必然は偶然、偶然は必然 第二話

「何て言うかさ、そんなルークにイオンの二人が凄く不憫に思えてな・・・話を聞くと今この時って、ルークとティアの二人が超振動で飛ぶ時くらいなんだろ?これからウッドロウさん達がルークとイオンの二人に協力するって言っても、しばらくはティア達とも行動するわけだし・・・それでせめて二人を擁護したいと思ってな、二人がティア達に不必要に不当な物言いをされないようにさ・・・」
『・・・ふむ』
セネルの不器用で優しさを想わせる言葉と、横を向き頬を恥ずかしそうに指でかく顔を見てローレライは納得したように頷く。



・・・ハロルドはともかくとしても、ディムロスにクラトスは世界の危機を感じて協力を申し出た。だがセネルはルークとイオンの二人の事を親身になって考え、協力を申し出てくれた。全体と一部、本来望ましいのは全体を見ての協力だが一人くらい一部の為に協力してくれる人物がいてもいい。そうローレライは思っていた。



『・・・ハロルド、ディムロス、クラトス、セネル・・・そなたらはそれぞれ思う所は違えど、確固とした協力の意志を示してくれた・・・そなたらの協力、ありがたく受けさせてもらおう。無論、全てが終わったならハロルドを除いてそなたらを元の世界に戻させてもらおう。それくらいは当然やらねばならぬからな』
・・・そしてセネルの意志も固いと知った今、全員の協力を断る理由は存在しない。ローレライはその協力に感謝の意を示すよう、声を深々と下げる。
「・・・そう言うことだ。全てが終わるまでの間ではあるが、私達は晴れて仲間と言う事になるな。これからよろしく頼む」
『俺からもよろしく頼もう』
「ああ。だがまさか千年後のソーディアンマスターと、イクティノスとともに戦う事になるとはな・・・」
「そう?ま、あたしは千年後のアンタも知ってるから大して気にならないわね」
「しかし剣が喋るとは・・・異世界の技術はすごい物だな」
「確かに・・・」
ローレライの話が終わりウッドロウが話を切り出し、一同は一斉に会話を繰り広げる。












『・・・と言う訳だ』
「マジかよ・・・」
・・・と、ルークの見ていた映像は途端に見慣れていた部屋の光景へと戻り、意識が戻った所でルークは複雑そうな顔をする
「協力してくれるのはありがたいし、俺達と同じ考えの人がいるってのは嬉しいんだけどさ・・・予想外の事が起こりすぎてホントに大丈夫なのか、って思うんだけど・・・元の場所に戻すこともじゃあるけど、戦う事もさ・・・だってまた俺達師匠、あ違う違う。あのブラウンパイナップル達と戦わなきゃならないだろ?まぁ強そうだとは思うんだけど、どれくらい強いか強さがわかんねーんだけど・・・」
その複雑そうな顔から何十年も経ってすっかりヴァンへの敬意も薄れた発言が普通に出つつも(ちなみにブラウンパイナップルと名付けたのはイオン。流石にウ○コパイナップルは想像するとフくのでブラウンとつけたが、結局音譜帯で二人は二度目の死を覚悟する程笑い転げた)、そのヴァン達とハロルド達が戦えるのかの疑問をローレライにルークは問う。
『ああ、問題はない。先程の続きの場面だが、話をしている内に全員戦える事を聞いてな。それでどれくらいの腕かを確かめる為に各々で試し合いをしたのだが、全員そなたと近いくらいには戦えるぞ』
「・・・へぇ~、そうなんだ。つーかディムロスとかクラトスの話に出てた争いって、どんだけ激しかったんだろう。あいつらの世界・・・」
『その辺りは追々後で聞けばいい・・・まぁ心配はするな。元の場所に戻すこともだが、彼らの強さは確かな物だ。それは我が保証しよう』
「ああ、わかったよ」
その答えをローレライから聞けた事に意外そうに目を瞬かせるも、ちゃんとした保証を聞きルークは安心したように声を上げる。











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