必然は偶然、偶然は必然 第十五話
「・・・あ、でも今一つ思ったことがあるけど・・・言っていいか?」
「遠慮しなくていいですよ、セネル」
そんなほのぼのとした空間であったが、唐突に苦い表情で質問していいかと問うセネルにイオンは柔らかい笑みでいいと返す。
「・・・結婚の話題でちょっと思い出したけどさ。イオンとルークが未来から戻ってきた時にアッシュとナタリアが結婚してたってのは聞いたんだけど、他の面々はどうだったんだ・・・?」
「あぁ、そういうことですか・・・」
そこでセネルが遠慮気味に押さえて聞いてきた質問の中身に、イオンは納得する。確かに話の中身はイオンにとってあまり思い出して気持ちいい中身ではないだけに。だがティア達への想いなど今更ないイオンはセネルの質問に対し、答えようと口を開く。
「まぁ結論を言うならアッシュとナタリア以外は結婚はしていませんよ。ガイは元々の女性恐怖症の問題もありましたし、ジェイドは大人の余裕と言った様子を見せてはいましたがカーティス家に来た縁談まで断っていましたからね。ガイはともかくジェイドは気分が乗らないと言った様子でそれらを袖に振っていたのは記憶にあります・・・ティアにアニスの場合は正直この理由は言いたくないんですよね、ルークの為にも・・・」
「・・・ルークの為にも?」
そこからアッシュとナタリア以外は結婚はしておらずガイとジェイドの理由を淡々と語るイオンだったが、ティアとアニスの名にルークと出した時の顔が非常に疲れた顔になっていた事でセネルが首を傾げる。
「・・・いえ、これは僕達のせいではないと思いたいのですが・・・・・・二人は僕達に対しての操を立てて、結婚をしないと言ったんですよ・・・」
「・・・は?」
それでイオンは言いにくそうに間を空けていたが、意を決して出した言葉は想像をしていない事だっただけにセネルは呆けた声を上げた。
「・・・気持ちはわかりますよ、セネル。ですが僕にルークは聞いていたんです。かつてアッシュが戻ってきた時に彼らは集まってした話を・・・そこでティアはルークがもう戻ってこない事を知った時ルークの事をけして諦めないと言いました。その時はティアの気持ちにルークは感動していたんですが、次第に時が経つにつれ彼女にも縁談が持ち上がって来たんです。まぁ見た目はいいですし英雄と言われていましたからそれこそ引く手あまたと言った様子でね。ですが彼女はそれをどんどんと断っていったんです、ルークが帰ってくるのを待つという理由で・・・ただもう大爆発が起きてしまった以上ルークは帰れないのは分かっていましたから、最初こそはティアに遠慮はしていたんですが次第にまた周りは縁談を持ち掛けていったんです。ですが返ってくるのはルークを待つからの一点張りの答えだけ、それも諦めろという周りの声こそがおかしいとヒステリックに叫ぶ形でです・・・そんなものですから次第にダアトでの立場がまずくなっていくのに従ってからは縁談すらなくなっていたんですが、そこまで頑なにするその姿に僕にルークは思ったんですよ。ティアはルークを言い訳にして考えることを放棄してる、とね」
「・・・何て言うか、もう狂ってるんじゃないのか?それって・・・」
「えぇ、僕達もそう思いました。その時は昔の事を二人で思い返してそう言えばティアは昔からそうだった、なんて会話もしました。ですがそこでルークは凹む事実に気付いたんです。そんな女にロックオンされて言い訳に使われる対象とされていたという事実に・・・」
「・・・重かったことに加えて、全く考えを直そうとしてなかった。それで世界がティア達のせいで酷くなった姿を見せつけられたもんだから余計にルークもショックあったんだろうな・・・」
そんな姿に気持ちはわかると言いつつティアの行動をどんどんと述べるイオンにセネルは呆然と狂ってると返し、更にルークの落胆の瞬間を遠い目で語るイオンに、セネルももうそのルークの気持ちが分かるだけに遠い目をしながら同情する以外に何も出来なかった。
