必然は偶然、偶然は必然 第十四話

『(後何か聞きたいことはあるか?)』
「(とりあえず大丈夫だ。また何かあったら連絡するし、そっちからも何かあったら連絡してくれ)」
『(わかった・・・それではな)』
忠告も受け入れた事でイクティノスから別に話すことはあるかと問われるが、聞きたいことも聞き終わったのでルークは大丈夫と告げる。それでイクティノスの了承の言葉から通信が切れると、ルークは頭から手をどける。
「どうだった、ルーク君?」
「向こうはバチカルに向かう途中で神託の盾には遭遇してないってさ。でアリエッタ、1つ聞くけどアリエッタの友達ってアリエッタがいない場合は他の六神将だったり謡将が操れたりするのか?」
「それは出来ない、です。あの子達の中で何人かは謡将達の言うことも聞くように言ってる子もいる、ですけど、基本的にあの子達はアリエッタ以外の言うことは聞かない、です」
「そっかぁ・・・ならやっぱイクティノスの言ってたようにあいつらの足は鈍ってるって見てもいいかな・・・」
「何?イクティノスと話したの?」
「あぁ、ローレライが当事者達の目から見たことを聞いた方がいいだろうってな。イクティノスと話をさせてもらったんだけど、あいつの予想じゃ足もアニスの情報の横流しもないから手をこまねいてるんじゃないかってな」
「ま、あいつらしい妥当な読みね。それで他には何か言ってなかったの?」
「あぁ、向こうが使う手段としてどっかで俺らを待ち伏せるんじゃねーかって言ってたな。とりわけダアトとベルケンドに行くのは危ねーから後回しにしようって話し合っといたから大丈夫だとは思うぞ。まぁどこに来るかなんてのは確定してないけどさ」
「待ち伏せ、か。戦略の常套手段ではあるから、用心しておくに越した事はないな」
「あぁ、俺もそう思ってる」
そこにディムロスの確認からルークは得た情報を公開し話し合う。それで伝える事が言い終わった頃に、ルークは表情を引き締め3人を見渡す。
「ただちょっとこのまんま陸路に海路だけを進んだら、面倒な事になりかねねーからさ。イクティノスには言いそびれたけど、タタル渓谷に行った次の目的地はシェリダンにしようと思ってる」
「あらっ♪ってことはアルビオールとやらをゲットしに行くのかしら♪」
「・・・楽しそうだな、ハロルド」
「そりゃねぇ♪アルビオールもだけど、シェリダンにも興味があるし♪」
「はは・・・」
「・・・イクシフォスラーを作ってもまだ飽き足りんのか・・・」
「?」
そこから次の次の目的地をシェリダンと定めたいと言い出すルークにハロルドが目的はアルビオールと察し目を輝かせれば、ルークは乾いた笑いを浮かべディムロスは呆れたように頭を抱えアリエッタは何の事かわからずに首をちょこんと傾げる。
「・・・まぁいいや。それでシェリダンに行くのに反対はないか?」
「あるわけないじゃない!さっさとこんなとこ出てタタル渓谷に行くわよ!」
「・・・まぁこの辺りで私達にも早い足が欲しいと思っていた所だ、反対する理由はないな」
「よくわかんない、ですけど、ルークが決めたならアリエッタも行く、です」
「そっか、ならタタル渓谷の次はシェリダンだ。そう決まったなら行くぜ」
そんな中で気を取り直しそれでいいかと問い掛ければ、三者三様に是と返した事でルークは決定の旨を改めて口にした。タタル渓谷の後はシェリダンと。















裏に動く者達は着々と進めていく、己らが思う理想へと



それは同士以外には悟らせぬ物



故にその効果は後々に重々に効いてくる・・・



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