「・・・あんまり信じたくないって気持ちは分かる。今まで信じてきた物が違うなんて言われたってすぐには受け入れられないしな。つってもあくまで俺が言った事は俺の思っている事ってだけにしか過ぎないから、アリエッタは自分の判断でどうするかを決めてくれ」
「・・・もうルークと謡将、仲直り出来ない、ですか？」
「無理だな、絶対」
「！」
その上であくまでも自分の考えだからと言うルークにアリエッタは泣きそうな声で仲直りが可能かを聞くが、躊躇いなく即答でルークは否と答える。
「あっちは精々俺が誠心誠意頭を下げて自分を使ってくださいと言ってようやく道具扱いでその存在を認めるくらいにしか、俺の存在価値を認めようとしないだろうな。それも本当に使い捨ての消耗品を見るような目でだ・・・あ、言っとくけどこれは経験談だから予測とかじゃねーぞ」
「そんな・・・」
迷いなく断定された事でアリエッタが驚く中で続けられた言葉に、更に愕然とする。



・・・厳密に言えばルークの言った事は少し違うのだが、かつてベルケンドでヴァンと対峙した時アッシュもついでにいて同じような事を言われたのだ。全くの嘘ではない、とは言えるだろう。



「アリエッタはそんなやつ相手に自分から仲良くしたい、なんて思えるか？ましてや絶対にその考えを変えないって分かってたら、どうする？」
「・・・無理、です。アリエッタ、そんな人と仲直りなんて出来ない、です」
「そう、だから俺は仲直りなんて出来ないと思ったから仲直りしようと思わないんだよ」



・・・だからこそ仲直りなどしたくない、昔の自分ならともかく今の自分はレプリカという事で見下すヴァンに歩み寄るのは御免被る。



自分の気持ちも明かした上でアリエッタにどうかと問えば、自分もそうだと首を横に振りながら答える。その答えに意を得たルークはアリエッタの前に歩み寄り笑顔で向き合う。
「ただいろんな事を色々言ったばっかだけど、どうするかってのはアリエッタ自身が決めることだ。俺はお前がどうするかを強制することなんて出来ない。だからどうするか、しっかり決めてくれ・・・それでアリエッタがちゃんと決めた結論なら、どういう形でも俺は受け止めるよ」
‘ポン’
「・・・っ！」
本音を言えばアリエッタにはこちらにいてもらいたいが、それでも無理矢理は嫌だ。そう思うからこそアリエッタがちゃんと考えて出す結論なら受け入れると優しく頭に手を添えるルークに、アリエッタは途端に泣きそうな表情に歪んだ。
「・・・どうした、アリエッタ？」
「・・・ルーク、アリエッタの事、いらない、ですか？」
「え？・・・いやいやいやちょっと待て、なんでそんな答え返ってくんだよ！？」
そんな姿に首を傾げ訳を問うルークだが、いきなり自分の事はいらないのかと言ってきたアリエッタに最初何を言われていたのか理解出来ずにいたがその言葉の意味に気付いた物の、一層理解出来なくなり慌てて更に訳を問う。
「・・・さっきから聞いてたらルーク、アリエッタは別にいなくてもいい、みたいに言ってた、です。今もアリエッタを離すような事、言ってたです・・・」
「あ、いや・・・それは別にアリエッタを離そうとしてた訳じゃないんだけど・・・」
「じゃあなんなんですか？」
「えっと、それ今言った通りアリエッタに選んでもらう為なんだけど・・・」
「むぅ・・・」
その再びの問い掛けにアリエッタは涙目で責めるような視線を送りながら答え、ルークはそんな姿に強気に出るわけにもいかずしどろもどろになる。だが先程の言葉で納得のいかないアリエッタは一層強く見つめてくる。










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