「それで、話とは？」
『あぁ、少し確認なのだがお前はウッドロウの事をどう思う？』
「ウッドロウ、か・・・？・・・いきなりなんだ、その質問は？」
『いや、少し確認をしに来ただけだ。お前がどのようにウッドロウを思ってるのかをな』
「・・・」
そんな状況から早速理由を聞いたリグレットだが、イクティノスがウッドロウ関連とだけしか言わずにはっきりと言わない事に釈然としない様子で見つめる。
「・・・まぁ、悪くは思っていない。あれほどの男はそうはいないだろうな」
『そうか・・・』
だが答えない訳にはいかないと思ったのと先程からウッドロウの事を考えていたのもあって、リグレットはある程度本音である程度自身の感情を包み隠した程度に当たり障りなく返す。そんな答えにイクティノスはただ納得の声で呟く。
「・・・おい、一人で納得してないでどういう意味かを教えろ。今の質問の意図を」
『あぁ、すまんな・・・実はウッドロウの事で考えてる事があるんだが、それには女手が必要なんだ』
「女手、だと？」
『そう、女手だ・・・とは言えこれはお前がウッドロウに内緒の上で親身になってくれるかどうか、で話すかどうかを決めさせてもらう。出来ればこれはウッドロウには知られたくないからな』
「・・・どうやら訳ありのようだな」
『あぁ。だから断るというのなら以降はこの話はしない。ウッドロウにバレるのも避けたいが、これは協力的な人間でなければ生半可な事ではこちらの思うようにはならないだろうからな・・・』
「・・・そこまで言うほどの事か・・・」
しかし納得の出来てないリグレットが一人納得しているイクティノスに抗議の声を向けるが、事の重大さを匂わせるような慎重を期する声にウッドロウの事でそこまで深刻になれるのかと逆に考え込む。
（・・・イクティノスはこれほどにウッドロウの事を考えてる、か。それがどれ程の中身なのかを今言えないというのも、一層重大な事だと理解出来る。ならば私にイクティノスの申し出を断る理由はない・・・！）
・・・だが既にリグレットの中ではそのイクティノスの話を断るという考えはなかった、自身はウッドロウと共に歩むと決めていたためにウッドロウに関しての障害は排除するべきだと考えたが為に。
「・・・わかった、私に出来ることがあるなら話を聞こう」
『・・・そうか』
そこから意を決して口を開いたリグレットに、イクティノスは少し安堵したような声色になる。
『では話そう、私の考えている事を・・・』
そして気を引き締めた声で改まって始まった声をイクティノスは出す・・・








・・・後にこのイクティノスの話がリグレット、そしてウッドロウの今後に大きく関わることを二人は知るよしもなかった・・・









next story











．