必然は偶然、偶然は必然 第十二話

「では早速参りましょう。とは言えこのまま二組に分かれると僕達の行方を容易に察知されかねません。ですからタルタロスに乗りここから離れた後、二組に分かれる形で」
「はい、わかりました・・・それでカーティス大佐もですが、他の方々もこのタルタロスに乗せたままで行動してよろしいのでしょうか?このセントビナーで身柄を引き渡し、グランコクマにカーティス大佐一同を送ることも不可能ではありませんが・・・」
「いえ、それには及びません」
納得も得られた所でイオンが念を入れての出発の仕方を伝えればフリングスは頷きこそするものの、何故ジェイド達も連れていくのかと置いていく事も出来ると言う・・・だがそれこそがジェイド達を追い落とす絶好の機会と考えるイオンは、下手にわざわざ連れていく予定の奴らを置いていかせないと首を横に振る。
「ただその訳に関しましては後々お話を致しますので、そろそろ出発しましょう。あまりここで聞かれるにはよろしくない中身ですので・・・」
「・・・はっ!では参りましょう!」
そして裏があると匂わす口振りでと辺りを伺いながら話を進めればフリングスも中身を察し、それ以上は何も言わず敬礼を返す。そんな様子を見て一同は顔を見合わせアイコンタクトを取り、フリングスを最後列にしタルタロスの方へと足を運ぶ・・・















・・・そしてタルタロスを動かし周りに平野しか見えなくなった頃、ブリッジにてイオンからジェイド達を何故こちらに乗せてきたのかという真意をフリングスは聞き終わっていた。
「・・・という訳です」
「・・・成程、確かにそう聞けば合点がいきます」
そして浮かんだ感想は納得、それなら連れていく方が正しいと思える程の。
「納得してもらえたのなら何よりです。それよりこの辺りでいいでしょう、ルーク達を降ろすのは」
「えぇ、そうですね。ではルーク殿、後はよろしくお願いします」
「はい、報告はその都度していきます」
フリングスも納得したならとイオンは場がいいこともありここでルークを降ろすのがいいだろうと言えば、フリングスもルークもその意見に賛成しつつ互いに軽く頭を下げる。









・・・そしてタルタロスを一旦停止させた後ルーク達は地面に降り立ち、イオン達が去っていく姿の見送りをした。
「・・・あの、ルーク」
「ん?どうした、アリエッタ?」
見送りも終えた所でアリエッタが神妙な面持ちで声をかけてきたことに、横にいたルークは首を横に向け何かと聞く。
「・・・さっきイオン様が言ってた事、全部ホント、なんですか・・・?」
「ん・・・あぁ~、そういやアリエッタにはその事は話してなかったな」
その疑問の中身はイオンの話の中身。アリエッタの疑惑をまとった声に、ルークは思い出したようにその件をまだ話してなかったと納得する。
「まぁここまで来たし言わない訳にもいかないからな・・・ホントだよ、イオンの言った通りだ」
「・・・そう、なんですか・・・なんで、そんなことを・・・!」
「落ち着けよ、アリエッタ。俺らはそれを清算するためにあいつらをわざわざタルタロスに乗せたんだからな」
ならば事実はどうなのかとはっきりさせる為、ルークは正直に肯定する。アリエッタは最初は声を落としていたが徐々に怒りがこもっていき、ルークはなだめるために自分の声を挟む。







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