必然は偶然、偶然は必然 第三話
「ふぅ~、久しぶりだな~ここも・・・」
ティアを巻き一人村の中を散策するルークは、辺りの様子に少し懐かしそうに表情を綻ばせる。だがその表情も周りに気を使う程度に抑えられているが、寂しそうに変わる。
「でもここもあいつらに任せてたら、あんな風に乱れてしまうんだよな・・・」
そして小さい声でルークは複雑そうに呟く。
・・・難民が押し掛ける国に降りかかる問題は、食糧や住居に雇用問題が筆頭に上がる。
難民の食糧を用意するだけならさして難しい事ではない、マルクトは世界の食糧の大体を賄っているのだから。だがそれは難民という金を払えるかどうか難しい人間達に支払わせるには無理があるため、基本は無料提供となる可能性が高い。それは国としては酷い痛手にしかなり得ない。
その上難民が押し寄せるならその住み処を用意しなければならず、その難民達に職を用意しなければマルクトもキムラスカにダアトと同じく上層部を疑われかねない。それどころかマルクトもダメだったら、二国でダメだった難民が下手をしたら暴徒化して領国内の町村を襲いかねない。
・・・事実、そんな難民への丁寧に感情を暴発させないような対応に追われていたマルクトの姿をルークは見ていた。その中には勿論エンゲーブの様子もあったのだが、大多数の難民を抱えて四苦八苦する元々の村民達の苦労はルーク達の心に痛々しい物を残した。
「こうやって普通に生活出来るって大事な物なんだ。あいつらには任せてられない・・・」
それも至らない政治を行ってきたティア達が元である、そう思うとルークは改めて目の前にある光景を壊させたくないと静かに立ち止まり決心を呟く。
「・・・ん?あれは・・・」
そんなルークは前から歩いてきた人物の姿に、ふと笑みを見せる。
「・・・お久しぶりですね、ルーク」
「あぁ、イオン。久しぶりだな」
その人物はイオンだった。ルークの前に来たイオンはルークにつられ笑みを見せ再会の挨拶をしてきて、ルークも同じように返す。
「・・・アニスはまた前のように離れて行動してんのか?」
だがルークは瞬時にアニスが隣にいないイオンの様子を見て、その事を質問する。
「あぁ、彼女は僕じゃなくてジェイドのコバンザメしてますからその気になれば彼女を巻くくらいなんでもありません」
「そっか・・・」
その返答にイオンならやるだろうなと思いつつも、一応は付いてきたんだなと思いつつ返す。
「まぁいいや。それよりちょっとローレライから伝言あんだけど、どっか場所移して話をしねーか?ちょっと目立つとこいると、ティア達に見つかりそうだしさ」
「そうですね、そうしましょうか」
それはさておきとルークはローレライのことを口に出し、場所の移動を提案する。イオンはその申し出を素直に受け、二人は一緒に歩いてその場から移動する・・・
・・・それから少しエンゲーブの中から程なく離れた村外れの所にて、ルークはローレライの話を事細かに説明する。
「・・・つー訳なんだ」
「そうですか、事故で何人か連れてきてしまったとは・・・ですが歳を取って引退したとは言っても王を連れてくるとは、ローレライも思いきった事をしますね・・・」
ローレライからの話を伝えられイオンは別の世界とは言え王を連れてきた事に、呆れと感心を混ぜたような表情を浮かべる。
「確かに・・・でも今必要なのは、ウッドロウ達と俺達がどうやって合流するかなんだよな・・・パッと見た感じ、村の中にウッドロウ達がいた感じがしなかったけど・・・」
「う~ん、そうですねぇ・・・確かにそれらしい方達は僕も見かけませんでしたし・・・」
その声に同調しつつもルークはこれからのウッドロウ達との合流をどうするかと考え、イオンも困ったように首を傾げる。
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ティアを巻き一人村の中を散策するルークは、辺りの様子に少し懐かしそうに表情を綻ばせる。だがその表情も周りに気を使う程度に抑えられているが、寂しそうに変わる。
「でもここもあいつらに任せてたら、あんな風に乱れてしまうんだよな・・・」
そして小さい声でルークは複雑そうに呟く。
・・・難民が押し掛ける国に降りかかる問題は、食糧や住居に雇用問題が筆頭に上がる。
難民の食糧を用意するだけならさして難しい事ではない、マルクトは世界の食糧の大体を賄っているのだから。だがそれは難民という金を払えるかどうか難しい人間達に支払わせるには無理があるため、基本は無料提供となる可能性が高い。それは国としては酷い痛手にしかなり得ない。
その上難民が押し寄せるならその住み処を用意しなければならず、その難民達に職を用意しなければマルクトもキムラスカにダアトと同じく上層部を疑われかねない。それどころかマルクトもダメだったら、二国でダメだった難民が下手をしたら暴徒化して領国内の町村を襲いかねない。
・・・事実、そんな難民への丁寧に感情を暴発させないような対応に追われていたマルクトの姿をルークは見ていた。その中には勿論エンゲーブの様子もあったのだが、大多数の難民を抱えて四苦八苦する元々の村民達の苦労はルーク達の心に痛々しい物を残した。
「こうやって普通に生活出来るって大事な物なんだ。あいつらには任せてられない・・・」
それも至らない政治を行ってきたティア達が元である、そう思うとルークは改めて目の前にある光景を壊させたくないと静かに立ち止まり決心を呟く。
「・・・ん?あれは・・・」
そんなルークは前から歩いてきた人物の姿に、ふと笑みを見せる。
「・・・お久しぶりですね、ルーク」
「あぁ、イオン。久しぶりだな」
その人物はイオンだった。ルークの前に来たイオンはルークにつられ笑みを見せ再会の挨拶をしてきて、ルークも同じように返す。
「・・・アニスはまた前のように離れて行動してんのか?」
だがルークは瞬時にアニスが隣にいないイオンの様子を見て、その事を質問する。
「あぁ、彼女は僕じゃなくてジェイドのコバンザメしてますからその気になれば彼女を巻くくらいなんでもありません」
「そっか・・・」
その返答にイオンならやるだろうなと思いつつも、一応は付いてきたんだなと思いつつ返す。
「まぁいいや。それよりちょっとローレライから伝言あんだけど、どっか場所移して話をしねーか?ちょっと目立つとこいると、ティア達に見つかりそうだしさ」
「そうですね、そうしましょうか」
それはさておきとルークはローレライのことを口に出し、場所の移動を提案する。イオンはその申し出を素直に受け、二人は一緒に歩いてその場から移動する・・・
・・・それから少しエンゲーブの中から程なく離れた村外れの所にて、ルークはローレライの話を事細かに説明する。
「・・・つー訳なんだ」
「そうですか、事故で何人か連れてきてしまったとは・・・ですが歳を取って引退したとは言っても王を連れてくるとは、ローレライも思いきった事をしますね・・・」
ローレライからの話を伝えられイオンは別の世界とは言え王を連れてきた事に、呆れと感心を混ぜたような表情を浮かべる。
「確かに・・・でも今必要なのは、ウッドロウ達と俺達がどうやって合流するかなんだよな・・・パッと見た感じ、村の中にウッドロウ達がいた感じがしなかったけど・・・」
「う~ん、そうですねぇ・・・確かにそれらしい方達は僕も見かけませんでしたし・・・」
その声に同調しつつもルークはこれからのウッドロウ達との合流をどうするかと考え、イオンも困ったように首を傾げる。
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