必然は偶然、偶然は必然 第二話

「・・・ちょっと待ってくれ、ローレライ。私も残ろう」
『『・・・何?』』
すると今度はディムロスが真剣な面差しで残ると言い出し、二人はその声を疑う。
「・・・何故貴方も残るのだ、ディムロス?ハロルド博士と違い、貴方にはここに残る理由はないのではないか?」
そんな二人の疑問を代弁するよう、ウッドロウが自身の疑問も含めディムロスに問い掛ける。
「・・・気持ちがわからん訳ではないのだ、そのローレライやルーク達の気持ちが」
そのウッドロウにディムロスは重々しく語り出す。
「私も地上軍の中将として光のさす未来を切り開く為に天上軍と戦っていたが、戦を終わらせた為に今は地上の復興の為にいい政治をするための体勢を整える事が重要な仕事になっている。それは我々が望んでいたからであるがそうなるに至った過程において、天上軍との戦いで志半ばで命を落とした兵士達がいたことを忘れてはいない。その兵士達の為にもちゃんとした世界を作らねばならない、私はそう思いながらここに飛ぶまで活動していたのだが・・・この世界に来てローレライの話を聞き、ティアを初めとした面々のやって来たことが信じられなくてな・・・話を聞き終わった時、これが我々の失敗した時の世界の在り方なのかと思ってしまっていた」
「・・・成程。重ねていたというのだな、ルーク達が全て終わらせた後の世界の状況と自分の世界を」
「・・・あぁ」
・・・ディムロスの昔語りを交えた話にクラトスが納得したように頷く。
「・・・こうやって後世の人間であるウッドロウ王からその後の世界が色々あれどうまくいっているというのは聞いたが、それも自身の至らなさ一つでどう変わるかわからない・・・そう考えるとこのままこの世界を放っておく気になれなかったのだ、ここを見捨てて戻ればその至らなさがいつ出るかもわからぬが故に・・・」
「「「「・・・」」」」
ディムロスの真面目さと頑なさと不安が存分に込もった協力の訳を聞き、一同からは反対の言葉は出ては来ない。
『・・・協力してくれるというのであれば、ありがたくその申し出は受けさせてもらおう。ただそうしてくれるのはありがたいが、ルーク達を見守る為全て終わるまで我は元の世界にそなたを送りは出来ない。それでもいいのか?』
「あぁ、それで構わない。協力するからには私も全力でウッドロウ王達に力を貸させていただこう」
そんなディムロスにローレライは協力するならしばらくは帰れなくなると言い最後の確認を取るが、ディムロスは迷いなく協力すると宣言する。
『・・・わかった、協力感謝する・・・ではクラトスとセネル、そなた達を元の所に送らせてもらおう』
その宣言に礼を言いながらも、ローレライはクラトスとセネルに元の世界に戻すと言い出す。
「少し待ってもらおう」
『・・・なんだ?』
すると唐突にクラトスはそれを制止し、ローレライはまた何事かと思いながら話を止める。
「ハロルドが残ると言った時は訳を聞いて言い出すのを少し躊躇ったが、このディムロスが自身の意志で残ると言い出した時に私の意志は固まった。私もお前達の協力の為にここに残らせてもらおう」
『何だと・・・!?』
だがクラトスからも協力の申し出が出て来た事に、またローレライは驚く。
「・・・すまない、ローレライ。俺もお前達に協力したいから、ここに残っていいか?」
『!・・・セネル、お前もか・・・!?』
すると更にセネルからも言い出しにくそうに協力の申し出が出て来て、ローレライは信じられないといったように声を上げる。







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