必然は偶然、偶然は必然 第十話

・・・ここでアリエッタをイオンが注目する理由、それはアニス達には明かしていない事実をアリエッタに明かすためだ。

リグレットと違いイオン達から状況をほとんど正確に聞かされないままアリエッタは一緒にこちらに来た訳だが、そうするに至った理由はイオンに関する重大なことを話すとルークから言われてそれを聞きたいとリグレットについてきたからである。

だがそれはアリエッタにとっては辛く厳しい物になりえる上、ここから先の話は自分で自らアッシュを追い詰めたルークと違い簡単に周りにばらしていいものではない。だから一応マルクト兵士の目がない場所に行くため、場所代えを提案したのだ。






「・・・失礼します、お部屋の準備が整いました」
「・・・さぁ、では行きましょうか」
「あ、私は住民の人達の具合見て障気を体から取り出す為の装置でも作るからその部屋にはあんた達だけで行ってちょうだい」
「「「「・・・え?」」」」
・・・それから少ししてさっきの兵士が戻りイオンが行こうと言い出すが、そこにハロルドがなんでもないことのようにとんでもないことを言い出す。その中身にディムロスとアリエッタを除く一同の目が信じられないとハロルドを凝視する。とは言ってもディムロスはハロルドに耐性を持っているだけで、アリエッタは事の重大性を理解できてないからなのだが。
「え、えーっと・・・そうしてくれるなら助かるんですけど、そんな簡単に出来る物なんですか?」
「大丈夫大丈夫。ヒントはとっくにもらってるし後は障気の詳細なデータを取れたらチョチョイのチョイだから、心配しないでいいわよ」
「あ、あはは・・・わかりました。ではハロルドはそちらにしばらくお預けしますので、出来ればその行動は制限せず看過してもらっていいですか?もし何かあれば彼女の行動の責任は僕が取りますので」
「は、はぁ・・・わかりました・・・」
そんな中でイオンも唖然としながらも大丈夫かと聞けば、また自信満々な様子で返され苦笑いしか出来ずにいた。だがハロルドは研究に関しては大言壮語を吐かず事実のみを言うのでその天才ぶりに賭けてみようと兵士に行動の許可を求めれば、兵士はやはり衝撃が強いのかどうとも言えずに曖昧な声色で頷く。
「では改めて、僕達は行きましょうか」
「あぁ、そうすっか」
そこからイオンの再度行こうと言う声にルークが答えると、一同はイオンを先頭にハロルドを残しブリッジを後にしていく・・・















・・・そして少しタルタロスの中を移動し、イオン達は用意された部屋の中に入った。だが一応部屋の中の話を聞かれる訳にはいかないということで、部屋の前の見張りにディムロスとクラトスがつくことになった。部屋の中にいるのはルークにイオンにウッドロウにセネルにリグレットにアリエッタだ。
「・・・さぁ、話を始めましょうか」
そんな状況で椅子に座ったアリエッタに、立ったままのイオンは話の口火を切る。自分と、かつての未来での結末を受け入れてもらうために・・・















罪は消えない物だがそもそも生きてきた歩みは誰にも消すことは出来ない



その歩みは他者を巻き込む物であればやっかみを買い、時に他者からの裁きすら受ける



人は選ぶのだ、他者を否定するか他者を望むかをその歩みにより・・・






next story








24/25ページ
スキ