必然は偶然、偶然は必然 第二話

・・・それからウッドロウ主導の下、互いの事情説明はされていった。

・・・ローレライがオールドラントの現状を変えたいが為にウッドロウとイクティノスを探し出し、過去に戻ろうとしたこと・・・その過去に戻ろうとする三人の時空移動にハロルドが作った時空超越装置のエネルギーがぶつかってしまい、ローレライの判断で無理矢理オールドラントにまで引き込んでしまったこと・・・その引き込まれる状態をどうにかしようとハロルドは装置を叩き壊そうとしたが、結局暴走を止められなかった事・・・



『・・・恐らく状況からして、クラトスにセネルだったか・・・二人はハロルドの作った装置が壊れた事でエネルギーが暴走してそなたらのいた場所の時空へエネルギーが飛び火し、我の時空移動にそのエネルギーが引っ張られるようそなたらもこちらに飛んで来てしまったのだろう・・・』
「「・・・」」
・・・そしてそのエネルギーの衝突の果てに全く関係のないクラトスとセネルの二人が時空移動に巻き込まれた事が、話し合いの末に明らかとなった。



「・・・色々話を聞かせてもらったが様々な要素が絡み合った上で、今このようなことになってしまったようだな・・・」
「そうねー、流石に私も時空移動同士の衝突なんて想定なんてしてなかったからねー」
「それで俺とこのクラトスって人は巻き込まれたっていうのか・・・」
『そういうことになる』
話が終わりウッドロウの深刻なまとめとハロルドの気楽な声が入り、セネルはクラトスを見ながら複雑そうな声を上げローレライは肯定する。
『・・・そのことについてだが、そなたらをこの世界に連れて来てしまった原因は我の行動が元だ。すぐにそなたらを元の世界に戻そう、それが我の責任であるからな』
そしてローレライは済まなそうに、元の世界に戻す事を言い出す。やはり関係のない人間を巻き込む事ははばかられると思ったが故の事だ。
「別にいいわよ?私は送ってもらわなくても」
『・・・何?』
だがその提案をハロルドは一蹴する。
「だって面白いじゃない、異世界なんて!こんなとこに来たのにすぐに帰るなんて嫌よ、私!」
『・・・ハロルド、せめて時と場合を考えてくれ。俺達はこれよりオールドラントのいい方向への改革に取り掛からないといけない。そんな遊び半分の心で残られても迷惑だ』
ハロルドは独特のテンションで残る理由を話しながら譲らないと返すが、イクティノスがその理由を聞きハロルドを非難する。
「何よー、イクティノス。千年経ってもその感じ変わってないの?それに遊び半分なんかで残らないわよ。私は全力でこの世界について研究をするんだから」
『・・・ハロルドはハロルドという事か・・・』
だがハロルド節で自信満々に返され、イクティノスはハロルドが説得出来るような人種ではなかったことを千年ぶりに思い出す。
「心配しなくていいわよー。あんた達の話を聞いてる限りじゃ別に自分達にだけ都合のいい世界に変えるような改変をしないようだから、ここにいる間は私も協力してあげるから」
『・・・何?』
だが予想外な協力をするというハロルドの声が出て来たことにイクティノスは何事かと思う。
『協力するというのはありがたいが、その時間の分元の場所に戻ることが出来なくなるぞ?それでもいいのか?』
「問題ないわ、むしろ望む所よ!話を聞いたところだと私の装置は正常に作動して時空を超えたんだし、今度は時代どころか次元さえも超える装置を作って見せるわ!・・・けどもし残らせないって私を無理矢理にでも元のとこに送り返したら、意地でもこの世界に装置作って戻ってきてあんたらの敵側について色々邪魔してやるわよ~・・・グフフ」
「「「「・・・っ・・・」」」」
イクティノスはその申し出の分のデメリットを出してハロルドを思い止まらせようとするが、ハロルドはスイッチが入りまくし立てていき終いには残らせないと手段を選ばないと恐ろしい笑みで返す。その様子に一同言葉を無くす。
『・・・ローレライ、ハロルドは本気だ。これ以上言えば冗談抜きに敵側につかれる、そんな状況は避けたい。だからハロルドはここに残す形で、後の者達を元の所に送ってくれ』
『・・・わかった』
イクティノスはそんな様子からもうハロルドは除外して元の世界に送ってくれと疲れた様子で言い、ローレライも同じよう一言で返す。









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