必然は偶然、偶然は必然 第十四話

「これは私の考えだけど、この世界の昔の預言を牛耳ってた人は障気に外殻大地の事を知っても後の事だからって知らんぷり決め込んだんじゃない?それが詠まれてる預言にないから第七譜石にその問題が解決される、なんてのを期待してたからその時で解決するのを止めた形でね」
「それは・・・あまりにも無責任過ぎるな」
「でしょ?それにそんなことしたら預言自体詠めなくなる可能性まで出てくるじゃない。簡単に言えば第七音素が汚れたのが障気の正体なんだし。外殻大地の問題をどうにかしようと考えたなら液状化した大地もそうだけど、障気を出さないためにもプラネットストームをどうにかしないといけないのも芋づる式に問題として出てくるのは簡単に目に見える。けどそれを為政者というか預言を実行する者達はしなかった。そうしたら預言の恩恵を得られなくなり、預言の利便性に頼りきっていた人間達を怒らせる可能性があるために未来を犠牲にする形でね・・・だから私は思うのよ。預言大事の一言で世界の未来を勝手に潰した昔の人間は愚かだってね」
「・・・なんか、そう聞くとこの世界がいかに預言で満ち満ちてたのかを再確認してしまうな。人より預言の方が大事って、どんだけだよ・・・」
その上でハロルドのかなり現実的な可能性を匂わせた上で預言を詠み続けた過去の人間への批難に、ルークも反論が出てこず苦い顔で頭をガシガシかく。
「ま、今となっちゃ関係無い事なんだけどね。ちょっとセフィロト見て思ったことだけどそれもあんた達がそれを変える為に動いてるんだし、実際一度変えることも出来たんでしょ?ならしっかりなさいよ、今度はあんた達があいつらの代わりに世界を変えるんだからさ」
「ん・・・あんがとな、ハロルド」
そんなルークにただ自分の考えたことを言っただけと言いながらもらしくもなく励ましの言葉をニマッとした笑顔でかけてきたハロルドに、ルークは少し気恥ずかしそうに顔を反らしながら礼を言う。
「別にいいわよ。さ、行きましょ。セフィロトの仕組みも分かったことだし、興味ないわもうここには」
「・・・そうだな、行くか(障気の事を後回しにしてきた、か・・・)」
そんな礼をハロルドは軽く返し早く行こうと言えば、ルークも頷き先に行く二人の元へと急ぎ足で足を進める。心中でハロルドの言ったことを反芻しながら・・・















・・・そして二人と合流したルーク達はこのセフィロトにある仕掛けを解き、パッセージリングの操作板の前に立った。
「よし、ここでも鍵を・・・っと、これでいいな」
ルークは早速ローレライの鍵を掲げ念じ、数瞬の間の後鍵を下ろし操作板を打ち出す。が、それと同時にルークは心で念じる。
「(なぁ、ローレライ。謡将殿は前のようにもう操作板を操作したか?)」
『(アブソーブとラジエイトゲートに来た痕跡はあるぞ。元々あの2つはダアト式封呪の扉はなかったからな。どうやら以前に操作板を操作していたらしい。だがそれも我がヴァンが操作したものを書き換えたから、後はそなたにしか反応しないように設定すれば奴らは何も出来なくなる。そなたは我の言うように操作板を入力してくれ)』
「(わかった)」
さりげにローレライに通信を心の中でするルークに、ローレライは自身でしたことを告げつつやるべきことを指示する。ルークもその指示に従い、操作板を軽快にポンポンと叩いていき最後にポンと1つ大きく叩いた。
「・・・よし、これでパッセージリングの操作は俺以外に出来ないようになったな」
操作を終え満足そうに頷くルーク。それもそうだろう、これで余程の事がない限りはヴァンの後塵を拝するような事態にはならないことになったのだから。







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