必然は偶然、偶然は必然 第十四話

「さて、これからどうすっか・・・て言うかどう言ったルートでセフィロトを回るかだな~」
「どうして悩むの?」
「んー、ここから近いセフィロトっつったらアクゼリュスになんだけど今の時点で入るの危険なんだよ。なら別のとこにってなると、ここからならタタル渓谷になるけど、ちょっと道塞がってんだよな。セフィロトまでの。まぁ、それを今までのように俺の超振動で無理矢理ぶち壊すことも出来ない訳じゃないけど力使うからいざって時キツくなるんだよな。だからザオ遺跡に先に行った方がいいって思うんだけど、遠いしどうしようかと思ってな・・・」
「確かにそうだな。カイツールの軍港から行こう物なら誰かがルーク君の存在に気付きキムラスカに報告しかねんし・・・どうしたものか」
そこからどうすべきかと頭をかくルークは以前と違いザオ遺跡に寄っていない事からソーサラーリングのパワーアップの為に先にザオ遺跡に寄るべきかと考えるが、一方で遠回りになることからディムロスも難しい顔つきになる。
「いいんじゃないの?先にザオ遺跡に行って」
「・・・ハロルド?」
そんな二人に気楽に声をかけてきたハロルドに、二人はどう言うことかと視線を向ける。
「こっちはイオン達に表を任せて裏で動いてる身よ。追手の目はこちらには向きにくいから多少時間を使っても構わないでしょ。それに使える物は早目に手に入れといた方がいいわ」
「まぁ、そりゃそうだけど・・・うん、そうだな。どっちか悩むくらいなら先にザオ遺跡に行くか、こうして悩んでる時間が勿体ないからな」
「そうそう、それくらいでいいのよ。例えは微妙だけど卵が先か鶏が先か、なんて話があるけど実際あんまり変わらないと思うわよその二択」
「・・・なんかホントに微妙な例えだな・・・ハハッ、でもまぁ楽になったよハロルド」
「別にいいわよ」
そんな視線に悩むほど大したことない問題だと言われルークはなんとも言えない表情から苦笑で返せば、ハロルドは気にした風でもないと肩をすくめる。
「・・・よっしゃ!んじゃやることも終えたし、出るか。アリエッタ、しばらく歩くけど大丈夫か?」
「あ、えっと・・・だったらアリエッタのお友達、呼んじゃダメ、ですか?」
「えっ?」
難しく考えすぎた事から解放されたルークは一転スッキリした笑みで歩き慣れてなさそうなアリエッタを気遣う声を向けるが、対して予想外の友達を呼ぶという懇願混じりの発言に呆けた声を上げる。
「友達ってライガ達か?呼べんのか、こんなとこに?言っちゃなんだけど、ここらへんにいないんじゃないのか?ライガ達」
「えっと、多分大丈夫、です。その辺りにいる子にお友達を呼んでって頼んだら、時間かかると思うけど来ると思う、です」
「・・・そうなのか」
「ほほ~う?話には聞いてたけど、アリエッタが魔物と会話出来る場面を実際に見てみたいわ~♪魔物と会話出来るなんて、興味深いし~♪」
「・・・っ・・・」
「・・・ハロルド、少し自重しろ」
だが近くにライガ達がいない現状で呼べるのかと疑問を向けるルークにイケると言うが、明らかにキラキラと目を輝かせ身を乗り出すハロルドにアリエッタは少し怯えたよう身を引きディムロスが仕方無さそうに間に入る。
「ま、まぁとりあえずここから出ようぜ。何をするにしてもまずはそれからだろ」
「は、はい、そうですね・・・」
「グッフッフ、楽しみだわ~♪」
「・・・はぁ」
そんな空気をどうにか変えようとルークがさっさと行こうと言えばアリエッタは先に行くルークに慌てて付いていくが、明らかにロックオンした目付きで後ろからハロルドが楽しそうに歩く様子にディムロスは1人タメ息を吐きながら最後尾を付いていった・・・









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