必然は偶然、偶然は必然 第十七話

「さぁ・・・色々聞いたところで、どうするか決めましたか?」
「っ・・・そう聞かされたのでは従う以外に助かる選択肢などないでしょう・・・いいです、貴殿方に従って差し上げましょう」
「そうですか、ありがとうございます」
それで今度はイオンが最後通告かのようどうするかを問えば、ディストは観念したよう従うと言いイオンは頭を下げる。
「ですが大爆発を研究と言っても、何をどう研究しろと言うのですか?言ってはなんですが、大爆発は完全同位体がいなければまず研究として成り立ちませんしその完全同位体もほぼいません。ですので研究と言われてもそんなに大きく研究は出来ないのですが・・・」
「何、やっていただきたいのは簡単な事です。とは言っても貴方には他にやっていただくこともありますし、後でそれらについては教えて差し上げます。ただ僕達に付いてきてもらう際貴方の逃走防止の為にあの譜業椅子はしばらく没収させていただきますので、それは了承してもらいます」
「・・・まぁ仕方ないですね。ですが協力するなら私の身は安全であることは保証してください。正直、今の貴方は色々と底知れなくて怖いので・・・」
「わかっていますよ、それくらい」
それで大爆発の研究についてどうすればいいのかと大掛かりに研究出来ないとディストが告げれば、簡単な事と言いつつ譜業椅子の没収の事を告げる。それをやむを得ないと言うディストだったが我慢しきれなかったようで不安そうに安全の保証を求めてきて、余程のことをしない限りイオンはそんな荒事に踏み切る気はないので笑顔で大丈夫と返す。
「・・・とりあえずこれで話は決まりました。後は次の目的地に向け早く出発、と言いたい所ですがディストの事を連れていくとトリトハイム達に伝えておかねばなりませんからね。すみませんがセネルさん、リグレット。僕に付いてきてください」
「はっ」
「了解しました」
「ウッドロウさんにクラトスさんはしばらくここで待っていてください・・・少し時間がかかると思いますので、何かお話したいことがある人がいればゆっくりお話してください」
「・・・えぇ、そうさせていただこう」
話もついた所で以降の流れを話すイオン。ゆっくりと入口側に歩きながらセネルとリグレットが了承を返した後イオンは意味深な間を持って休息を勧め、勧められたウッドロウは深い笑みを持って頷く。
「では、ごゆっくり・・・」
それでウッドロウ達の近くに来た所でイオンは軽く頭を下げ、セネルとリグレットとディストはその後に付いていって部屋を後にする。
「・・・さて、ディストが捕らえられた訳だがその事をルーク君達に伝えようか。イクティノス」
『あぁ、俺から話はつけておこう。報告程度の会話になるだろうからお前達は俺を少し離した所に適当に雑談していてくれ、報告と情報交換が終われば声をかける』
「わかった」
それで姿が見えなくなった所でイオンの思惑通り早速イクティノスに声をかければ、心得ていたとばかりに少し気遣いを見せて離してくれと言う。その言葉に従いウッドロウはイクティノスをイオンの座っていた側の机に持っていき、丁寧にその身を置く。
「・・・さて、雑談をしていればいいとは言われた物のどう話をすればいいかな」
「ならば私から話をしよう」
そしてクラトスの元に戻ったウッドロウだが、どこか気恥ずかしそうにするその姿にクラトスが口を開く。







15/21ページ
スキ