必然は偶然、偶然は必然 第十五話

『・・・ふむ』
「どうした、イクティノス?」
・・・タルタロスの一室にいたウッドロウ。そこにイクティノスから声が聞こえて来たことにどうかしたのかと問う。
『いや、ルークから連絡が入った。俺達がどうしてるのかと六神将が来たかどうを聞いてきたのだが、どうやら向こうにも六神将は来ていないらしい』
「そうか・・・どうやら向こうも順調のようだな」
『あぁ。それと待ち伏せを警戒するように言ったら、ダアトとベルケンドに行くのは避けた方がいいと言うことになった。まぁそう言った事を伝える為にイオン達の元に行った方がいいだろう』
「あぁそうだな。では行こうか」
そこからルークとのやり取りを話すイクティノスにウッドロウは笑みを見せつつも、イオン達の元に行こうと勧められてその部屋を後にする。












「・・・成程、六神将は向こうにも来ていませんか・・・」
・・・場所は変わりイオンにあてがわれた一室にて、フリングスを除き主要メンバーが揃ったこの部屋にてイオンを筆頭に納得して首を縦に振る。
「・・・リグレット、貴方の目から見てヴァンに他の六神将は僕達にルーク達の行動を捕捉出来ると思いますか?」
「・・・いえ、難しいでしょう。イクティノスの読み通り元々導師の行方の詳しい詳細はモースよりもたらされていました。その詳しい詳細はアニスからもたらされた物ですから、それが無くなったなら今までのようにはいかないのは目に見えてます」
「やはりそうですか」
そこで元六神将としての意見を求めるイオンの問いと視線に、リグレットはイクティノスの意見は正しいと認めそれに納得する。
「ただ一つ不安要素を上げるなら現状では心配は無用でしょうが、あまり時間を空けるとモースの元にヴァンは誰かを派遣しかねないかと。ヴァン達も我らの情報は欲しいでしょうし表向きはモースの味方と示しておきたいでしょうから、ディストにラルゴ辺りを差し向ける可能性は高いでしょう。とは言え今ならまだモースの元には行かないかと。向こうもまだモースの思惑通りに行かせていると見せる必要がある中で失敗したことでいらぬ不信を買いたくないでしょうし、虚仮にされた事からプライドにかけて我らを独自に捕らえたいとも思ってるでしょうからね。それで自分達ではどうにもならなくなったと思い至らなければモースの元にはヴァン達は行かないと思われます」
「・・・成程、そう言う意見が貴方から聞けたのは大きいですね・・・」
その上で自身の長い付き合いの経験からヴァン達はまだモースの元には来ないだろうと予測するその中身に、イオンはリグレットならではの弁論に顎に手を添え深くウンウンと頷く。
「そう言う事ならヴァン率いる神託の盾もバチカルで事が終わるまでには来ないでしょう。そうなれば以降はモースもいなくなり、行動にかなりの自由がきくようになります。とは言えまずは・・・」
「バチカルに急いで向かうこと、だね?」
「そう言う事です」
それで未来に希望を見据え前を向くイオンにウッドロウが先を読んで言葉を継げば、いい笑顔を浮かべ頷く。











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