必然は偶然、偶然は必然 第三話

「・・・まぁ考えてても仕方ねー。とりあえず村の中に戻るぞ、ローレライは俺らが会う地に送るて言ってたから人のいるとこにいねーと見つからないだろ」
「そうですね、そうしましょうか。それに一応食糧盗難はチーグルがやったことだと、ローズさん達に言わないといけませんからね」
ルークの戻ろうと言う申し出にイオンはチーグルの体毛を手に取り出しながら了承し、二人は村の中へと戻っていく。






「ん・・・あれは、クラトス?」
「クラトス?あの人がローレライの言っていた人ですか?」
そして二人がローズおばさんの家の前に行くと、二人の目に腕組みをして悠然と佇むクラトスの姿がそこにあった。
「・・・む、私に何かの依頼か?」
その視線に気付いたクラトスははっとしたよう腕組みを解き、二人に近付いて他人行儀に依頼かと話しかける。
「依頼?」
「ああ、見たところ旅に慣れているようには見えんから何か困っているように見えたのだが・・・話を聞くだけなら金は取らん、私とゆっくりと話す気はないか?私・・・いや、私達を雇うかどうかをな」
「っ・・・あぁ、そういうことか・・・」
そんな声に首を傾げたルークだったが、クラトスは意味深に目を村の外へと動かしその動きを二人に見せると、ルークはその動きに納得したよう頷く。
「んじゃ俺はちょっと話をこの人とするから、じゃあな」
「・・・えぇ、また機会があれば会いましょう・・・では」
そこからルークはイオンに話を振り束の間の別れを言い渡すと、イオンは不自然でない笑顔で頷きローズおばさんの家に入っていく。
「さて・・・では落ち着ける所に行くか」
「ああ」
イオンの姿を見届けると互いに話をしようと息を合わせ、その場を後にする・・・









・・・そしてクラトス主導の元、二人はエンゲーブの外に向かう。程なく離れた平野部、そこに行くと・・・
「あれは・・・ウッドロウ達か」
「そうだ」
ウッドロウ達の姿を目撃し、ルークの声にクラトスは肯定を返す。
「・・・初めましてだね、ルーク君。私がウッドロウ・ケルヴィン、君と導師イオンの協力者だ。よろしく」
「よろしくお願い申し上げます、ウッドロウ陛下」
ルークが来た事に気付いたウッドロウは穏やかな笑みを浮かべながら丁寧な挨拶を交わしながら手を差し出し、ルークは握手をもって丁寧な言葉を伴わせて返答する。
「今の私はあくまでも君への一協力者だ、畏まった敬称は構わないよ。ただ私も君の事をルーク君と呼ぶが、それでいいかな?」
「あぁ、それでいいよ」
「そして私の相棒のイクティノスだが・・・」
『俺の声は聞こえるかな?聞こえたなら大丈夫と言ってほしいのだが』
「あぁ、大丈夫だよ。イクティノス」
ウッドロウは敬語を使わないでいいと言いつつもイクティノスを鞘から抜きながら紹介し、イクティノスの声にルークは名指しで聞こえると答える。
「ハァイ、私もいるわよ♪じゃあ早速だけどぉ~、あんたのデータを採取していい?」
「やめろ、ハロルド・・・ハロルドが失礼しました。上官としてこのディムロス、慎んでお詫び申し上げます」
「あ、あぁ・・・いや頭は下げなくていいよ。元々俺達のせいで二人にクラトスとセネルは巻き込んだような物だし・・・だから敬語もやめてくれよ」
続いたハロルドの自己紹介からの爛々とした目付きとワキワキと動かす手付きにルークは盛大に引きつつ、ディムロスの真摯な声にそんなに気を遣わなくていいと返す。
「名前は知っていると言う事だから私達の自己紹介は必要はなさそうだが、一応名乗らせてもらおう。私はクラトス、クラトス・アウリオンだ」
「俺はセネル、セネル・クーリッジだ。よろしく、ルーク」
「ああ、よろしく」
そして残ったクラトスとセネルも自己紹介をすると、ルークは気を取り直した笑みでよろしくと言う。
「・・・そう言えば思ったんだけど、なんでクラトスを残して他の皆は村の外で待ってたんだ?」
そして一通り面通しが終わった所で、クラトスを伝言役にして村の外でウッドロウ達が待っていたのかをルークは問う。







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