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「遠慮しなくていいですよ、セネル」
そんなほのぼのとした空間であったが、唐突に苦い表情で質問していいかと問うセネルにイオンは柔らかい笑みでいいと返す。
「・・・結婚の話題でちょっと思い出したけどさ。イオンとルークが未来から戻ってきた時にアッシュとナタリアが結婚してたってのは聞いたんだけど、他の面々はどうだったんだ・・・?」
「あぁ、そういうことですか・・・」
そこでセネルが遠慮気味に押さえて聞いてきた質問の中身に、イオンは納得する。確かに話の中身はイオンにとってあまり思い出して気持ちいい中身ではないだけに。だがティア達への想いなど今更ないイオンはセネルの質問に対し、答えようと口を開く。
「まぁ結論を言うならアッシュとナタリア以外は結婚はしていませんよ。ガイは元々の女性恐怖症の問題もありましたし、ジェイドは大人の余裕と言った様子を見せてはいましたがカーティス家に来た縁談まで断っていましたからね。ガイはともかくジェイドは気分が乗らないと言った様子でそれらを袖に振っていたのは記憶にあります・・・ティアにアニスの場合は正直この理由は言いたくないんですよね、ルークの為にも・・・」
「・・・ルークの為にも?」
そこからアッシュとナタリア以外は結婚はしておらずガイとジェイドの理由を淡々と語るイオンだったが、ティアとアニスの名にルークと出した時の顔が非常に疲れた顔になっていた事でセネルが首を傾げる。
「・・・いえ、これは僕達のせいではないと思いたいのですが・・・・・・二人は僕達に対しての操を立てて、結婚をしないと言ったんですよ・・・」
「・・・は?」
それでイオンは言いにくそうに間を空けていたが、意を決して出した言葉は想像をしていない事だっただけにセネルは呆けた声を上げた。
「・・・気持ちはわかりますよ、セネル。ですが僕にルークは聞いていたんです。かつてアッシュが戻ってきた時に彼らは集まってした話を・・・そこでティアはルークがもう戻ってこない事を知った時ルークの事をけして諦めないと言いました。その時はティアの気持ちにルークは感動していたんですが、次第に時が経つにつれ彼女にも縁談が持ち上がって来たんです。まぁ見た目はいいですし英雄と言われていましたからそれこそ引く手あまたと言った様子でね。ですが彼女はそれをどんどんと断っていったんです、ルークが帰ってくるのを待つという理由で・・・ただもう大爆発が起きてしまった以上ルークは帰れないのは分かっていましたから、最初こそはティアに遠慮はしていたんですが次第にまた周りは縁談を持ち掛けていったんです。ですが返ってくるのはルークを待つからの一点張りの答えだけ、それも諦めろという周りの声こそがおかしいとヒステリックに叫ぶ形でです・・・そんなものですから次第にダアトでの立場がまずくなっていくのに従ってからは縁談すらなくなっていたんですが、そこまで頑なにするその姿に僕にルークは思ったんですよ。ティアはルークを言い訳にして考えることを放棄してる、とね」
「・・・何て言うか、もう狂ってるんじゃないのか?それって・・・」
「えぇ、僕達もそう思いました。その時は昔の事を二人で思い返してそう言えばティアは昔からそうだった、なんて会話もしました。ですがそこでルークは凹む事実に気付いたんです。そんな女にロックオンされて言い訳に使われる対象とされていたという事実に・・・」
「・・・重かったことに加えて、全く考えを直そうとしてなかった。それで世界がティア達のせいで酷くなった姿を見せつけられたもんだから余計にルークもショックあったんだろうな・・・」
そんな姿に気持ちはわかると言いつつティアの行動をどんどんと述べるイオンにセネルは呆然と狂ってると返し、更にルークの落胆の瞬間を遠い目で語るイオンに、セネルももうそのルークの気持ちが分かるだけに遠い目をしながら同情する以外に何も出来なかった。
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