っ・・・！？」
少しの間を空け自身の率直な気持ちを不安気味に打ち明けるリグレット。だがその姿に柔らかく笑みを見せるイオンに何をとリグレットは軽く目を開くが、自覚ない好意を指摘され次第にその意味に気付き再度顔を赤くし両手で口を覆い隠した・・・経験がないということがこれ程人を変えるとは、リグレット自身思ってもいなかったようだ。








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