必然は偶然、偶然は必然 第十二話

・・・キムラスカから命じられアクゼリュス救援に行って辿り着いたルーク達。順当に行けばアクゼリュスをヴァンが崩落させるには十分な時間が経っていると思われる程の時間が経ったバチカルにて、モースは今か今かとてぐすね引いて待ち受けていた。その報を・・・









・・・だがモースにヴァンの企みを潰し、ティア達を英雄にしないことがルーク達の望み。そうしないために動く今、そんな希望は根こそぎ断つとルーク達は動いている・・・そんなルーク達は今、セントビナーにいた。



「・・・ご協力感謝します。これで貴殿方のおかげでアクゼリュスの住民を真に無事救い出すことが出来ると思われます」
「とは言えまだ体調を戻してない者もおるが、その者達に関しては優先的にこちらに運ばれ預かることにしたから気になさらないでくだされ」
「はい、こちらも無理を言って動いていただいてすみません・・・」
「いや、導師の手紙に書いてあった中身は色々とこちらも考えさせられたので気になさることはない。我々が動かねばアクゼリュスの住民は助けられなかったのやもしれませんのでな・・・」
・・・セントビナーの街の入口。そこでルーク達とマクガヴァン親子は対面していた。しかし共にその表情は暗く固い。
「・・・その気になればマルクトだけでも無理をすればアクゼリュスの住民は救えないこともありませんでした。ですが対外的に見れば軍がアクゼリュスに集結することはすなわち、キムラスカに手薄になった腹の内を示すことになります。だからピオニー陛下は和平を真に望んだのもありますが、キムラスカに侵略されないためにもキムラスカと手を結び安全に住民を救う事を選んだのでしょう・・・」
「じゃがそんな思惑を利用するように動かれ、あまつさえアクゼリュスごと住民を殺そうとした。詠まれたという預言通りにするために・・・流石に我々としても看過する訳には、いきませんでした」
「だからこそ私も、こうやって貴殿方に協力を願い出たんです。そのような事を許さない為にも・・・」
そこからグレン将軍が苦い顔をして話す中身にマクガヴァン元帥が中身を引き継げば、イオンも遺憾だと顔を歪める。



・・・アクゼリュスのマルクト側の道が使えなくなったからキムラスカに助けを求め和平を願い出た、それは確かに事実になる。だがマルクトも形振り構いさえしなければマルクトだけでも住民を救えないこともなかった、それはアクゼリュスの地に以前タルタロスが来れたこととフーブラス河から程近い所にあったパダン平原からアクゼリュスに行く所にかかっていた橋を早く最低限使えるよう修復すれば不可能ではないとルーク達は見ていた。

しかし事はそう単純ではなく、それが出来ない理由はグレン将軍が明かしたようにキムラスカの襲来の可能性があったからだ。戦争において相手の弱味を突くのは常套手段であるし、種火さえつけばいつ戦争になってもおかしくない状態なのだ。一刻も早い救援をするならまず周りを固めてから、というピオニーの判断は間違ってはいない・・・が、そんな窮地を知って助けは出さないどころか尚とどめを刺すとためらわず決めたのはモースである。預言、その理由だけで1万近い人の命を・・・









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