必然は偶然、偶然は必然 第十五話
「今を逃せばモースには手を出しづらくなりますから、そう考えればバチカルに急ぐ事は重要です。トリトハイム達に協力していただいた物も効果が薄れる可能性が高くなりますから、一層そうしなければいけません・・・とは言え今のタルタロスは全速力でバチカルに向かっているとフリングス少将はおっしゃってますからね。後数日もあれば着くでしょうからそれを待つ以外にありませんが」
「まぁそうだろう。今も十分に協力してもらっているのに、これ以上を望むのは酷だ」
その笑顔のままに自身の思惑を語るがマルクトに対して流石に申し訳なさそうに苦笑に変わるイオンに、クラトスもそれ以上を求めるべきではないと言う。
「そうですね・・・だから今は休んでおきましょう、バチカルに着くまでね。すみません、ウッドロウさんイクティノス。ルークからの報告を伝えてくれて」
「いや、構わないよ。では私は部屋に戻らせていただこう」
「・・・ちょっと待て、ウッドロウ」
「・・・なんだい?」
その声に同意しつつ休もうと言いながら礼をウッドロウにイオンが言うと、微笑んでかぶりを振りつつも退出を口にする。そこに覚悟を決めたようにリグレットが声をかければ、ウッドロウは立ち止まり首を傾げる。
「い、いやなんだ・・・折角時間もあるのでな、少し色々聞きたいことがあるんだ。出来ればゆっくりお前と話をしたいんだが・・・構わないだろうか?」
「あぁ、それは構わないよ。では行こうか」
「あ、あぁ・・・」
だが覚悟を決めた矢先に、少し照れを滲ませ口調が少し辿々しくなるリグレット。ただその事に触れず微笑んで了承を返せば、その空気のまま恥じらいつつウッドロウと共に部屋を後にしていく。
「・・・どうしたんだ、リグレット?何て言うかちょっとらしくなかった感じがしたけど・・・」
「ふふ、言わないであげてくださいセネル。彼女も普段やらないことをやっているから、どうしていいかわからないんだと思いますよ」
「・・・どういう事だ、導師?」
その二人の姿が室内から無くなった事でセネルがそのリグレットの行動を不思議がるが、イオンが微笑みながら擁護する言葉を向けた事にクラトスが訳を問う。何か知っているのかと。
「いえ、これはイクティノスから頼まれたことなんですよ。ウッドロウさんに是非とも誰かいい人を紹介出来ないかとね」
「何?・・・それでもしやリグレットがウッドロウの相手に立候補したというのか?」
「厳密に言えばリグレット自身には無理でも最悪彼女を通じて誰かいい相手をウッドロウさんに紹介していただければ御の字と言った所で、話をしに行ったんです。そうしたら彼女はこう答えたんですよ、『自分の気持ちと折り合いをつけながらどうするかを決めたい』って」
「えっ・・・ってことは、リグレットも満更じゃなかったってのか?そんな返事を返したってことは・・・」
「その事には僕も正直驚きました、彼女がそう言ったことに協力・・・いえ、興味を持ってくれると言った事にね。ただ僕が見た所で言うなら彼女自身ウッドロウさんに惹かれていたようで、女性としての表情を見せていましたから本気であることは間違いないと思います」
「・・・そうなのか・・・」
それでイオンはイクティノスに頼まれた事が発端だと言うが、それでも今はリグレットが本気でやっている事と自身の目で見たことも添えた事でセネルもクラトスも意外そうながらも納得せざるを得なかった。リグレットがウッドロウを落とそうとしていることを・・・
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「まぁそうだろう。今も十分に協力してもらっているのに、これ以上を望むのは酷だ」
その笑顔のままに自身の思惑を語るがマルクトに対して流石に申し訳なさそうに苦笑に変わるイオンに、クラトスもそれ以上を求めるべきではないと言う。
「そうですね・・・だから今は休んでおきましょう、バチカルに着くまでね。すみません、ウッドロウさんイクティノス。ルークからの報告を伝えてくれて」
「いや、構わないよ。では私は部屋に戻らせていただこう」
「・・・ちょっと待て、ウッドロウ」
「・・・なんだい?」
その声に同意しつつ休もうと言いながら礼をウッドロウにイオンが言うと、微笑んでかぶりを振りつつも退出を口にする。そこに覚悟を決めたようにリグレットが声をかければ、ウッドロウは立ち止まり首を傾げる。
「い、いやなんだ・・・折角時間もあるのでな、少し色々聞きたいことがあるんだ。出来ればゆっくりお前と話をしたいんだが・・・構わないだろうか?」
「あぁ、それは構わないよ。では行こうか」
「あ、あぁ・・・」
だが覚悟を決めた矢先に、少し照れを滲ませ口調が少し辿々しくなるリグレット。ただその事に触れず微笑んで了承を返せば、その空気のまま恥じらいつつウッドロウと共に部屋を後にしていく。
「・・・どうしたんだ、リグレット?何て言うかちょっとらしくなかった感じがしたけど・・・」
「ふふ、言わないであげてくださいセネル。彼女も普段やらないことをやっているから、どうしていいかわからないんだと思いますよ」
「・・・どういう事だ、導師?」
その二人の姿が室内から無くなった事でセネルがそのリグレットの行動を不思議がるが、イオンが微笑みながら擁護する言葉を向けた事にクラトスが訳を問う。何か知っているのかと。
「いえ、これはイクティノスから頼まれたことなんですよ。ウッドロウさんに是非とも誰かいい人を紹介出来ないかとね」
「何?・・・それでもしやリグレットがウッドロウの相手に立候補したというのか?」
「厳密に言えばリグレット自身には無理でも最悪彼女を通じて誰かいい相手をウッドロウさんに紹介していただければ御の字と言った所で、話をしに行ったんです。そうしたら彼女はこう答えたんですよ、『自分の気持ちと折り合いをつけながらどうするかを決めたい』って」
「えっ・・・ってことは、リグレットも満更じゃなかったってのか?そんな返事を返したってことは・・・」
「その事には僕も正直驚きました、彼女がそう言ったことに協力・・・いえ、興味を持ってくれると言った事にね。ただ僕が見た所で言うなら彼女自身ウッドロウさんに惹かれていたようで、女性としての表情を見せていましたから本気であることは間違いないと思います」
「・・・そうなのか・・・」
それでイオンはイクティノスに頼まれた事が発端だと言うが、それでも今はリグレットが本気でやっている事と自身の目で見たことも添えた事でセネルもクラトスも意外そうながらも納得せざるを得なかった。リグレットがウッドロウを落とそうとしていることを・・・
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